腰痛を防ぐ椅子の座り方を補助してくれる「足置き」の正しい使い方
椅子に座っての作業が多い人には腰痛持ちの人が多いとはよく言われます。
そして、座り作業による腰痛を防止する方法の一つとして、椅子に綺麗な姿勢で座る事で腰痛を予防出来るのもよく言われる事です。
ですが、理想的な姿勢にしたくても出来ない、という人も多いのではないでしょうか。
今回ご紹介する「足置き」はその中でも比較的多いトラブルの一つ「足が床に付けられない」時におすすめです。
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目次
そもそも足置きって何?
足置きは、そのまま「足を置くための道具」なのですが、椅子に座った時に足を置くための道具には種類があります。
一つは「オットマン」と呼ばれるリラックスしたときに使うための製品、もう一つは「フットレスト」と呼ばれる、椅子に座った時にきれいな姿勢を維持する事を補助するための製品です。
これらはどちらも足を置いて使うための道具のためまとめて「足置き」扱いされがちですが、実際には用途が結構離れています。
そのため種類による違いを知らないで買ってしまうと、腰痛を予防するはずが逆に腰痛が酷くなってしまう。
なんてこともあるため、注意が必要です。
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リラックス時に便利なオットマン
オットマンは主に椅子に座りながら足を伸ばす時に使う道具で、どちらかというと作業時以外の時に使う事が多いタイプの足置きです。
外見は背もたれの無いソファーのような外見になっており、椅子の前に置いて使います。
高機能なデスクチェアの中には、折り畳み式のオットマンを内蔵したタイプのものもあり、リクライニング機能と併せて作業の合間に休憩する時などに軽く横になるために使われる事があります。
また、内蔵式のオットマンの場合、椅子に密着した非常に近い位置で固定する事が出来る場合もあるため、椅子の上であぐらをかく人などにおすすめの機能でもあります。
おすすめのオットマン「サンワサプライオットマン100-SNC035」
作業スペースやオフィスで使うオットマンならサンワサプライの「オットマン100-SNC035」が手頃な価格でおすすめです。
デザインは、オフィスチェアの背もたれを取り外したようなデザインなため、オフィスのようなオットマンを置きづらいスペースに置いてもおかしな雰囲気になり難く、人に立ち会ってもらうような場合には簡易的な椅子としても利用することが出来ます。
座面はウレタンフォームをクッションにして、表面はレザー仕上げになっています。
高さの調整はごく一般的なガス圧式のシリンダーで無段階の調整が可能です。
足先にはキャスターが使われているため、使わない時に移動するのにも便利になっています。
その分、足を載せていて滑りやすいと感じる時があるため、ここは賛否が分かれるポイントかなと思います。
動きすぎてしまう場合には、ロック機能の付いたキャスターが同じ会社から発売されているため、そちらに変更してしまうのもおすすめです。
オットマンを使う時の注意点
オットマンは足を伸ばせるため休憩時にはもってこいの製品です。
座っての作業が多い人はどうしても足先が下になる時間が長いため、足先に血液が多く巡ってしまい、足先にむくみが出たり、ダルさや疲労感を感じたりすることが多くなりがちです。
ですが、休憩時などにオットマンを使って足を伸ばすことで足先の高さを少し上にすることで、足先へ向かう血液の流れを抑え、むくみやダルさ・疲労感を緩和することが出来ます。
しかし、この姿勢は腰痛が気になる人はあまりおすすめできません。
オットマンを使いながら椅子に座ると、姿勢的には足を伸ばしたまま床に座る「長座」に近い姿勢を取ります。
この姿勢は腰に対する負担が大きいため、腰が悪い人は出来る限り取らない方が良い姿勢の一つとされます。
腰痛持ちの人でオットマンを使いたい、という人はリクライニング機能付きの椅子を使って、オットマンを使う時は背もたれを倒してあおむけに近い姿勢にし、オットマン自体も椅子の座面よりも低い位置に調整するのがおすすめです。
作業時に便利なフットレスト
フットレストは、オットマンとは逆に座りながらの作業時にこそ効果がある道具です。
外見は踏み台に近いデザインの物が多く、足の下になる位置に設置して座った時にその上に足を置いて作業をします。
オットマンと比べると椅子に内蔵されている事は少なく、基本的には別で用意する必要があります。
製品によって、本当にただ高さを確保するためだけのものから、高さの調整、足を置く面の角度を調整できるもの等、種類は多岐にわたります。
比較的長く使える製品のため、角度調整と高さ調整の機能が付いたものを選んでおくと、椅子や机など他の環境が変わった後も続けて使えるためおすすめです。
おすすめのフットレスト「サンワサプライエルゴノミクスフットレストMR-FR1」
フットレストの中でおすすめなのが、PCの周辺機材を主に販売しているサンワサプライが販売しているフットレスト「エルゴノミクスフットレストMR-FR1」です。
足を置く面がラバー加工されているため滑り辛く、面積自体も大きめに作られているため靴を履いたままでも足を置きやすくなっているのが特徴です。
高さと角度の調整機能も付いているため、ある程度体型に合わせて使えます。
少し重めに作られているのと全体的に大きめのため、狭いスペースでは使い辛いのが難点ですが、その分設置したときの安定感は高めです。
作業スペースやオフィス以外にも、自動車で長距離を移動する時にも、おすすめのアイテムです。
フットレストはこんな人におすすめ
フットレストを使った方が良いパターンとしては、主に腰痛持ちの人のうち、椅子に座って適切な姿勢を取った際に「床に足が付かない人」が挙げられます。
そのため、身長の小さい人や、机が高くなっていてそちらに合わせる必要がある場合などにおすすめです。
「足が地面に付くだけで何か変わるのか?」と思いがちですが、足が地面に付かない状態では、足全体の重量が足の付け根にかかるため腰が引っ張られるような形になり易く、骨盤が正しい位置からズレて腰痛の原因になります。
フットレストに足を置くことで、足の重量を腰と足裏で支えられるようになるため、足が付かない場合よりも少ない負荷で座ることが出来るため、腰痛のリスクを減らすことが出来ます。
また、足が付かない場合はふとももの裏が座面と強く接するため、足が圧迫され血液の流れが阻害されやすくもなります。
フットレストを使う事でこの点も解消できるため、腰痛は持っていないが足のむくみや痺れが気になるという人にもおすすめです。
フットレストに迷ったら、自作に挑戦するのもおすすめ!
自分に合ったフットレストが見つからない場合、腕に自信がある人は自分で作ってみるのもおすすめです。
フットレストは高さと角度が合っているのであれば普通の木箱を使っても何も問題が無いほど単純な仕組みの道具です。
そのため、意外と自作する人も多くいます。
また、市販の製品よりも足を置く面の幅を広くしたり、高さ調整の幅を広くしたりするといった事をしやすいのも自作のメリットと言えます。
自由度は市販品と比べると非常に高いですが、体重がかかりやすい道具のため、強度などを確保できるだけの工作の知識が必要になります。
万人受けする方法ではないため、あくまでも「工作が好きな人向け」の選択肢です。
まとめ
オットマンとフットレスト、どちらも椅子に座っての作業を快適にする道具ではありますが、腰痛を防止するという点ではフットレストを使うのがおすすめです。
オットマンも悪くはありませんが、やはり使用時に腰に負担がかかる姿勢になるため座り作業時の腰痛を防止するという意味では適していません。
逆に休憩時に快適に過ごしたい、という場合にはオットマンのほうがおすすめです。