ジギングロッドでショアから楽しむマダコ釣り(エサを使った際釣り編)
ジギングロッドは「ジグで魚を釣る際に使用するもの」という認識の人も多いのではないでしょうか。
しかし、それは間違いではありませんが正解とも言えません。
何故なら太刀魚や青物以外でも、マダコがちゃんとした対象魚として狙えるからです。
今回はそんなショアからのマダコのエサ釣りについて簡単にではありますが書きたいと思います。
スーパーで買うと何かと高額なマダコをショアから手軽にゲット
日本で食用として利用されているタコには主に「マダコ」と「イイダコ」の2種類がありますが、一般的に広く認知されているのは恐らく「マダコ」だと思います。
スーパーに行くとよく売られていますが、ご存じの方も多いと思いますが足数本だけでもかなりの値段で売られています。
市場などに足を運んで丸々1パイそのままの姿で販売されているのを目にすると何千円もの値段が付けられていて大変驚きます。
そんな高級食材と言っても過言では無いマダコをショアから手軽にジギングロッドを使って狙うというのが今回の内容です。
簡単にではありますが、釣り方や仕掛けなども含めて説明したいと思います。
マダコとは
マダコというと具体的なシルエットや味などは想像できても、その詳細について説明できる人はそう多くないと思います。
まずは今回のターゲットであるマダコについてその生態などを簡単に書きます。
マダコはタコ目マダコ科に属するタコの1種で、日本だけではなく世界各地に生息しています。
体の表面に色素細胞があって、周囲の岩や海藻などに合わせて体色を自由自在に変えて擬態することができます。
この擬態能力を獲物の捕食やウツボなどの外敵からの保護に役立てています。
また、水族館などでエサのカニをビンの中に入れて蓋をして与えるとビンの構造を素早く理解して蓋を回して空けるなど、知能指数はかなり高いと言われています。
生息域としては、比較的水深が浅い海の岩礁帯を好んで生息しています。
イカやタコの軟体動物全般に言えることですが、真水を大変嫌うようで河口域には生息していないと言われています。
食性としては完全な肉食で、カニやエビなどの甲殻類や二枚貝、小魚などを捕食します。
昼間は岩陰などに隠れてじっとしていて、本格的にエサを求めて活動するのは夜になります。
ウツボなどの外敵に襲われると大量のスミを吐いて敵の目をくらませます。
メスのタコは繁殖活動を行い卵を産んで、その卵が孵化したのを見送るとすぐに死んでしまうそうです。
長生きしそうなイメージがありますが、意外に寿命は短いようです。
ロッドについて
マダコ釣り専用のロッドを釣り具店で見たことがある人は何となく分かると思うのですが、本当に「恐ろしくゴツい」の一言です。
2キロや3キロといった大型のマダコが岸壁や海底に張り付こうとするのを強引にパワーで引き剥がして素早く取り込む必要があるので、胴体部分から穂先にかけて全てが頑丈な作りとなっています。
ジギングロッドを使用する場合は、ジグの適合重量で言えば250g程度のものでも余裕で扱えてかつ大型の青物にも対応できるようなこん棒のようなロッドが最適だと思います。
とにかく感度などは二の次三の次で、思いっきり引っ張ってもビクともしない頑丈さを最重要視して下さい。
ロッドの長さについて
ロッドの長さですが、1メートル台のあまりにも短すぎるものは決しておすすめしません。
なぜかと言うと、岸壁などで釣る場合にロッドが短いとヒット直後に海底から引き離すことができても、リーチが無い分巻き上げる際にタコが岸壁際に近くなって、途中で張り付かれてしまう恐れがあるからです。
小さなタコでも一度張り付くと吸盤の力が相当強いので剥がすのは大変苦労します。
1キロを超えるようなサイズになると一度張り付かれるともう剥がすことは不可能に近いので、最低でもロッドは2メートルを超えるようなものを使って下さい。
そうすれば、やり取りの途中で張り付かれてバラす恐れもなくなります。
リールについて
この釣りでは、両軸リール(ベイトリール)以外は止めておいた方が無難です。
何故かと言うと、岩礁帯や障害物の際などを中心に探るのでどれだけ気を付けても根掛かりが多発します。
後述しますが、ラインもある程度の太さのものを使うので例えばスピニングリールを使用していると根掛かりを何度も外す内にリールそのものに大変な負担が掛かって破損に繋がる恐れがあります。
この釣りはある程度「雑な」使い方をしても問題ない、あるいは壊れても経済的にそこまで痛手ではないという安価なものを使用することをおすすめします。
ベイトリールだと4000円程度の予算でもかなり頑丈なものを使用することができるので、おすすめです。
ラインについて
道糸は圧倒的にPEラインをおすすめします。
上記のようにこの釣りはある程度根掛かりとの戦いにもなるので、ナイロンラインの太いものを使っていると、根掛かりを外すときに大変な労力を消費します。
ただでさえラインそのものが太い上に、ナイロンラインの場合は伸縮性があるのでなかなか切ることができません。
その点、PEラインであればある程度急激な力を加えてやれば太い号数でも比較的簡単に切ることができます。
PEラインは消耗品であることも考慮すると高級なものは一切使う必要はありません。
釣り具店のセール品などに指定されているとにかく安いもので大丈夫です。
ただし、太さとしては3~5号を必ず選択するようにして下さい。
仕掛け
タコテンヤと呼ばれるテンヤに大きな2本の針が付いたものを使用して下さい。
そのテンヤに針金などで豚の脂身やカニやサンマの切り身といったエサをしっかりとくくりつけて仕掛けは完成となります。
テンヤにはあらかじめカニの上手く作られたルアーのようなものが付いている場合がありますが、やはり匂いなどが出る本物のエサには遠く及ばないというのが現実なので、付け替えることをおすすめします。
釣り方
堤防の際を狙う場合は、仕掛けを投入後にまずは一旦着底させます。
着底後は、ロッドを小さく動かして仕掛けを小刻みにシェイクさせて周囲に居るであろうマダコにしっかりとエサの存在をアピールします。
時折、大きくロッドを煽ってテンヤを跳ねさせても良い誘いになります。
とにかくこの釣りはタコにエサの存在を認識させなければ釣りになりませんので誘い方が重要なポイントとなります。
この動作を続けながら堤防を横に歩きながら誘って下さい。
そうすることで広範囲を探ることができるので、マダコがテンヤと遭遇する可能性が高くなります。
アタリがあると根掛かりかゴミを引っ掛けたときのようにグッと重くなるので大きくアワセを入れて一定のリズムで海面まで巻き上げて下さい。
巻き上げることができたら、そのまま堤防の上に抜き上げて下さい。
小物類
タコをクーラーに入れる際はしっかりと蓋をしてロックする癖を付けて下さい。
そうしなければ、器用に蓋を開けて外に逃げ出してしまいます。
ある程度釣れたら、〆る為にもナイフを用意しておく方が良いです。
生かした状態で持って帰ると処理をするのが大変になります。
まとめ
堤防の際を狙うマダコのエサ釣りについて今回は紹介しました。
ジギングロッドでもマダコを狙う事ができるというよりは、むしろこういったパワーを最大限に必要とする釣りにはジギングロッドが向いているのではないかと思います。
釣りたてのタコを刺身やしゃぶしゃぶで味わうことができるのは釣り人の特権です。
是非挑戦してみて下さい。