工業から医療まで! 注目のヒマシ油をヘアオイルに使ってみよう。
あまり聞きなれない「ヒマシ油」。
英語では「Castor Oil」と記されます。
車好きの方ならピンときたかもしれませんが、車用のオイルを販売する世界的に有名な「Castor 」という会社があります。
この会社の名前はヒマシ油にちなんで名づけられたものです。
車用オイル以外にも工業用、医療用としても使用されているヒマシ油なのですが、近年はその美容効果に注目があつまっています。
ヘアオイルとしても有効なこのオイル、どんなものなのでしょうか。
ヒマシ油ってどんなもの?
ヒマシ油とはトウダイグサ科のトウゴマの種子から抽出された植物油です。
原産地は東アフリカ。
現在はアフリカ、インド、地中海沿岸、アメリカ南西部など、世界各地に広く自生しています。
もともとは観葉植物として親しまれていましたが、現在はバイオディーゼルの原料として大規模に栽培されています。
高粘度と潤滑性が良いため、工業用のオイルとして使用された最初の植物性油なのです。
もともとの自生地では医療用として古くから使用されてきました。
下剤としての効能が有名です。
アメリカ開拓時代から医薬品としての開発がさかんとなり、ヒマシ油をアルコール希釈したものが便秘薬や胸やけの特効薬として販売されるようになりました。
現在も内服薬としては勿論、外部塗布用として湿布薬などにも使われています。
ヒマシ油の高い抗炎症特性と抗菌性が注目を集め、美容品にも幅広く使用されるようになりました。
ヒマシ油の成分とは!
ヒマシ油は独特の不飽和脂肪酸で構成されています。
中でも最も特徴的なのが「リシノール酸」を多く含む事です。
ヒマシ油の成分の85~90%を占めています。
ヒマシ油以外に、こんなに多くのリシノール酸を含む植物オイルは存在しません。
このリシノール酸こそがヒマシ油を他とは一線を画す存在にしているのです。
リシノール酸には鎮痛作用や炎症を抑える効果が認められています。
ヒマシ油を髪につけるとどんなメリットがあるの?
ちょっと変わった成分で構成されているヒマシ油。
日本ではあまり聞きなれませんが、海外の美容サイトなどでは特集が組まれているほど注目度が高いです。
特にヒマシ油をヘアオイルとして使用すると、高い効果を得られるとか。
どんな効果が期待できるのでしょうか。
髪が健やかに伸びる!
ヒマシ油は育毛を促進すると言われています。
頭皮につけてマッサージするとその抗菌性のおかげで、フケやかゆみを抑えてくれるのです。
さらに、頭皮感染症などを防いでくれる役割もあります。
リシノール酸が多く含まれているので毛包への血液循環を改善し、成長過程を早め、長くてしっかりした髪を生やしてくれるのです。
また、このオイルには健康な髪に欠かすことのできないオメガ9の必須脂肪酸も含まれています。
ダメージを受けた頭皮や髪に効果的です。
産後特有の脱毛で悩んでいた女性がヒマシ油で状態が改善した、という口コミもあります。
産後は女性が不安定になりがち。
ヒマシ油でのヘアケアを試してみるのもおすすめです。
頭皮のバランスを適切に保ってくれる!
ヒマシ油に多く含まれているリシノール酸。
これは頭皮のPHバランスを整えてくれる役割が期待できます。
化学物質の多く含まれたスタイリング剤を使用したり、ケミカルなパーマやカラーを行っている人は化学的ダメージを受けがちです。
リシノール酸はこうしたダメージの一部を修復してくれるのです。
さらにヒマシ油に含まれる抗酸化作用は髪のケラチンを増加させ、より強い髪の毛にしてくれます。
ふけや頭皮の問題を解決してくれる!
頭皮に菌がつくと、フケやかゆみ、脱毛症などの原因となります。
ヒマシ油は抗真菌性と抗菌性を持っているため、感染症の原因となる細菌やダニなどに効果があります。
頭皮のフケや乾燥を感じたら、このヒマシ油でのマッサージをおすすめします。
髪の色素を維持してくれる!
年齢を重ねてくると、白髪が気になりますよね。
もし、鏡を見ていて白髪の兆候が見え始めたら、ヒマシ油を塗布することがおすすめです。
ヒマシ油を塗布すると、髪が色素を失うのを防いでくれるのです。
つまり、髪の色素保持を助け、白髪やグレーヘアになるのを抑制してくれるのです。
また、白髪にお悩みでなくても、なんとなく元気のない色素の抜けた髪にもヒマシ油はおすすめ。
濃くて豊かな髪色が蘇ります。
髪のコンディションを整えてくれる!
ヒマシ油は乾燥した髪や傷んだ髪を修復してくれます。
この油は保湿性が高く、髪の湿気を吸収して潤いを保ち、髪をより柔らかく潤いに満ちたものにしてくれます。
シャンプー後、いつものコンディショナーにヒマシ油をスプーン1杯混ぜて使用するのがおすすめです。
およそ2週間もすれば、効果を実感できるでしょう。
後退するヘアラインをストップしてくれる!
これは男性にとって特に嬉しい効能ではないでしょうか。
薄毛に悩む男性は多いですよね。
ヒマシ油は自然の治療薬としてしばしば利用されてきました。
女性なら細くてコシのない髪にお悩みの方にも効果的です。
ヒマシ油は脱毛を抑制し、育毛を強化することが出来るのです。
毛穴深くに成分が浸透するので頭皮の健康を回復させ、栄養分を補給し、育毛を助けてくれます。
ヒマシ油のおすすめの使用法は…
ヘアオイルとして使用すれば、様々な効能が期待できるヒマシ油。
効果的な使用法を見てみたいと思います。
ヒマシ油でヘアマスク!
乾いた状態の頭皮、髪の毛にヒマシ油を塗布します。
塗布する際は手のひらでヒマシ油を十分に温めて下さい。
準備としては、髪の毛をラップできるほどの大きさのタオルを蒸しておくこと。
電子レンジでチンすれば簡単にできます。
頭皮や髪に十分にヒマシ油をつけたら、この蒸しタオルでラッピングします。
20分ほどそのまま馴染ませたら、あとは普通にシャンプー・トリートメントを行ってください。
シャンプー前にヒマシ油をつけると毛穴に詰まった皮脂や汚れを浮かし、落としやすくしてくれます。
普段のシャンプーではとれないような、毛穴の奥の汚れもとれますから、髪の健康のためには週2回くらい行うのがおすすめです。
ヒマシ油で頭皮のマッサージを!
育毛。
抜け毛を抑えたい方におすすめです。
手のひらにヒマシ油を馴染ませ、よく温めます。
そのまま乾いた頭皮や髪につけ、指の腹を使って優しくマッサージしましょう。
生え際から頭頂へとくるくる指先を回します。
こめかみや生え際はプッシュするように強く押してください。
その際、爪を立てたりこすったりしないよう注意が必要です。
頭皮を痛めてしまう原因となりますので、指の腹を使いましょう。
20分ほど気持ちよくマッサージをしたら、あとは普通にシャンプーとトリートメントをして下さい。
ヒマシ油は粘度がたかめなので、マッサージで指の滑りが悪いと感じるかもしれません。
そんな時はココナッツオイルやホホバオイル、アルガンオイルなど粘度の低いオイルと混ぜて使用するのもおすすめです。
育毛効果を早く感じたければ、最低でも週2回は行うようにしましょう。
ドライヤーの前に!
ヘアオイルと言えば、熱から髪を保護してくれるもの。
もちろんヒマシ油にもその効能は期待できます。
シャンプー後ドライヤーの前にヒマシ油を適量髪に伸ばしてください。
まんべんなくなじんだら、根本から髪を乾かしましょう。
ヒマシ油の膜がドライヤーの熱から髪を保護し、水分を逃がさず、潤いのある髪をキープしてくれます。
翌朝もスタイリングのしやすい髪になりますよ。
まとめ
古くから様々な場所で利用されてきたヒマシ油。
これからまだまだ注目されていきそうですが、購入の際には気をつけるべき点があります。
それは、コールドプレス及び冷却プロセスを経てつくられた、混じりけのないヒマシ油を使用することです。
純度の低いヒマシ油ですと、その効能を十分に感じることができないかもしれません。
また、高い効果を持つと言っても、ヒマシ油は天然成分です。
即効性の高いものではなく、効果を実感するためには時間がかかるでしょう。
ヒマシ油の効果を感じるには最低でも2か月は続けることをおすすめします。
育毛効果も期待できるヘアオイルとして、ヒマシ油を是非試してみて下さいね。