ゲーマー向け・グラフィックボードの紹介とマシンの提案
グラフィックボードと言えばゲーム、ゲーマーと言えばグラフィックボードの良し悪しが命題と言っても過言ではないでしょう。
ここでは、BTOパソコンを購入されるかた・PC初心者のかた、これからPCゲームを始めるかた向けに、最新のグラフィックボード事情を含めて、様々な製品の提案・選び方の紹介・4K画質の是非などをお話ししていきます。
目次
ゲームに適したグラボのお値段
2016年現在、激安ゲーミングBTOパソコンで主流となっているグラフィックボード規格「GTX960」は、パーツ単位で購入した場合2万円台前半〜後半程度の価格となっています。
GTX900番台においては売れ筋モデルとなっていますが、1世代前のモデルとなるため、長く使えるグラフィックボードを検討する場合は・3〜4万円台がミドルエンドクラス・5万円〜10万以上がハイエンドクラスと考えたほうが無難でしょう。
数多くのPCゲームがGeforceの規格に最適化しているため、後述の価格比較においてはGTXシリーズを中心に行なっていきたいと思います。
3〜4万円台のミドルエンドモデルの比較
GTX900番台のスペック
なるべく安くゲームの推奨動作環境を満たしたい場合、多くの場合はGTX960で可能です。
中古市場であれば1万円以下、新品でも2万円台で入手可能。
もう1万円分の予算があればGTX970も狙うことができますが、960・970共通の特徴としては・消費電力のパフォーマンスがよい・この水準からデュアルディスプレイにすることが可能上記となります。
格安でデュアルディスプレイを始めたいかた、ひとまずマシンをゲーム向けにアップデートしたい方にはおすすめです。
かつてのハイエンドと呼ばれたGTX980(GTXシリーズで最も性能・価格が高いTITANシリーズに肩を並べるのではないかと目されていた規格)でも、1000番台の登場によって4〜5万円台と落ち着いた値段になっています。
ただし、900番台前半に言えることですが、GPUコアのパーツが1世代前、つまり4Kディスプレイを想定していないものになるので、モニタに合わせてグラフィックボードを選びたいかた・モニタを4K対応のものに買い換える予定のあるかたは要注意です。
GTX1000番台のロープライスモデル
GPUコアに最新のものを利用しており、4Kやデュアルディスプレイへの最適化・電力パフォーマンスのさらなる向上を意識しているモデルです。
発売まもない頃はハイエンドの括りに入る価格帯のシリーズがメインでしたが、・GTX1050→GTX960と同程度のベンチマークスコア・価格。
当然ながらGPUコアは最新のもので、電力パフォーマンスは960を上回る。
・GTX1060→GTX980と同程度のベンチマークスコアでありながら、最安値で2万円台後半と安価。
1000番台の主力となる規格。
上記2種の規格の登場により、これから新規にグラフィックボードを買うかたで、価格と性能のバランス重視のかたにはおすすめできるものとなっています。
4、5万円〜ハイエンドモデルの比較
GTXシリーズで最も性能がよいのはTITAN BLACK(11万越え〜メーカー・モデルごとに値段は青天井)と言われています。
自作ユーザーにとっては、よほど予算が潤わない限り非現実的な値段と言えるので、基本的には最新モデルであるGTX1070/1080について解説をしていきます。
GTX1070
驚くべきことに、GTX TITAN Xを超えるベンチマークスコアを誇っています。
それでありながら電力パフォーマンスはGTX970に勝り、ここからが最新ハイエンドモデルの定義であると言っても過言ではないでしょう。
2016年5月発売なので、中古市場でも新品とそれほど変わらない価格ではありますが、最安値で4万円台、平均5万円台半ばと、ゲーミンググラフィックボードとしては「ちょうどよい」価格で収まっています。
GTX1080
こちらもTITANに比肩する性能を誇りながらも、電力パフォーマンスに優れた一品。
GTX1000番台の顔として名を誇る、最新モデルです。
お値段は8万円台半ばですが、本格的に4K画質でのゲーミングマシンを目指してみたい方、予算にある程度余裕のあるかたであれば、まさに「買い」の一品でしょう。
GTX TITANの良し悪し
GTXユーザーならば一度は憧れるであろうTITANシリーズ。
夏・冬のボーナス時期にもなると、懐の暖かさに乗じて購入を検討されるかたも増えることかと思います。
そこで、特徴を紹介しながらメリット・デメリットを考えていきたいと思います。
2枚挿しよりシングルのほうよい
TITANシリーズの特徴として、900番台グラフィックボード特有の「高負荷処理時の失速」がほとんどないことにあります。
ただし、いわゆるグラフィックボード2枚挿し、という場面はあまり想定されていません。
シングル構成のほうがもっとも処理効率がよく、電力パフォーマンスもよいものとなっています。
冷却性能は一級品
高負荷時の失速を抑えるためのテクノロジーとして、より高効率の冷却性能を備えている点にあります。
自作ユーザーを悩ませるPCケース内温度問題にも十分貢献し、よりよい環境を作りうると言えるのではないでしょうか。
ただし、最新のGTX1000番台が追いつけ・追い越せといった状況なので、今現在の市場で選ぶ際には悩みどころです。
GeforceかRadeonか
前述の通り、多くのゲームがGeforceに最適化しており、前線に立っているのはやはりこの規格と言えます。
Geforceが提供するドライバ・公式アプリケーションには、ゲームを検出してグラフィックカード性能を最適化したり、ゲーム動画を録画・配信する機能も付属しています。
一方でRadeonは、一時期ドライバ性能についての不安の声も上がっていましたが今は解決に向かっており、PS4などの最新ゲームハードにも採用されているものとなります。
特徴としては赤みを中心とした発色に特化しており、2Dゲームプレイや動画再生がメインのマシンには最適と言えるでしょう。
グラフィックボードの性能を引き出すCPU
MMORPG/FPSなど、マルチプレイが中心ととなるゲームでは、CPU性能も要求されます。
理由としては、描画についてはGPU依存ですが、攻撃やダメージ判定の処理・他プレイヤーの行動の処理などはCPUに振り分けている場合が多いからです。
主流となっているインテル製CPUであれば、i5以上、4コア8スレッド以上を目指すのがよいでしょう。
動画を撮影・エンコードするかたについては、CPU性能・メモリ増設にも力を入れるべきと言えます。
4K画質のモニタは「買い時」か?
4Kテレビの市場進出が目覚ましいなか、現状でその画質が生きるのは「動画再生」「ゲーム」の2点であるといっても過言ではないでしょう。
パソコン用に4Kモニタを購入をされる場合、24インチサイズでも4万円弱とまだまだ高価です。
その分高画質は約束されますが、グラフィックカードへの負荷も高く、PCでよく使用される34インチ以下のディスプレイであれば、フルHDと遜色ないことも。
ゲーミングフルHDモニタでお探しになる場合、国内メーカーからは遅延抑制・発色に特化したものが多く出回っていますし、LGやイイヤマからはワイドモニタもいくつか発売されています。
グラフィックカードの性能は4Kを十分に意識していますが、モニタ界隈では追いつけていないというのが現状なので、フルHDモニタをこだわって購入をするというのが、今のところは満足感につながるのではないでしょうか。
BTOパソコンを買う場合のワンポイント
BTOパソコンの値段を決めているのは、グラフィックカードの規格とCPUであると言っても過言ではありません。
ゲーマーの皆さんは、ゲームが推奨するPCをそのまま購入してしまうのもアリです。
しかし、長く使うこと・新作ゲームのプレイを念頭にいれると、いまやりたいゲームの公式サイトで推奨環境を確認しつつ、予算と相談しながらひとつ上の性能のPCを購入するのが吉と言えるでしょう。
グラフィックカードやドライバの性能は日々向上しており、よりよいものを選ぶに越したことはありません。
まとめ
はじめにご紹介したように、ゲーマーにとってグラフィックボードの性能は命題といって過言ではないでしょう。
自作PCの知識やBTOパソコンの性能の見方はある程度分かっていても、購入の決め手となるご自身の基準がわからない…というかたも少なくないのではないでしょうか。
PC初心者でも上級者でも、自分に合う性能のPC画質追求ができるように、色々なご紹介をさせていただきました。
是非ご参考にしてください。