次世代グラボGTX1180が登場?現行のGTX1080と比較するとどんな違いがある?

グラフィックボード(グラボ)

ASUS R.O.G. STRIXシリーズ NVIDIA GeForce GTX1080搭載ビデオカード ベースクロック1670MHz STRIX-GTX1080-A8G-GAMING

先日ついに次世代のGTXシリーズ「GTX1180」の情報がリークされたことで、新たな世代の登場に自作PC界隈は少しざわめきだっていますが、その一方で気になるのがGTX1080やGTX1080Tiといった現行世代のハイエンドクラスのグラボがどうなっていくのか、という点です。

今回は先日リークされたGTX1180のスペックと、現行の主流ハイエンドモデルであるGTX1080の違い、今後のGTX1080の扱いなどの予想についてまとめました。



おすすめグラフィックボード製品ランキングはこちら





必ずしもリーク通りとは限らない

最初に考えておくべきなのが、リークされた情報がそのまま新世代のGTX1180のスペックそのものだとは限らない、という事です。

もっと言ってしまえば、リークされた情報が100%確実にGTX1180のものであるかさえも断定する事は難しいというのが現状です。

リークされた情報はあくまでもリークされた情報であり、Nvidiaが公式に発表したものではない事、過去にはリークされた情報が全くのフェイクだった事もあるという点なども考慮して、あくまでも「そういった情報が流れた」という程度の認識をしておくのがおすすめです。

そのため、リークの情報だけを鵜呑みにして「この性能ならGTX1180待ちでいい」や「この性能なら今GTX1080やTiを買ってしまおう」と安易に考えるのは控えた方がいいです。



おすすめグラフィックボード製品ランキングはこちら





今回リークされたGTX1180の基本的なスペック

現時点でリークされた情報の範囲では、GTX1180の基本的なスペックは以下のようなものであるとされています。

  • ベースクロック:1405MHz
  • ブーストクロック:1582MHz
  • メモリ:GDDR6 16GB
  • 補助電源:8+6ピン
  • TDP:200W

以上のようなスペックになっています。

それ以外の要素としては、アーキテクチャにはGTX1080などで採用されていた既存のPascalアーキテクチャではなく、既にTitan Vで採用されているVoltaアーキテクチャを採用したGV104が使用されています。

なお、クロックに関しては若干低めに見える部分があるものの、今回リークされたのは開発用のエンジニアングサンプルと考えられているため、製品段階ではワンランク上のクロックで販売される可能性が考えられています。

過去にリークされたGTX1180との違い

GTX1180に限らず新世代グラボの情報は過去にも数度リークされていますが、そのたびに情報には不可解な点がありました。

今回リークされた情報は、過去にリークされた情報とは大幅に異なる点があります。

まず、使用されているアーキテクチャが過去のリークではTuringと名称のアーキテクチャを使用した「GT104」というコードネームであったのに対して、今回のリークでは既に公式に発表されているVoltaを採用した「GV104」がコードネームで使用されているという点です。

新世代として開発したVoltaを使用せずにいきなり別のアーキテクチャを使用する可能性は0ではないものの、そうなってしまうとVoltaとはなんだったのか、という点が生まれるため、今回のリーク情報のGV104を使用しているという点はこれまでのリークと比べると若干ではあるものの信ぴょう性が高い側面があります。

GTX1180のスペックはGTX1080Tiと同等程度か

今回リークされた情報では、GTX1180は過去のリーク情報よりもかなり控えめなスペックに落ち着いていますが、ある意味では既に技術的な限界が近いとされている分野であるGPUの次世代機としてかなり現実的なスペックでもあると言えます。

仮にこのままのスペック、あるいは多少のクロック上昇やメモリ容量の調整(16GB→8GBなど)がされる事を加味しても、そのスペックはGTX1080Tiと同等か2割程度上回るレベルに落ちつく可能性が高いです(GDDR6の性能がどの程度か、という点も重要になります)。

そのため、単純なスペックという意味ではGTX1080Tiを持っている人であればわざわざ交換するほどではないという感じが強いですが、一方で消費電力に関してはTDPが200Wに設定されているため、GTX1080TiのTDP250Wと比べるとワットパフォーマンスは若干改善していると考えられます。

仮に発売するなら18年7月あたりが怪しい

気になるのがGTX1180の発売時期ですが、これは2018年の6~7月にNvidiaからの正式なアナウンスが行われ、その後7月以降にFoundersEditionが発売するのでは?

という予測が多いです。

これまで通り、まずはFoundersEditionが発売し、少し遅れて各ベンダーが考案したオリジナルモデルが登場、と言う流れになる可能性が高いですが、昨今はVRAMなどに使用される半導体の需要が高まっている事に加えて、新規格であるGDDR6を採用するとしているのに対して、VRAM関連の部品の供給が間に合うかどうか分からないため、オリジナルモデルは若干遅れ気味になる可能性もあります。

また、販売価格については現時点では予測し辛いものの、過去の80番台クラスのグラボと同等か高めの価格になる可能性が高く、これまでよりも割安に販売される可能性は低めです。

GTX1080は今後も使っていけるか

新世代のグラボが登場する事によってハイエンドモデルの性能が更に上昇しますが、かといってGTX1080が性能的に使えなくなるという事は当分の間はありません。

実際、前世代のグラボから比較して大幅な性能アップを実現したPascal世代のグラボが主流だった現行世代でも、GTX900シリーズや700シリーズのグラボを使っている人はまだまだ多く、多くのゲームでもそれらのグラボでもある程度動作するように設計されている事が殆どです。

そのため、新世代のグラボの発表を控えている現在GTX1080を買ってしまったからといって、性能面で大きな遅れを取るということは殆ど無いと言えます。

GTX1080Tiに関してはリークされた情報の範囲であればほぼ同等レベルの性能を持っていると言えるため、こちらもそれほど性能面での心配をする必要は殆どありませんが、消費電力を最大限抑えたい場合には新世代機の性能発表を見てから決めるのもおすすめです。

今後GTX1080の価格はどうなる

GTX1180が登場する場合に気になるのが、今後GTX1080や1080Tiがどういった扱いになっていくのかという点ですが、現状はGTX1180に関しての情報の多くはあくまでもリーク情報で真偽不明と言う事もあり、それほど強く意識はされておらず、あまり大きな影響はないというのが正直なところです。

しかし、今後GTX1180やそれに類する次世代グラボがNvidiaによって公式にアナウンスされた場合には、現在主流となっているPascal世代のグラボは世代落ちという事になるため、多少の影響を受ける可能性が強いです。

特に影響を受けるだろうと考えられるのは、販売価格の変化です。

GTX1080や1080Tiは現在の高止まりな状態から、少しずつ値下げされていく可能性が高く、特に性能がGTX1180と近く消費電力が高めなGTX1080Tiに関しては特にその可能性が高いと言えます。

反面GTX1080に関しては消費電力などの面でメリットがあるため70番以下の下位モデル発表までは影響が出辛い可能性があります。

GTX1080は今から買っても損はしない

新世代の発表がかなり近づいてきている現在、「GTX1080を今から買うのは遅いのでは?」という人も多いかと思いますが、個人的にはそうは感じません。

というのも、GTX1080は現行世代のハイエンドクラスに相当する性能を持ちつつも、TDPは180W前後とかなりの省電力設計になっているため、ワットパフォーマンスの面から見てもまだまだかなり優秀な部類であり、単純なスペックに関してもその性能をフルに使いきれるタイトルはまだまだ少ないという点があります。

特に現在フルHD画質などでゲームを遊んでいるような場合には無理に新世代機にするよりも、手頃かつ省エネなGTX1080あたりで動かした方が出費も少なくため、最終的にはお得になる可能性があります。

また、FoundersEdition発売後にオリジナルモデル発売となる新世代機と異なり、既にオリジナルモデルを自分の好みに合わせて買える点も利点と言えます。

まとめ

かなりの高スペックを有しつつも消費電力も改善されると噂の新世代のグラボですが、現状はまだまだ様々な憶測が飛び交っている状態で、公式の発表が待たれています。

既存のハイエンドクラスであるGTX1080や1080Tiを買うのは少し勇気がいるタイミングではありますが、これらのグラボもまだまだ性能的には十分安泰かつ価格相応の満足感を得られるグラボでもあるので、あまり気にせずに「欲しい時に買う」を実行してしまうのもおすすめです。