普段使いの街乗り自転車。 ママチャリ? ミニベロ? どっち?
普段乗り用にママチャリを買おうと自転車屋さんに行ったら、その品揃えに目移りして、どれを選んだら良いのか迷った経験ありませんか?
ちょっと奥まったところに特別展示してあるちっちゃくて可愛い自転車。
シンプルで小型なのに、その存在感とキャラクターには一瞬で目も心も奪われてしまいます。
美容院やカフェなんかにもディスプレイされていたりするこのおしゃれな自転車は、ミニベロというのだそうです。
普段使いの街乗り用だから、普通のママチャリで構わないのだけれど、毎日乗る自転車だからこそ愛着のあるお気に入りのものに乗りたいとも思う。
おしゃれな自転車なら自転車に乗るのが毎日もっと楽しくなりそう。
ママチャリの購入を目的にして行った自転車屋さんでミニベロに心を奪われてしまって思わず買ってしまう人、いるかもしれません。
しかし、ミニベロを所有するにはちょっとした覚悟が必要です。
ミニベロの購入はママチャリとミニベロの違いを理解してから考えたほうがよさそうです。
そもそもママチャリってどんな自転車?
幼稚園やスーパーへ向かうママたちはもちろん、スーツを着たサラリーマンや通学途中の学生たち、おじいちゃんやおばあちゃんやお巡りさんの自転車も、街中で使用されている自転車のほとんどがママチャリ。
”ママチャリ”が俗称だということも、”ママチャリ”がどんな自転車かも良くわかっているのだけれど、「ママチャリって何?」と聞かれたら、「みんなが乗っている普通の自転車」と答える以外どう説明したらよいのかわかりません。
ママチャリの定義ってあるのでしょうか?
「ママチャリ」というのは「シティサイクル」の俗称で、シティサイクルは”主に日常の交通手段及びレジャーに用いる短中距離、低中速走行用自転車”と定義づけられています。
ざっくり言うと、家の周囲で日常的に使用する、長距離や高速走行には向かない自転車といったところでしょうか?
スカートでも乗りやすいフレームデザイン
最も特徴的なのがハンドルからサドルにかけて下に沈み込むように曲がったフレームデザインです。
もともとはロードバイクなどスポーツタイプの自転車のようにハンドルからサドルまでがまっすぐなデザインだったものを、スカートを着用する女性にも乗りやすいようにと曲線にしたのだそうで、当初は”婦人用自転車”と呼ばれていたそうです。
”婦人用自転車”から”ママのチャリンコ”と派生したのが”ママチャリ”の語源とも考えられます。
走行性は期待できないけれど普段使いしやすいタイヤ
ママチャリのタイヤには26〜27インチのものが主に使用されています。
比較的大きめのタイヤでも、タイヤやフレームの質が劣るために走行性には期待できないようです。
ただし、段差などに強く日常に使用するには便利です。
フル装備
フェンダー(泥除け)、スタンド、チェーンカバー、ライト、かご等、便利な装備がフルについています。
逆に、かごはまだしも、フェンダーやスタンド、チェーンカバー、ライトはどの自転車にもついていて当たり前ではなかったの?
と驚く人も少なくないかもしれません。
たくさんの荷物を載せることができる
かごがついているという点でもそうですが、ママチャリは低速でも安定して走れるために他の自転車よりも積載性が良いのだそうです。
ママチャリとミニベロの違いって?
ミニベロはスポーツタイプ
ミニベロは基本的にはスポーツタイプの自転車です。
スカートで乗るには難しいデザインが一般的です。
しかし、スカートでも乗りやすい女性向けのおしゃれなミニベロも増えてきました。
フレームの設計や見た目の違いだけでなく、ママチャリよりも軽量のデザインになっている点で走りが軽くなっています。
小さめのタイヤ
ミニベロの”ミニ”は”小さい”という意味。
”ベロ”はフランス語で”自転車”の意味です。
ママチャリのタイヤが26〜27インチであるのに対してミニベロのタイヤは主に20インチと小さめです。
ミニというからには本体も短いのかというとそんなことはなく、ロードバイクと比較しても15cm程度しか違いがありません。
タイヤ径の大きいママチャリの方がひとこぎで進める距離が長くなるためこぐ回数が少なくて済みそうです。
しかし、タイヤ径が小さいミニベロもギアの調整によってこぐ回数を減らすことが可能です。
タイヤ径が小さい分楽にこぎ出すことができたり、上り坂なども軽くこぐことができるという利点があります。
信号などが多く、止まったり走ったりを繰り返すルートや坂道の多いルートには、ママチャリよりもミニベロの方がおすすめといえます。
ただし、段差などでは振動や衝撃が伝わりやすく、疲れやすいという難点もあります。
また、タイヤ径が小さい分転がる回数が多いため、タイヤの消耗も早いといわれています。
チェーンやギアがむき出し
ママチャリには、乗りやすさを考えてチェーンカバーがつけられていたり、ギアも内装になっていたり、フェンダー、スタンド、ライト、かごなど必要なものは全て完備されているのに対して、ミニベロは自分でカスタマイズしなくてはなりません。
また、チェーンやギアがむき出しのため雨に弱く、水滴をふき取ったり注油をしたりとこまめなメンテナンスが必要になります。
積載性はママチャリが上
かごをつければ荷物も運べますが、ママチャリほどの積載性は望めないかもしれません。
自分に最適なのはママチャリ?ミニベロ?
ママチャリは、価格も手頃な上に装備も万全で、とことん利便性を追求した自転車と言えるでしょう。
反面、その手軽さと価格のバランスからフレームが重かったり、タイヤやホイールなどの材質もよくなかったりする点で走行性は劣ります。
ミニベロは全体的な走りの軽さでママチャリよりも優れています。
停止する箇所や上り坂の多いルートではママチャリよりもおすすめかもしれません。
しかし、価格が高いこと。
メンテナンスが面倒なこと。
必要な装備を自分で後づけしないといけないことなどを考えると必ずしもママチャリよりも勝っているとは言い切れません。
総合的に考えれば、家の周辺での買い物などに利用するにはママチャリで十分。
むしろママチャリの方がおすすめなのかもしれません。
人と違ったおしゃれで可愛い自転車に乗りたいというファッション性を求めたり、カスタマイズやメンテナンスを楽しみながら愛着を持って自転車に乗りたいという趣味性を求めるのであればミニベロがおすすめといえます。
ただし、ミニベロを所有するにはちょっとした覚悟が必要なようです。
ママチャリを買いに行った自転車屋さんでミニベロに一目惚れしてミニベロを衝動買いしてしまって後悔したなどということがないように、購入の際には、フェンダー、ギアカバー、スタンド、ライト、かごなど必要な装備がついているかどうか、無ければ後づけの仕方やそれにかかる費用などを確認しておいたほうがよいでしょう。
また、メンテナンスについてもどのようにしたらよいのか、それに必要な道具や費用はないかなどもあらかじめ知っておいたほうがよいでしょう。
ママチャリの中にも、少し高価なものには高性能でおしゃれなものもあります。
自分の使用目的や自転車に求めるポイントなどをよく考えて、自分に適した自転車を選びましょう。
まとめ
例えば通勤や通学に利用する場合、ファッションアイテムとして自転車の見た目を重視する人もいるかもしれません。
可愛くておしゃれなミニベロなら、毎朝の通勤や通学も楽しくなるでしょう。
街中の走行性でもミニベロはママチャリよりも優れています。
ミニベロはカスタマイズしたりメンテナンスしたりと手はかかりますが、面倒を見ているうちにより愛着もわいてくるはずです。
ファッション性よりも実用性を重視するなら、必要装備も整ってほぼメンテナンスフリーなママチャリがおすすめです。
街中の移動手段としてならママチャリで十分。
街中で見かけるママチャリの普及率の高さがその証拠といえるでしょう。