ガーミンに対抗できるサイコン?レザインのサイコンについて
サイコンの最高峰は、事実上アメリカのガーミンと言っても過言ではありません。
しかし、その絶対王者のメーカーの一強独占状態に対して、多くのメーカーがその対抗馬として名乗りを上げています。
今回紹介するレザインもその一つで、価格帯こそガーミンクラスの製品(定価で10万円を超えるようなもの)を販売してはいませんが、低価格のモデルでガーミンの中位下位モデルに対抗しています。
今回このレザインのサイコンについてご紹介します。
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レザインとは
レザイン(LEZYNE)はアメリカの自転車周辺機器などを取り扱うメーカーです。
設立は2008年で、同業の自転車の周辺機器メーカーに勤務していたドイツ人が独立して立ち上げた会社になります。
当初は空気入れや自転車向けの工具(六角レンチなど)などを製造していましたが、年々技術力の向上や取り扱う品目を増やしていき、現在ではボトルケージ(自転車にドリンクボトルを固定する部品)やサドルバックを始め、自連車用ライトや今回紹介するサイコンの製造や販売まで手掛けるようになりました。
サイコンに参入した時期は比較的浅いのですが、他の分野で築き上げた実績を武器に早くもガーミンの対抗馬の一角として名乗りを上げたメーカーです。
また、アルミニウムの切削技術に優れ、製品のデザインにもそれらが生かされており、金属の性質を生かした美しいデザインが急成長の原動力になっているメーカーでもあります。
レザインの製品群
冒頭でもお話しした通り、自転車に関する製品の取り扱いは非常に多岐にわたります。
自転車用のバッグやパンク修理用の工具(金属感が美しい道具ばかりです。)、自転車用のベルや空気ポンプ、そしてライトやサイコン(GPSと言うジャンルで展開しています。)などを取り扱っており、金属を使ったジャンルでは積極的に得意のCNC切削加工を施した製品展開を行っています。
レザインのサイコンのラインナップ
レザインのサイコンは、新興のメーカーながら非常にラインナップに富んでいます。
ベースとなるモデルとしてMINI GPSから始まり、MICRO GPS、MACRO GPS、SUPER GPS、MEGA XL GPSやMEGA C GPSなど低価格帯(1万円前後)~中価格帯(2万5千円前後)にかけて、多数のモデルを取り揃えています。
更に名前の通り、下位モデルから最上位モデルまでGPS機能が搭載されており、下位モデルにはGPS非搭載を決め込むメーカーもある中、手抜かりのないラインナップとなっています。
また、ディスプレイも日本のシャープの液晶画面を極力採用するなど、直接のスペックに関わらない部分にも力を入れているという特徴があります。
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レザイン MINI GPS
レザインの基本モデルです。
値段も1万円強と手軽な価格設定で、導入しやすいモデルとなっています。
しかし、機能は基本的な性能をしっかり押さえたものとなっており、サイズに対して高性能な一台となっているのがMINI GPSです。
特徴
大変小型なモデルとなっていますが、小型でありながらもディスプレイは鮮明で見やすく、データの表示項目やページをカスタムできる機能も付いています。
また、丈夫なコンポジットボディ(外装を複数の素材で組み合わせたものを使用している。)を採用しており、GPSも搭載されています。
そのためマップ表示こそされませんが、スマートフォンで設定することにより、線によって表示されたルート案内機能も付いているという特徴があるのです。
また、他のメーカーが下位モデルで省略しがちな心拍数やケイデンス(一分間にペダルを回す回数)はもちろん、パワーに関しても対応する機器と連携することで計測、表示することが可能となっており、メーカーによっては上位機種のみの対応である機能がこのベースモデルにはすでに搭載されているという特徴があります。
メーカーによってはボタン電池などを採用していますが、レザインはMINI GPSからUSB充電を採用しています。
おすすめしたいユーザー
小型でもケイデンスや心拍を計測したいユーザーにおすすめです。
ただ、電池の持続時間が12時間程度なので、ロングライドと言うよりは短時間の練習や競技での使用におすすめしたいモデルです。
レザイン MACRO GPS
レザインのMINI GPSの画面を大きくしたモデルで、価格も据え置きになっています。
ただ、サイズが大きい分若干の重量増がある(レースだとわずかな重量増もハンデになってしまうことがある。)という点も価格を同じにしている理由ではないでしょうか。
特徴
基本的な機能は、MINI GPSと同じですが、サイズを大きくした分バッテリーの搭載量が増えたため駆動時間も22時間と、MINI GPSよりも増えています。
ディスプレイも大型のものを使用しているので、より見やすい設計となっているのも特徴です(ただし表示できる項目数は同じです)。
おすすめしたいユーザー
バッテリーの持続時間が長いので、宿泊を伴うロングライドや輪行などを行うユーザーにおすすめできます。
もちろんMINI GPSと同じ計測が可能なので、レースなどの使用もできますがヒルクライムなど車両の重量が関わるレースにはやや使いにくい可能性があります。
レザイン SUPER GPS
レザインの中位機種になります。
レザインのサイコンの機能が一通り搭載(マップ表示は非搭載)されていながら、MINI GPSのプラス4,000円程度で手に入れられるコストパフォーマンスに優れたモデルです。
特徴
MINI GPSやMACRO GPSと比較し、GPSの精度(アメリカのGPS+ロシアのGlonassと呼ばれる衛星測位システム※地球上の現在位置を測定するためのシステム)が向上していること、ANT+と呼ばれる規格に対応し、他のメーカーの対応計測機器も使用できることが挙げられます。
更に気圧計や加速度計、勾配の計測、Di2/ E tapシフティング(電動の変速機の現在の段数を表示する)の機能も追加されています。
もちろんバッテリーの持続時間も22時間とMACRO GPSと同じ持続時間になります。
おすすめしたいユーザー
電動の変速機を利用しているユーザーやヒルクライムレース(山道など坂が多いレース)に参加しているユーザーにおすすめできます。
もちろんバッテリーの持続時間も長いので、宿泊を伴うロングライドや輪行などを行うユーザーにおすすめです。
レザイン MICRO GPS
MACRO GPSと名前が似ています(混同しないようにわざと項目を離しました。)が、レザインのサイコンのラインナップで一番軽いモデルになります。
サイズも小さいのですが、MINI GPSと異なり、SUPER GPSにも匹敵する機能を備えています。
特徴
SUPER GPSに匹敵する機能をMINI GPSに搭載しているという特徴があります。
つまり、SUPER GPSのように勾配や標高(気圧計などを利用)、気温などを計測することができるのです。
ただし、サイズが小さくなった分バッテリーの駆動時間もやや少なめになっていますが、軽量化されているため、そちらのメリットに注目することもできます。
おすすめしたいユーザー
ヒルクライムレースなどのレースに参加するユーザーにおすすめです。
軽さを維持しつつ、様々な項目の表示が可能になっているため、よりデータを意識したレースができるからです。
また、機能が充実しているので、近くをサイクリングするユーザーにもおすすめできます。
レザイン MEGA XL GPS
名前の通りレザインのフラッグシップであり、最大のサイズを誇るモデルになります。
他のモデルでは十分でなかったルート案内機能も地図表示ができるようになり、ナビとして機能が付いているモデルになります。
特徴
2.7インチと言う大画面に、表示項目数の多さ(9項目)、横にも表示できるという独特の設計も特徴です。
また、冒頭でもお話しした通りマップ表示が可能となり、ルート案内がより分かりやすい仕様となっています。
更に、ラインナップ最大の駆動時間である48時間を誇り、ガーミンの最上位モデルのバッテリー追加(40時間)よりも長いというのも特徴といえます。
おすすめしたいユーザー
重量があるためレースには不向きかもしれませんが、ブルベ(夜間走行を伴う長距離レース)や輪行、宿泊を伴うサイクリングを行うユーザーにおすすめできます。
レザイン MEGA C GPS
MEGA XL GPSを一回り小さくしたモデルです。
機能はMEGA XL GPSとほぼ同じになりますが、やや軽量化がなされています。
特徴
最大8項目表示とMEGA XL GPSよりもやや少ない表示数ですが、カラーディスプレイを採用しているため、表示がカラーになっているのが特徴です。
横にしての表示ができない反面、カラーによる美しい表示で、より見やすくなっています。
もちろんマップ表示が可能でナビゲーションの機能が付いています。
おすすめしたいユーザー
MEGA XL GPS程のサイズはいらないロングライドユーザーやブルベユーザーにおすすめしたいモデルになります。
バッテリー駆動時間もカラー液晶で32時間という点から、快適にサイクリングを楽しみたいあらゆるユーザーにおすすめできます。
まとめ
まとめとして、下位から中位にかけて全てのモデルに標準でGPSが搭載されている点はレザインの強みと言えます。
また、最上位機種はカラー表示となり、ナビ機能や勾配表示などガーミンの中位機種にも十分対抗できる機能を持っていると考えています。
価格も1~2万円中盤とお求めやすい価格帯になっている点もレザインのサイコンの魅力です。