街歩き用マラソンシューズの解説…手入れの方法&選び方
近年は、欧州の老舗スポーツメーカーから余波を受けて、街歩き用のおしゃれなマラソンシューズが増えてきました。
手作りやヴィンテージ品、革などの高価な素材を使った製品もたくさんあり、すっかりスニーカー…マラソンシューズのとりこになった皆さんの中には、そういった2〜3万円、あるいは5万円超えのシューズをお持ちのかたもいらっしゃるかもしれません。
今回は、スニーカーを長く大切に・おしゃれに履くためのいろいろなお話をさせていただきます。
目次
高級スニーカーとは
メンズメーカー発信で、レディース・ユニセックスのアイテムにも波及しつつある「高級スニーカー」。
どこからが高級スニーカーのラインか?
というのは難しいものですが、プロ向けマラソンシューズで「1万円〜1万5千円程度」のものが未だ主流と言えます。
となると、革製のドレスシューズの価格帯とかぶる「2万円台」からのモデルから、大切にしていきたい一品の範疇に入ってくるのではないでしょうか。
マラソンシューズの定義は広い
マラソンシューズの定義は広く、歴史を遡ってもかなり多くの種類が作られています。
欧州の代表的なものになると、
●ジャーマントレーナー(元は軍用のトレーニングシューズ)
●フレンチトレーナー(同上)
以上、ミリタリー系にさかのぼるものから、ナイキやアディダスといったスポーツシューズメーカーから出ている各種モデルがあります。
街歩き・カジュアルファッション界隈で年ごとの流行の変化問わずに安定した評価があるのは、前者のミリタリー系にルーツを持つものですが、ヴィンテージ復刻品や工場手作りともなると、3万円〜4万円台は避けて通れない選択肢になります。
さて、「オフィス用の靴は別に持っているから、休日用だし多少は」とお考えのかたでも、やはりこれだけのお値段のものであれば大切に履いていきたいものでしょう。
もちろん、平均的なお値段のマラソンシューズにも極めてファッション性の高いものがあり、お気に入りの一品を大切に使いたいという方もいらっしゃいます。
そこで、まずは基本的なスニーカーの履き回し方や劣化の過程などを解説しつつ、お手入れ方法を探っていきます。
スニーカーの履きまわしかた・買い方
おしゃれ教本が増えてくるなかで、マラソンシューズを含むスニーカーは「毎日履いても構わない」と説かれがちです。
しかしこれには、以外な落とし穴が。
一応スポーツユースのものとは言え、革素材のもの・つま先部分がメッシュでないものなどは通気性に難があります。
特に前者は、オフィス用の革靴同様と考えても差し支えないでしょう。
そのため、毎日履くかたであれば2〜3足、休日だけ履くかたでも2足は用意しておくことをおすすめします。
高級スニーカーを愛用しているかたは、「お気に入りの一足と、コーディネートに合う安価なマラソンシューズ何足か」という履きまわしが多いようです。
自分の歩きグセをつかもう
さて、特にアッパーが綿素材や薄いナイロンなどでできているマラソンシューズの愛用者は、特に留意しておいたほうがよいことになります。
もし普段履いているシューズがあれば、何でも構いませんので、かかとの状態・内側のつま先近くの状態を確認しておきましょう。
個人によって異なり、
●かかとを踏みしめるようにして歩く人
●親指や小指の付け根に力がかかりすぎる人
この両者で、シューズの磨耗する部分が変わってきます。
特にマラソンシューズは、走ることを念慮して使用する素材を極力スマートにしていますから、注意が必要です。
前者のかたは、かかとのグリップ部分が破けやすく、中の素材が露出してしまう可能性があります。
日本人には後者が多いと言われており、特に外反母趾の傾向のあるかたなどは、シューズの内側の親指・小指の付け根が当たる部分から破け、最終的には外側の部分まで裂けてきてしまいます。
へたってくる箇所に予防策を
ご自身の足のクセを把握されたところで、もし新しいマラソンシューズを購入なさった場合は、それぞれの箇所に補強をしておきましょう。
駅構内にあるシューズの補修店などに依頼すれば、靴内部の負荷がかかる部分に革やゴム製の補強材を貼付してもらうことができます。
もちろん、大型雑貨店などで販売されている靴内部用の滑り止めをご自身で貼るのもおすすめですが、できれば専門家に任せた方が良いでしょう。
ソールの構造や素材について
基本的に、マラソンシューズにカテゴライズされるシューズは、ソールの交換は不可能です。
そのため、はじめからソールに「磨耗しにくい」素材を利用しているものが主流になっています。
ですが、近年流行の街歩き用シューズの中には、革靴同様の製法でソールの交換を可能としているものもあるので、新しく購入する際はそういったメンテナンス性を考慮するといいでしょう。
加水分解に注意!
ソールと言えば、注意したいのは加水分解です。
ナイキなどがよく採用している「ウレタンゴム」という素材のソールは、水と反応することで靴の内部の強度が落ち、見た目にも劣化することがあります。
これを防ぐには、どうすればいいのでしょうか?
実は、完全に防ぐ方法はないのです。
ですが、この劣化を遅らせることは十分に可能です。
ポイントは三つ。
●低音かつ低湿度の場所で管理をする
●新品の場合は晴天下で何度か履き慣らしておく
●使用前は防水スプレー。
使用後は必ずソールを中心に汚れをとる。
アッパーの素材について
アッパーの素材には、
●綿生地
●ナイロン
●ナイロン(メッシュ)
などと、ファッション性に特化したものであれば革、スエードなどがあります。
いずれも長持ちさせるポイントは同じなので、新品の靴を買うときに用意するものをご紹介しておきます。
●柔らかい靴ブラシ
●防水スプレー(スエードは専用のものあり)
●消しゴム
●キッチン用アルコールスプレー
これだけあれば、十分です。
防水スプレーは履く前に、他の道具は履いた後のお手入れに使いましょう。
なぜキッチン用アルコールスプレー?
と疑問に思われたかたもたくさんいらっしゃるかと思うので、脇道に入りますが、簡単に解説させていただきます。
アッパーの素材によっては、いわゆる「シューズ丸洗い」ができないことが多く、靴の匂いにお悩みのかたも少なくありません。
そういったものに関しては、履くたびにシューズ内部にアルコールスプレーをシュッとするだけで、雑菌の除去に十分役立つのです。
ぜひお試しください。
気分を変えたいなら紐をチェンジ!
さて、最後に靴のイメチェンに関わるお話をさせていただきます。
大型雑貨店や靴の補修店にいくと、様々な靴紐が販売されています。
マラソンシューズを買う際に、靴紐を含めた全体のイメージを見て製品を決められることがあるとしたら、それは少々誤りかもしれません。
平紐・丸紐・最近はバンドタイプのシューレースもあり、紐の交換だけで簡単にマラソンシューズのイメージ・履き心地が変わるのです。
平紐はどんなコーデにも合いますし、丸紐であればカジュアルより。
バンドタイプのものはスポーティなイメージが強くなり、マラソンシューズ!
といった主張をしっかりとしてくれるようになります。
まとめ
さて、最初に高級スニーカー、もとい高級マラソンシューズのお話をさせていただいた上で、素材や履きグセによる手入れの方法、普段のメンテナンスについてお話をさせていただきました。
スポーツとして走りたいかただけではなく、コーディネートの一部としても注目を浴びるマラソンシューズ。
ぜひこの記事をみて、参考にしていただければと存じます。