まくらとの付き合い方を見直して安眠生活を手に入れよう
現代人は何かと睡眠に問題を抱えています。
その原因は悩み事だったり、単に忙しかったりと様々でしょうが、中にはまくらが合わなくて寝付けないという人もいらっしゃるのではないでしょうか。
まくらが合わないと体にコリが出たり、呼吸障害が発生したり良いことはありません。
そこで、どのようなまくらを使うべきなのか、そしてそのまくらの能力を最大限に活かすにはどのような使い方がいいのか、さらにまくらのケアはどうするのか、それらを検証してみようと思います。
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まくらはなんのためにあるのか?
そもそも「まくら」ってなんなんでしょうか?
寝るときに「頭を乗せる」寝具ですよね?
って思った人。
はい、不正解!
残念でした。
あれは「首をケア」するものなんです。
人間の体はS字型に湾曲しています。
なので、仰向けに寝ると、首や腰と布団の間に隙間が出来てしまいます。
その間を埋めるためにあるのがまくらです。
そうすることによって、首の負担を減らします。
考えてみてください、常に首の上には頭が乗っていますね。
体重比10%の重さとあるので体重50キロの人は5キロの錘をずっと上に抱えているのですよ。
その首を休ませるための「頭置き」として使うのです。
ですから妙な置き方をすると首に負担がかかり、休むことができなくなります。
それと、寝返りの補助具とも言われます。
人が楽な姿勢で寝るためにまくらでサポートするとのことです。
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まくらの歴史
実はまくらはいつ頃生まれたのか、そのルーツは明らかではありません。
意外とこれだけ世界中で使用されているのにもかかわらず、です。
化石にもまくらを使用していたらしい形跡があり、200万年以上前からあったのではないか、ともいわれているそうです。
裁縫の発達とともに「工芸品」として広まっていき、産業革命によって大量生産され、一般に普及されていったらしいです。
日本では古墳から出土されていることから、その時代より使用されていたことが伺えます。
しかし、当時は故人への贈り物として使われたらしく、石や琥珀などが用いられていたようです。
江戸時代では武士のちょんまげや、女性の髪を崩さないようにするための道具として使われました。
明治に入ると現在のまくらに近い物になっていったそうですよ。
まくらを高くするといいことがある?
「枕を高くして眠る」これは間違いなんです。
適切な高さにしないと逆に頚椎を圧迫し首を痛めますし、また呼吸障害が起こり、いびきなどの原因にもなります。
ではなぜそのように言われるのか?
それは戦国時代に遡ります。
当時いつ敵に攻め入られるかわからない中就寝しました。
そんな中、地に頭を付けることによって足音などの気配を察する必要があったわけですよ。
まさに「寝耳に水」のごとき状況なのです。
しかし、平和になり、そんな心配もなくなると、布団と頭の間にまくらを挿入して寝られるようになるわけです。
でも、高くしすぎると上記のように負担がかかってしまいます。
また逆に、低かったり、ノーまくらでも同様に体のコリなどを誘発するので注意が必要です。
気配を感じても体の節々が痛かったら大変なことになってしまいます。
理想的な高さは首と布団の角度が15度くらいと言われ、適度な高さに設置するのが一番です。
硬さや素材も大切
柔らかいまくらが好みの方も多いと思いますが、柔らかすぎるのも問題があります。
頭を包みこんで寝返りが打ちにくくなってしまうのです。
寝返りは寝ている間に行うセルフストレッチです。
他に布団の中の熱気などを調整する役目もあるので、これが出来ないと寝苦しくて途中で目覚め、中途半端な睡眠になって、熟睡できなくなります。
ふかふか過ぎるのも問題ですが、逆に固いと今度は頭が落ち着けず首に負担がかかります。
寝返りが打ちづらく、頭を固定するために体に妙な負荷がかかりコリが発生します。
そのためまくらを選ぶときは、あまり沈み過ぎない、しかし固すぎない適度に落ち着ける硬度のものをおすすめします。
あと、当然汗もかくでしょうから、通気性、吸湿性、放湿性に優れるものが良いです。
正しい使用法
肩口に合わせてセットします。
このとき肩はまくらに乗せないように注意してください。
逆に肩こりの原因になります。
後頭部から首筋にかけて全体的にまくらで支えると良いそうです。
仰向けに寝て、そのまま頭をあげ、その隙間にすっと差し込む。
この時に肩にぶつかるくらい深く入れると理想のポジションになるようですよ。
寝方としてうつぶせ寝は良くないらしいですが、あとは横でも仰向けでも、とにかく首の下の隙間を埋めることを意識してください。
頭を置くのではなく、首を支えることが正しいまくらの役割なのですから。
因みにまくらで、中央がくぼんだものがありますが、あれは山の高い方が首、低い方がつむじになるようにセットした方が首に優しいです。
勿論個人差があるので低い方がフィットするならば、そちらをご使用ください。
まくらの合わせ方
親兄弟でも、おそらくそっくりさんでも、理想のまくらは人によって千差万別だとおもいます。
ですからまくら選びは非常に慎重にならねばならなでしょう。
人は立っている時には、自然と楽なS字カーブをキープしていると言われ、理想の寝姿はその状態をそのまま横たえたものだそうです。
これをやれば自然と丁度いい高さなどになるそうですが、骨格に左右されるので、プロのアドバイスを元に実際当ててみるのが一番いいそうです。
大きさは寝返りを打っても落ちない十分な広さが必要だそうです。
狭っ苦しいと寝返りが打てず体に良くないですからね。
横向きに寝るのが癖の方はその分高さが必要です。
どのように寝ているのかを考慮したうえで、理想の形を探してみてください。
実は雑菌だらけ
まくらは毎日洗濯はできないので、そのため多くの雑菌がひしめく状態になりがちです。
フケや抜け毛、頭皮の油などのエサになるものが豊富にあり、蒸れやすい環境の為ダニや雑菌の温床と言われています。
まくらには大抵カバーを付けていると思いますが、それを毎日洗ったとしても、奥のまくらまで浸透した汗などの湿気はどうしようもありません。
天日干しなどを定期的にしてケアするしかないでしょうが、勿論洗うタイプのものもあります。
綿やパイプ、ミニボールであれば洗濯ができますが、洗濯機で洗えるのか、手洗い必須なのか、洗い方も確認しましょう。
そばがらや羽根、低反発ウレタンは洗濯ができないので、そばがらなら天日干し、羽根・低反発ウレタンは陰干しをします。
洗濯ができないものは、こまめに枕カバーを洗濯するように心がけましょう。
まくらを使わないとどうなるか
まくらを使用しないと頚椎に負担がかかります。
それと、肩の高さなどもより顕著になるからか、寝返りが打つのが大変になるようです。
そのため肩こりなどが悪化しやすいとも言われます。
低いまくらを使用した時に無意識に手を下に差し込んだりしますよね。
そのくらいまくらは重要なんですよ。
しかし、なかには無い方がいいという方もおられます。
それは「ストレートネック」という状態の方です。
何度も書いてますが、人間はS字に湾曲しており、その隙間を埋めるのがまくらなんですね。
隙間が無ければ、逆に曲げてしまいます。
だからその状態の人には邪魔者になりかねないんですね。
そんな人にはまくらを使わないのもおすすめできるのですが、それ以外の方は避けた方が無難でしょう。
ほかにも「首にシワができにくくなる」からいいとも言われますが、実はそれも適切な高さであれば問題ない話なんだそうです。
まとめ
当たり前の様に毎日使っているまくらですが、いざ見つめ直してみると知らないことも多いと思います。
正しく使うだけで安眠だけでなく、日常生活にも大きく影響してくるのではないかと思います。
体のコリや、睡眠障害に悩まされている人はまくら自体を変えることよりも、まくらそのものとの付き合い方を変えてみては如何でしょうか?