マッケンジー体操で腰痛を治そう!
マッケンジー体操は、うつ伏せから腕の力で上半身をそらせるように持ち上げ、後屈させる体操です。
「マッケンジー体操」は、ニュージーランドのロビン・A・マッケンジー氏が考案された、腰痛改善のための体操です。
シンプルな体操で、広く行われています。
腰痛の予防にも効果があると思われます。
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マッケンジー体操と従来の腰痛対応の違い
腰痛などの痛みに対し、痛みがひどくならないよう、痛みが再現する方向には体を動かさない方が良い、という考え方があります。
しかし、これのみを実行していると、例えば体を反ると痛いような症状の場合、体を反る運動を避け続けると、いずれは反る方向への可動域が狭くなっていき、
体を反れなくなってしまいます。
これが、別の動作の制限につながってしまい、姿勢の悪さによる筋肉のコリなど、さらなる症状につながってしまいます。
マッケンジー体操は、体を反ることで腰痛を改善する
マッケンジー体操は、このような痛みに対する過度の回避による二次障害的症状に陥ることを避け、痛みのある個所の稼働域を広げることにより、
痛みを改善することを狙うものです。
腰痛の場合、前屈の方向に柔軟性を高める体操をすることが多くありますが、それだけではなく、体を反る方向にも体操することで、
腰痛改善効果が大きくなると考えられます。
従来は腰痛に対して後屈させることは禁忌とされていましたが、実際に後屈の運動をさせると、症状が改善した事例がたくさんでたとのことです。
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マッケンジー体操の手順
具体的なマッケンジー体操の手順について説明します。
一言でいうと、腕の力を使って腰を反る体操です。
- うつ伏せに寝ます。足は伸ばします。腕は体の横に置きます。
- ひじを下向きに立てて上半身を持ち上げます。このとき、腰より下は床に設置させたままです。上半身だけ持ち上げ反りかえるようにします。
腕の力のみで上半身を持ち上げることが重要です。腰・お尻・足に力を入れてはいけません。 - 手を床につき、肘を伸ばしてさらに上半身を持ち上げます。このとき、腰より下は床に設置させたままです。上半身だけ持ち上げ反りかえるようにします。
- この状態で30秒維持します
- これを朝・晩3セット行います。
基本的にはこれだけです。
背筋・殿筋・ハムストリングに力を入れないことが重要です。
これらの筋肉に力を入れずに緩めながら縮めるイメージです。
マッケンジー体操を行う際の注意
腰痛の度合いに応じて、少しずつスタートして下さい。
最初のうつ伏せの段階で腰痛が出る場合は、腰の下にクッションを置くなどして、最初は体を屈曲させつつ、徐々に体を伸ばしていきましょう。
うつ伏せの状態で1分間維持できるようになったら次のステップに進みましょう。
肘をついて上半身を持ち上げるときも、一気に無理をして持ち上げてはいけません。
痛みが出る場合は、腕を体の下に潜り込ませながら、少しずつ上半身を反るようにし、痛みが出る場合は、無理をしないようにしましょう。
マッケンジー体操は毎日継続することが重要
少しずつ、毎日繰り返すことにより、反る角度を大きくすることができます。
あくまでも少しずつ進むことが重要で、無理をすればかえって炎症を強くし痛みが大きくなってしまいます。
痛みが大きくなれば、マッケンジー体操を継続すること自体が難しくなります。
なにより継続することを最優先にするようにして下さい。
マッケンジー体操そのものはいたってシンプルですが、継続することで体を反る方向に可動域が広がり、
筋肉のコリの解消・正しい姿勢の維持が期待できます。
マッケンジー体操が腰痛に効く原理は、筋肉を緩めることにあると思われる
椎間板ヘルニアを含む椎間板性腰痛に効くとされていますが、マッケンジー体操がなぜ効くかは説明されたページは確認できていません。
しかし、私自身の経験では、腰痛を改善する効果は期待できます。
重要なのは、無理をして一気に反り返らないことです。
毎日少しずつ継続し、反り返りを意図的に少しずつ大きくしていくことがコツです。
個人的な見解では、腕の力で後屈することにより多裂筋など背中・臀部・ハムストリングを縮め緩めることによる改善効果が考えられる。
同様に椅子に座って前かがみになるアクティブレスト体勢については、膝を曲げることでハムストリングに負荷をかけないようにしながら前屈することで
腸腰筋を緩める効果が期待できる
マッケンジー体操は腰椎の前彎を確保できる
マッケンジー体操での体を反る体操により、腰椎の前彎を適切に確保することも大きく期待できます。
ですので、腰椎の前彎が少ないストレートバックの方や、猫背の方、これらが原因で腰痛が出る方は、マッケンジー体操により
腰痛が改善する効果が期待できます。
また、夜寝るとき、体を横にして腰を丸めて寝ると腰痛がひどくなるような方にも有効と思われます。
仕事で日中パソコンに向かい続けるデスクワークの方なども効果が大きいと思われます。
急性腰痛に対するマッケンジー体操の適用は慎重に行う
急性腰痛に対しては、マッケンジー体操を無理に行わないことが重要です。
必ず医師の処方を受け、痛みを軽減させることを最優先して下さい、
最初の処置を誤ると治癒が大きく遅れることがあります。
マッケンジー体操はあくまでも少しづつ可動域を広げていくものです。
急性腰痛のように早期に初期対応が必要な局面では、マッケンジー体操を行うべきか、またどの程度行うべきか、慎重に判断しましょう。
マッケンジー法について
国際マッケンジー協会日本支部で「マッケンジー法」として、よく知られるマッケンジー体操を含む、腰痛対応の考え方が記載されています。
マッケンジー法の基本的な考え方
よくある腰痛に対する原因や症状のとらえ方として、現在の骨や筋肉の状態が、正常な状態にあるのか正常でない状態にあるのかで
精査するものがあります。
例えばレントゲンやMRIを取って、不自然な場所に白い影が合ったり、ヘルニアが飛び出しているのを見て椎間板ヘルニアと診断されたります。
これに対し、マッケンジー法では、何かの動作をすることによってどのような痛みが出るかの関連性に注目します。
今の状態がどうのこうのというより、今の状態から変化させたとき、痛みはどう変化するかということです。
そして、これらは多くの場合、個人差がはげしく、人それぞれの症状や痛みが出ます。
このことが腰痛対応の現場で原因特定あるいは原因切り分けをより困難なものにしています。
腰痛の85%は原因不明
腰痛の85%は原因不明ともいわれています。
腰痛がひどい患者さんのMRIを取ると椎間板が飛び出ていたとしても、椎間板が飛び出していたことが間違いなく腰痛の原因であるとは言い切れないのです。
椎間板が飛び出ている人が100%痛みを訴え、椎間板が飛び出ていない人が100%痛みを感じないのであれば、椎間板の飛び出しと痛みは強い相関があると言えます。
しかし、実際には椎間板が飛び出していても痛みを感じない人もたくさんいるのです。
ですので、今の状態だけをみて正常な状態でないからと言って、原因を断定するのは、原因を誤って特定し、対策を誤り、その結果治癒が遅れるあるいは逆に症状が悪化するリスクが常に残ります。
マッケンジー法は、動作と痛みの規則性に注目する
マッケンジー法では、これらの考え方と完全に異なっています。
現在の状態を見るのではなく、動作・姿勢などと痛みの出方の規則性に注目し、個人個人の症状をとらえ、あくまで一人ひとり違った原因・違った症状があることを
前提として改善を試みるものです。
マッケンジー法は「痛みを取る」から「痛みを使いこなす」へ
そして、「痛みをとる」ということよりも「痛みをコントロールする」あるいは「痛みを使いこなす」という考え方に重点が置かれています。
これは、医者に言われたとおりに患者が行うような受動的な対応ではなく、患者自身が率先して自ら腰痛を改善して行こうという
積極的・能動的な対応になります。
患者が自分で考え自分で自分の痛みを感じ、理解し、どの動作・姿勢を取った時にどのような痛みがでるか規則性を探し当て、
それに向かって改善活動を行っていくことが重要です。
まとめ
普段の生活は前屈動作はたくさんあるが後屈はほとんどない
体を前屈させる動作は通常の生活の中でも頻繁に発生します。掃除・選択・食器洗いなど、
家事のほとんどは前屈動作を伴います。
しかし、体を後屈(体をそる)動作は、通常の生活では意外なほどとることがありません。
このような生活を10年20年と続けていれば、体は徐々にですが確実に後ろにそらすことができなくなっていきます。
体の可動域が狭くなると、取れる体勢に制限ができてしまい、知らず知らずのうちに、不自然な体勢や姿勢になってしまいます。
これが別の筋肉や骨への負担となり、少しずつ筋肉疲労が蓄積され、やがては大きなトリガーポイントとなって、あなたの腰に現れるかもしれません。
マッケンジー体操を今日から始めよう
マッケンジー体操はいかがでしたか?
体操そのものはいたってシンプルですが、
マッケンジー体操はそうしたごく普通の生活の中で発生しうる腰痛に対して、ある意味で真正面から腰痛改善策を実施しているともいえるのです。
いずれにしても、毎日の継続が大切ですので、今日初めて知った人は今日から・今から始めてみてはいかがでしょうか?
くれぐれも一気に反り返らなように