テキサスリグに最適なエクストラハイギアのベイトリール
バスフィッシングのカバー撃ちに、ソルトルアーの根魚狙いに何かと重宝するテキサスリグです。
テキサスリグにはエクストラハイギア(XG)のベイトリールが向いているとよく言われますがそれはなぜでしょうか?
ここでは、テキサスリグってそもそも何?
という基本から、テキサスリグにはどんなメリットがあるのか、テキサスリグの作り方はどうやるのかということを含めて説明し、最後にエクストラハイギアのベイトリールとの相性を紹介します。
テキサスリグってどんなリグ?
テキサスリグとは弾丸型のバレットシンカーとオフセットフックにソフトルアーをセットしたリグが基本です。
バスフィッシングが盛んなテキサス州で始めに流行したからテキサスリグと命名されたのだと思われますが、今ではソルトルアーなどでも根魚狙いなどに一般的に利用され最もメジャーなリグの一つになっています。
テキサスリグのメリット
先端が細くなって段々太くなる形状のバレットシンカーの後ろにソフトルアーを付けた形状は新幹線のような流線型になり、障害物のすり抜け性能が非常に高いのが最大の特徴です。
更にオフセットフックの針先をソフトルアーの中に埋め込んでしまうことで、根掛かりの危険性が更に下がります。
根掛かりが怖くないということは、他のルアーでは釣りにならないような障害物の奥の奥に積極的にキャストすることができるようになりますので、その分釣果に繋がります。
ご存知のようにブラックバスは複雑に入り組んだ枝の中などを好みますし、根魚はゴツゴツしたガレ場の岩の隙間に潜んでエサとなる小魚やエビを待ち伏せしています。
テキサスリグの作り方
テキサスリグの作り方はまずラインにフックを結ぶ前にウキ止めゴムをラインに付けます。
わっか状の針金に付いているウキ止めゴムをラインに引っ掛けて移すことで簡単にセットできますが、フックを結んだ後になってからセットすることが出来ないのと、ウキ止めゴムがバレットシンカーの穴より小さいとシンカー止めの役割を果たさなくなりますので注意しましょう。
ルアーフィシングコーナーに黒いテキサスリグ用シンカーストッパーがありますが、エサ釣りコーナーも肌色のウキ止めゴムが機能は同じで安いのでおすすめです。
ウキ止めゴムは位置を自由にラインの上で移動できるのでとりあえず遠くのほうにずらしておいたほうが作業が楽です。
ウキ止めゴムの後ろに今度はバレットシンカーを通し、オフセットフックを結びます。
順番を間違えなければ特に難しいことはありません。
オフセットフックにソフトルアーをセットします。
ルアーは細長いシンプルなものならすり抜け性能が一番よく、太かったり、平べったかったり、エビの脚やハサミのようなパーツがたくさん付いているとアピールが高くなります。
オフセットフックをセットした後に、一旦出した針先を1ミリぐらいまたワームの中に刺して針先を隠します。
最後にウキ止めゴムをバレットシンカーのすぐ上まで移動して、シンカーとソフトルアーを密着して一体化させます。
これが基本的なテキサスリグのセッティングです。
テキサスリグの応用編
基本セッティングを状況に応じて応用できるのもテキサスリグのメリットです。
ウキ止めゴムを上にずらすことであえてシンカーを可動式にする方法は、それにより魚がバイトした時の違和感を減らす効果と、シンカーとオフセットフックがぶつかる時にカチカチかすかな音を出してそれで誘う効果が狙えますが、可動幅が大きければ大きいほど根掛かりのリスクはその分増えます。
オフセットフックの針先の隠し方にもバリエーションがあります。
そこまでカバーが濃くない場合に針先を隠さずに露出させて、フッキング率を向上させることが出来ます。
もちろん根掛かりのリスクは増えます。
逆にとにかくヘビーカバーなら、オフセットフックの針先を一旦出してまた埋めるという基本セッティングからさらに根掛かり回避性能を上げるために、針先がソフトルアーの表面のギリギリ下のほう、皮一枚の部分を縫うように通し、針を一度も露出させないセッティングがあります。
この場合ある程度もろくて壊れ易いワームを利用して、フッキングも渾身の力を込めるように意識する必要がありますが、ワームが壊れて初めて針先が露出する構造なのでヘビーカバーへの耐性は全てのルアーの中でも最強クラスです。
テキサスリグのキャストとアクション
テキサスリグを作ったらいよいよキャストします。
カバーを狙う釣りですので、ただ闇雲に遠投してぐるぐる巻いてくるだけでは他のルアーに対する優位性がありません。
テキサスリグの長所を生かす釣り方をしましょう。
近距離ならピッチング、パンチングならテンプラキャスト
テキサスリグはシンカーの重量がしっかりあり、フォール時にバイトしてくることも多い、ボトムの釣りになるので底を取りやすいなどのメリットが生かせますのでベイトリールでキャストが基本です。
カバーの目の前に行ってテンポよく釣っていくのにピッチングが有効です。
とにかくピンポイントの釣りなのでキャストの正確性が命です。
更に、着水音で魚にプレッシャーを与えたくありませんのでピッチングやフリッピングなどできるだけ低弾道で静かに着水させます。
逆に、水面をゴミが覆っているその下を狙う場合、わざと重いシンカーを使って、上に放り投げるようなキャストをしてまっすぐにルアーを落下させてカバーを突き破ります。
狙うのはできるだけカバーの近く
キャストで狙うのは出来る限り魚の目の前に落ちるようにします。
基本的にリアクションの釣りなので、遠くにいる魚に見つけさせて追わせる釣りではありません。
シンカーが重いのでフォール速度が速く、遠くからだと間に合わないこと、シンカーが重いので魚にジッと見させる時間を与えるとルアーだと見切られるという欠点があります。
欠点をカバーする為に、魚に考えるスキを与えないようにします。
バスなら立ち杭に触れるくらいにギリギリに、オーバーハングの一番奥の岸沿いに、根魚なら岩の隙間の穴の中に入れるようにキャストします。
フォールさせて数回アクションさせて反応が無ければ即回収
狙った場所にフォールさせたら、ちょんちょんとロッドを煽ってアクションさせてポーズ、ちょっとだけ糸ふけを取りながらルアーを移動させてもう一回同じことを繰り返して、それでも反応が無ければルアーをすばやく巻き取って回収してすぐにちょっとずらした場所にキャストします。
テキサスリグの釣りは、反応する魚がいれば最初のキャストで喰ってくるし、同じ場所に何回もキャストしたりずっとアクションさせて粘ってもあまり効果がありません。
どんどん移動して次の場所にキャストするほうが数倍釣果があがります。
そして、キャストして回収、キャストして回収を繰り返す効率アップの為に次項のエクストラハイギアのベイトリールが活躍してくれるのです。
エクストラハイギアのリールとテキサスリグの相性
テキサスリグの釣りに最適のベイトリールのギア比はエクストラハイギア(XG)です。
一般的にメーカーやモデルによって様々ですが、ノーマルギアはギア比6.0~7.0、ハイギア(HG)は7.0~8.0、エクストラハイギア(XG)は8.0~9.0くらいのイメージです。
例えばベストセラーモデルのシマノのベイトリール、15メタニウムDCは3つのギア比のラインナップがありますので例にとってカタログスペックを見てみましょう。
1回転の巻き取り長はノーマルギアで66センチ、79センチ、91センチとなっています。
エキストラハイギアのベイトリールは、ハンドル1回転で巻き取れる長さがノーマルギアの1.5倍長いのです。
もちろんその分巻取りの重さが重くなるので巻き物などの巻き抵抗が強いルアーを使うと巻き重りがします。
テキサスリグでいちばんたくさんハンドルを巻くのは回収
先ほど解説したテキサスリグの釣りを思い出してみましょう。
キャスト後のシェイクなどのアクションはロッドで行うのでベイトリールのハンドルを巻きません。
その後で糸ふけを取りますがこれはルアーの重りとテンションが掛かっていない状態ですので巻き重りを感じません。
最後はハンドルをグルグルグル…と速く巻いて、ルアーを高速で回収します。
テキサスリグの釣りにおいて回収だけがハンドルを巻いてルアーを巻き取る行為なのです。
回収は一定速度を維持するとか繊細な動作は必要ありません。
速ければ速いほど効率がいいというシンプルなものです。
回収効率はエクストラハイギアが最高
ギア比による巻き取り長さの違いだけなら、回収の時に頑張ってたくさん巻けばいいじゃないと思うかもしれません。
理屈はそうです。
ハイギアすらない時代のベイトリールではノーマルギアでテキサスリグの釣りをしていました。
回収の時に一生懸命たくさんハンドルを回転すれば、回収はあくまで回収なので同じです。
ただ、例えば10メートル先にキャストして、一回転66センチ巻き取れるノーマルギアのベイトリールで回収する時に15回転、それを300回キャストしたら4500回ハンドルを回すことになります。
そこを、一回転91センチのエクストラハイギアのベイトリールなら同じ釣りをして3000回ハンドルを巻くだけですむわけです。
なんだか、魅力的だと思いませんか?
最も有利なのが一番大事なフッキング
さらに釣りで一番大事な場面、魚がバイトしてフッキングという最もエキサイティングな場面を忘れてはいけません。
テキサスリグでは糸ふけを利用してルアーをアクションさせているので、バイトの瞬間に魚とロッドの間のラインが一直線で糸ふけゼロとは限りません。
フッキング動作の前にハンドルを巻いて瞬時に糸ふけを取り渾身のフッキングをしなければいけません。
先ほど説明したように、ルアーの中に針が埋まっているセッティングなら糸ふけがある状態でいくらフッキングしても針先がルアーから出なくてフッキングできません。
魚がバイトしてからフッキングするまでの0.数秒の戦いで、糸ふけを取るのに必要なハンドルの回転幅が3分の2で済むというのは、釣果に確実に影響するのです。
これが、テキサスリグの釣りでエクストラハイギアのベイトリールがおすすめされる一番の理由です。
まとめ
いかがでしたか?
根掛かりを恐れずにキャストできるテキサスリグの特性と、ハンドル一回転当たりの巻き取り長さが大きいエクストラハイギアのベイトリールの相性の良さをわかっていただけたと思います。
カバーをテンポよくラン&ガンしていくテキサスリグの釣りはやっぱりリズムとテンポが大事です。
キャスト、アクション、回収、移動、またキャスト…という一定のリズムでポンポン撃っていくことで地形変化や魚の気配に気づくことができるものです。
その中で少しでも効率化をして、かついざバイトがあったときに即座に対応できる性能に特化したエクストラハイギアのベイトリールが生まれ、瞬く間に定番ラインナップに組み込まれるようになったのは当然の流れですね。