ベイトリールをさらに使いこなすベイトフィネスとは?
ベイトフィネスという釣り方をご存知でしょうか。
今では各メーカーから専用のベイトリールが販売されているほど、スタンダードになってきていますが、まだまだベイトフィネスについて知らないという釣り人も多いかと思います。
そのベイトフィネスについて、はじまりからメリット、スピニングタックルとの違いについて今回は解説していきたいと思います。
目次
ベイトフィネスのはじまり
「あの立木に居るバスが獲れれば勝てる。」これがベイトフィネスが始まるきっかけです。
とあるトーナメントプロがトーナメントのプラクティス中に、獲れれば優勝に結びつくようなバスが立木に付いているのに気付きました。
しかし、これまでそういったシチュエーションで使われていた、スピニングのパワーフィネスタックルでは獲れそうにないと思ったようです。
ベイトフィネスのはじまりは、トーナメントで勝ちを狙いに行くトッププロでした。
スピニングロッドの欠点とは?
そもそもなぜスピニングのパワーフィネスではなかったのでしょうか。
それは、どうすることもできないロッドの構造上の問題があります。
スピニングロッドにはベイトロッドより大口径のガイドが付いています。
そして、そのガイドはロッドの本体から離れたところに付いています。
そうするとどのようなことが起きるか。
それは、ブランクスのパワーロス発生という結果になります。
どういうことかというと、一見力が掛かったときにロッドは曲がっているように見えます。
しかし、実際は中空になったブランクスが潰れて楕円状になり、またラインはガイド同士を引っ張り合っています。
要は、ブランクスは潰れ、ガイド間で引っ張り合いをするので、イメージとしてはブランクスは波を打ったようになっているわけです。
ベイトロッドにトルクのある理由
スピニングタックルでは、先に述べたような現象が顕著に起きます。
それはベイトロッドにおいても少なからず起こっていますが、スピニングロッドに比べれば小さな影響です。
ベイトロッドは小口径のガイドが、ブランクスに沿うように配置されており、しかも数が多いです。
数が多ければ多いほどブランクスのパワーを活かすことが出来ます。
ベイトロッドにはこういった理由からトルク、すなわちパワーがあるのです。
トルクについて
ここではベイトフィネスで大事になるトルクについても解説しておきます。
トルクとは、粘り強さとでも表現すると良いと思います。
トルクは、ロッドの硬さではありません。
ブランクスの設計や素材から生み出されるものです。
トルクがあるとどうなるのかというと、ラインブレイクをしにくくなります。
要は同じポンド数を使った場合、トルクのあるロッドの方がラインブレイクしにくく、バスをキャッチしやすいわけです。
スピニングロッドよりベイトロッドの方がトルクがあるため、どちらかというとベイトロッドの方がラインブレイクは少なくなるようになります。
トルクを感じるには?
私がロッドのトルクを手で感じて分かったのは、フライロッドを振ってみたときでした。
その時振った2本のフライロッドは9フィート近くありました。
安いセットロッドと上位機種を振り比べると、トルクというものがすぐに分かりました。
もし、近くの釣具店にフライロッドがあるところがあれば、ぜひ振ってみてトルクを体感することをおすすめします。
机上の空論を現実に使えるものに
先に紹介したトッププロは、その当時にあった軽量ルアー向きのベイトリールに、太いフロロカーボンを巻いて使ったそうです。
そして、立木の中にルアーを送り込み、バスをキャッチすることが出来たとのことです。
しかし、このときは決して快適に釣りができているとは思わなかったようで、ここからベイトフィネス専用のリールを開発されています。
その当時は、メーカー品をチューンしたものから始まり、今ではどのメーカーでもベイトフィネス専用リールを販売するまでになっています。
ベイトフィネスのメリットとは?
改めてベイトフィネスのメリットについて解説していくと、・スピニングタックルで使うような軽量ルアーをベイトで使える。
・ロッドのトルクを活かした使い方ができる。
・ベイトリール特有のキャスト精度、キャスト回数で攻めていくことが出来る。
・スピニングタックルよりワンランク上のラインを使ってルアーを操作できる。
・スピニングタックル以上に飛距離を伸ばせる。
メリットは上記のようにさまざまありますが、なかでも意外なのは、スピニングタックル以上に飛距離を伸ばせることではないでしょうか。
スピニングタックルではラインがリールから螺旋状に出ていき、ガイドに激しく当たります。
これが飛距離ダウンの要因になります。
それがベイトフィネスだと、ラインは基本的に真っ直ぐ整流されていくため、ライン抵抗による飛距離低下が少なく済みます。
なので、スピニングタックルより飛距離を取れて、かつ高いキャスト精度とキャスト回数でポイントを攻めていくことが出来ます。
これを考えただけでも釣れるバスの数が増えることは容易に想像できると思います。
軽いルアーでバックラッシュを軽減させる方法
ここまででベイトフィネスのメリットは十分に理解いただけたものと思います。
しかし、軽量ルアーをベイトリールの大敵であるバックラッシュをすることなく使っていくのは容易ではありません。
そこで私がやっている簡単にできる軽いルアーでバックラッシュを軽減させる方法を紹介しておきます。
それは、ラインの巻き量を少なくすることです。
メートル数にすれば30~40メートルくらいでいいと思います。
ハンドル1回転当たりの巻き取り量を目安に巻いた回数でだいたいの距離を測っていくと良いです。
そうすることで、スプールの重量を軽くすることが出来ます。
スプールの重量が軽くなると慣性力が弱くなるため、過回転によるバックラッシュを防ぐことができます。
ぜひやってみてください。
ベイトフィネスでのミドスト
ベイトフィネスで私がおすすめする釣り方を一つ紹介しておきます。
それは、ミドストです。
ミドストとは、ラインの弛みをロッドで振って、ルアーにロール方向のアクションを加えるテクニックです。
主にジグヘッドが使われますが、ネコリグでもおすすめのアクション方法です。
ベイトフィネスでは、太いフロロカーボンラインが使えるので、その質量を使ってスピニングではできない、強めのロールアクションでバスを誘うことができます。
バスのスイッチを入れて釣ることが出来るので、ぜひやってみてください。
ベイトフィネスはもはやスタンダードになっている
ベイトフィネスと言われる釣り方が提唱されて、はや数年が経ちました。
今では、釣り方に併せてリールはもちろんのこと、ロッドやライン、ルアーに至るまで専用のものが販売されるようになっています。
今やベイトフィネスは当たり前となってきており、釣りに取り入れるか否かで釣果に差が出るものとなってきています。
ベイトフィネスでしかキャッチ出来ないバスは、私の経験からも確かに居ますので、バスフィッシングで今後も必要とされることは間違いありません。
まとめ
今まで以上にフィールドでは、バスにフィッシングプレッシャーも掛かっていることでしょう。
通常のベイトリールでできる釣りではバスをキャッチすることも難しいことと思います。
状況が変わるフィールドに合わせて、釣り人側もどんどん新しいことを取り入れて、変化していくことで釣れるバスの数をどんどん伸ばせていくことと思います。
今回の記事を参考に、ベイトフィネスについて改めて考え、釣りに活かしていってもらえれば嬉しく思います。