ノンシリコンは「髪にいい」?ヘアオイルの選び方について
東急ハンズやLOFTなどの大型店にいくと、さまざまな種類のヘアオイルを見ることが出来ます。
一部は試し塗りすることもできるけれども、髪の健康のことを考えると何を基準に選べばいいのか分からない…声も上がっています。
今回は「ノンシリコン」「添加物なし」などといったオーガニック指向のヘアオイルについて、考えてみたいと思います。
ヘアオイルの使い方と髪への影響
ヘアオイルを構成する成分について詳しく考える前に、そもそもの役割とどんな人に必要なのか・髪への影響とは何なのかを解説していきます。
アウトバストリートメントの考え方
アウトバストリートメントを使うことで何が変わるのか…特にショートヘアの方には、ちょっとイメージしづらいことですね。
基本的なことなので、ヘアケアに詳しい人であれば多くのかたがご存知かと思いますが、アウトバストリートメント…ここではヘアオイルを使ったときに髪に起きることをカンタンに説明してみます。
- シャンプー…汚れが落ち、髪の表面を覆う鱗状の「キューティクル」が開く
- リンスorコンディショナー…髪に栄養を与える
と、まずはここまでの流れになりますが、キューティクルが開いた状態でドライヤーを当てると、髪の水分が急速に失われて痛みが生じることがあります。
ここで活躍するのが、アウトバストリートメント。
なかでもヘアオイルと呼ばれるものは、髪にさらに栄養を与えつつ表面を保護・熱からしっかりと守ってくれる効果があります。
ヘアオイルは、朝のケアにもおすすめです。
単純に言えば「寝ぐせ」ですが、枕との摩擦などにより、髪は痛みます。
軽めのワックスの効果と補修の効果の両方を期待することが出来、朝のヘアセットに時間をかけたくないかたにとっては、まさに一石二鳥。
と、ここまで利点を述べると、やはり一本欲しくなってくるのではないでしょうか。
それにしても、最近のヘアケア製品は多様化が進んでいて、選び方に困ります。
もてはやされているのが「ノンシリコン処方」で、シャンプー・コンディショナー選びも、なんとなくそれらを基準にしている方が多いのではないでしょうか。
しかし近年になって、「シリコンは本当に悪なのか?」という考え方が生まれ始めています。
ヘアオイルの成分はシャンプーで落ちない
シリコンの功罪は後述までとっておくとして、ヘアオイルのある側面についてもお話をします。
キューティクルが開いた状態でオイルを使うと、髪の深く内部まで浸透して、シャンプーで落とすことが出来なくなります。
問題はこのあとで、頭皮や毛穴にヘアオイルがついてしまった場合はどうなのでしょうか。
大手口コミサイトを見ていると、「敏感肌なので、アウトバストリートメントがそもそも使えない」というかたもちょこちょこ見受けられます。
実は筆者もそういった傾向があり、自分に合うヘアオイルを見つけるまで、ずいぶんと時間をかけました。
普通肌の人も、オイルの構成物質によっては、毛穴トラブルを起こしたり・頭皮にかゆみが生じたりするというケースがあるのだとか。
こうなるとやっぱり気になるのが、シリコン等の添加物ですよね。
しかし実際のところ、好評を得ているアウトバストリートメント・ヘアオイルのなかには、シリコンを含む添加物がしっかりと含まれている場合が少なくありません。
そこで、シリコンとは何なのか・なにがいけないと考えられているのか・実際にはどうなのかを以下に書いていきます。
シリコンとは何なのか
シリコンって何?
シリコンが配合されているかを確認する場合、もちろん原材料欄をみていただくことになります。
一般的に「シリコン」と呼ばれているものの代表は「ジメチコン」という成分ですが、他にはこんなものもあります。
- シリカ
- メチコン
- クロスポリマー
シリコンをヘアケア商品に配合する最大のメリットは、髪の指通りが格段に良くなることにあります。
髪一本一本の表面に吸着して滑らかな表面を作り、ダメージから守るとともに、ケアの効果をすぐに実感できる「即効性」があるのです。
ところが、以下のような理由から、「シリコン=悪い成分」というイメージがつきました。
ノンシリコンは本当に悪なのか
シリコンを含有するヘアケアを長く使っていると、髪の表面と毛穴がすっかりコーティングされてしまいます。
第一に問題となるのが、完全に吸着したシリコンがシャンプーの洗浄力などで剥がれ落ちる際に、キューティクルも一緒にはがれてしまうということ。
二つ目の問題は、毛穴につまってとれなくなり、健康な髪の育成を阻害する…ということです。
薄毛や抜け毛に悩む人からこの問題に関して敏感になり、ノンシリコン商品が出回るようになりました。
前述しましたが、以上に挙げた悪影響に関しては、異論が強く唱えられつつあります。
まずシリコンの肌への吸着力ですが、これは非常に弱く、ましてや毛穴を詰まらせるには至らない…ということが一点。
これが真実であれば、ヘアオイルを頭皮につけるということがそもそも考えにくいことでもあるので、シリコン含有のものでもさほど問題はないということになります。
もう一つ言われ始めているのが、シリコンという素材そのものの特長として
- 熱や光に強い
- 通気性がよい
この2点です。
ヘアオイルやトリートメントに配合する場合、究極にはドライヤーの熱から髪を守ることが目的なので、むしろメリットとなりうることではないでしょうか。
他の添加物…パラベンについて考える
ヘアオイルに配合されがちな、シリコン以外の含有物についても考えてみます。
天然のオイルは酸化しやすいので、品質を保つために好んで使われているのが「パラベン」。
パラベンについて結論から言うと、防腐剤としては非常に安全だと保証されている成分です。
アレルギー反応を起こす確率は800人に1人と言われており、含まれているからといって不安に思う必要はほとんどないでしょう。
むしろ、酸化したオイル系の物質は発がん性もあるので、きちんと防腐処理が施されているほうがはるかに信頼できます。
ただし、パラベンを肌に直接塗って紫外線に長時間当たった場合、細胞の老化を促進してしまうという報告が上がっています。
そのため、フェイスケア商品にはほとんど使われないのが普通です。
パラベン配合のヘアオイルを使う場合も、頭皮に直接つけないのが無難ではないでしょうか。
本当におすすめできるヘアオイルとは
ヘアオイルとして主に流通しているのは、アルガンオイル・オリーブオイルのあたりでしょう。
ここで言えるのは、オイルの産地やその他配合成分によって特段に効果がでるわけではない、ということです。
オイルの値段はしばしば農家のブランド性によって左右されてしまうので、ついつい迷わされますよね。
商品のブランドではなく、「国内での品質管理が徹底されているか」がポイントになります。
ヘアオイルは新鮮であればあるほど、栄養価が高く髪への効果が期待できます。
その度合いは流通ルートなどによって大きく左右されているので、吟味する必要があります。
筆者の経験上、場数を踏むか公式サイトで品質管理について明確にされている商品を買うかのいずれかしかないので、本当にいいヘアオイルと出会うのは、根気のいる作業と言えるでしょう。
まとめ
ヘアオイルに限らず、ヘアケア商品の空前の無添加ブームは、大手化粧品メーカーの研究によって打ち崩されつつあります。
敏感肌だから慎重に選びたい…というかたも、「添加物が肌荒れの原因になる」と決めてかかるのは、もしかすると早計かもしれません。
安くて手に入りやすい商品から手に取ってみて、本当に自分に合うものを見つけてみましょう。