ホホバオイルって何からできてるの? “奇跡のオイル”と呼ばれるその正体とは
アナタはホホバオイルを知っていますか?
女性誌やテレビで紹介されることも多いため、名前くらいなら知っているという方も多いと思います。
実は、ホホバオイルってとってもスゴイものなんです!
美容の世界ではもちろん、医療の世界でも使用されるホホバオイル、巷では"奇跡のオイル"なんて呼ばれることも。
今回は、肌に塗る前に知っておきたいホホバオイルの基礎知識をまとめてみました。
ホホバオイルが何で出来ているか知っていますか?
近年、スキンケアに「ホホバオイル」を使用する女性が急増しています。
女性誌で「ホホバオイルは肌に優しい!」なんて特集されることもあり、化粧品売り場でもホホバオイルが女性に人気の商品となっているようです。
ところがホホバオイルの効能・効果についてよく知っている方でも、ホホバオイルの原料がなんなのか知らずに使用している方も多いのではないでしょうか。
多くの女性に愛用されながら、ホホバオイルは「なんとなく肌に良さそうだから」というイメージだけで使用されがちです。
ホホバオイルが肌に与える効果について解説している雑誌はたくさんありますが、意外にもその正体についてはあまり言及されません。
しかし肌に使うものだからこそ、ホホバオイルがどれくらい安全で、どんな原料からできているのかを知っておくべきです。
実は"奇跡のオイル"と呼ばれることもあるほどスゴイ、ホホバオイルの正体についてご紹介しましょう!
そもそもホホバオイルってなんなの?
ホホバオイルがスキンケア用品として広まったのはほんの数年前からです。
しかしホホバオイルの歴史は古く、アメリカでは500年以上前からホホバオイルが整髪料として利用されており、スキンケア用品としても40年以上の歴史を持っています。
ホホバオイルは植物を原料とした天然成分で、化学薬品などは一切使用されていません。
肌の弱い人や、オーガニック製品しか使わないという方でも安心して使用することができるスキンケアオイルです。
ホホバオイルの原料はホホバという植物
ホホバオイルの原料となるのは、アメリカから北メキシコを原産とするツゲ科のホホバという植物です。
ホホバは樹齢が200年を超えることもあるという多年生低木で、ほとんど雨の降らない乾燥した荒野でも自生できるほど生命力が強いことで知られています。
なんと年間降水量が20ミリもあればホホバの生育には十分なのだとか。
日本の年間降水量がおよそ1500ミリであることを考えると、ホホバがどれだけ雨の少ない地域に生えているのかがわかりますね。
これだけ乾燥した地域でも枯れずに生きていけるのは、ホホバに良質なオイルが含まれているためです。
ホホバに含まれるオイルは、正確には「ワックスエステル」と言い、日本語で言うと蝋(ろう)にあたるものです。
蝋は普通、常温で個体、加熱すると液体に変わる脂肪酸のことを言いますが、ホホバのワックスエステルは常に液体の状態を維持しています。
ホホバのワックスエステルは、常温でありながら液体を保っていられる世界で唯一の植物性ワックスであり、この性質が乾燥した荒野でもホホバの水分を保つ秘密になっていると考えられます。
このように特別なワックスエステルを含んだホホバは、灼熱の太陽光と、乾燥した空気にさらされ続けても問題ありません。
ホホバオイルの歴史
ホホバには特別な性質を持ったワックスエステルが含まれています。
そう、そのワックスエステルこそが、スキンケア用品として使われているホホバオイルの正体です。
ホホバオイルは少なくとも1600年代には、アメリカ原住民インディアンの整髪料として使われていたことがわかっています。
白人の間では長らく鯨の脂を原料としたポマードが整髪料として使用されていましたが、1970年代に捕鯨が禁止されると、インディアンが使っていたホホバオイルが鯨脂に代わる整髪料として使われるようになります。
インディアンはホホバオイルを肌に塗ることもありました。
まさに、現代と同じくスキンケアを行っていたのです。
研究者たちがその効果について調べたところ、ホホバオイルには人体にとって様々な利益があることがわかりました。
ホホバオイルには強い抗酸化作用があり、肌に塗ることで保湿・殺菌・抗炎症などの働きが期待できるのです。
たちまちホホバオイルはスキンケア用品としても人気となり、現在ではオーストラリアなど複数の地域で、化粧品原料としての栽培が開始されています。
ホホバオイルのここがスゴイ!
ホホバオイルには、他の植物には無い特徴が多くあります。
ここではホホバオイルだけが持つ、人体に有用な特徴についてまとめてみました。
バツグンの酸化安定性
乾燥した荒野に自生する植物は、熱に強い性質を持っていなくてはなりません。
なぜなら、熱は生物の体を酸化させてしまうからです。
その点、ホホバは高い抗酸化作用を持っているため、灼熱の砂漠や荒野でも酸化せずに生きていることが出来ます。
こうしたホホバオイルの持つ酸化安定性は、人間の肌に塗った時にアンチエイジング効果としてあらわれます。
ホホバオイルはシミやシワの予防に役立つほか、新陳代謝を高めてくれるといわれています。
荒野でも生きていけるほどの保湿性
ホホバの自生する乾燥した荒野では、わずかな水も無駄にはできません。
そのため、ホホバは少ない水でも長期間蒸発させずに保持し続けることができます。
こうした保湿作用は、ホホバの固い殻や、ホホバオイルがあってこそ成り立ちます。
ホホバオイルは人間の肌に塗っても、高い保湿作用が期待できるのです。
ホホバオイルは肌質を選ばない
ホホバオイルは、どんな人間の肌にも塗れる唯一のオイルだと言われています。
肌の弱い人や、アレルギーに敏感な人の肌にも問題なく使用できるのもホホバオイルの魅力です。
ホホバオイルは植物の油であり、低刺激性であるため肌に塗っても痛みを感じません。
ホホバオイルの正体であるワックスエステルという成分は人間の肌にも20%~30%ほどの割合で含まれています。
植物由来でありながら人間の肌に近い成分なので、肌に塗っても刺激が少なく、すぐに馴染みます。
刺激の強いスキンケア用品は肌に合わない…と悩んでいる方には、ホホバオイルがおすすめできます。
心臓の潤滑油として使われる唯一の植物
ホホバオイルは人間の肌に近い成分で出来ているため、美容だけでなく医療の世界でも活用されています。
皮膚科では皮膚炎やアトピーの治療に、小児科では赤ちゃんのおむつかぶれや肌荒れの治療にも使われます。
また、驚くべきことにホホバオイルは現在見つかっている地球上全ての物質の中で唯一、人間の心臓の潤滑油として使用できることが分かっています。
ここまで人間の体と親和性の高い植物は他に無く、まるで人間のために用意されたかのような数々の効果・効能こそが、ホホバオイルが"奇跡のオイル"と呼ばれる理由です。
肌だけでなく髪にも良い!
もともと、アメリカなどではホホバオイルを整髪料として利用していました。
ホホバオイルは肌だけでなく、髪に塗っても素晴らしい効果を発揮するんです。
髪にホホバオイルを塗ると、頭皮にオイルが浸透し、毛穴の汚れを落としてくれます。
毛穴の汚れは抜け毛の最大の原因です。
定期的にホホバオイルで毛穴を洗浄すれば、抜け毛を防ぐことにもつながるのです。
また、ホホバオイルを塗った状態でヘッドマッサージを行うのも有効です。
ホホバオイルは皮膚を柔らかくする働きがあるので、抜け毛以外にもかゆみやフケといった頭皮トラブルを緩和してくれます。
まとめ
ホホバオイルは、ホホバという植物からとれたオイルです。
低刺激で人間の肌に馴染みやすく、それでいて高い抗酸化作用・保湿作用を発揮します。
ホホバオイルは植物のみを原料としたスキンケア用品なので、肌の弱い方でも安心して使えます。
アメリカの荒野を生き延びてきた驚きのパワーを持つホホバ。
その恵みである"奇跡のオイル"を、アナタの肌にも活かしてみてはいかがでしょうか。