グラボを2枚挿しすると性能は2倍にアップするのか?注意すべき点とは?
高スペックを要求するゲームやディスプレイの拡張などを検討する場合、高価なグラボを買うよりも2枚挿しで性能を2倍近くまで引き上げることができるのでしょうか?
果たして単純に性能がアップするのかどうか、またグラボの2枚挿しを行った時の注意点や副作用についてまとめてみました。
グラボの購入を検討している方は、ぜひチェックしてみてください。
目次
グラボの2枚挿しってどういうこと?性能は2倍になるって本当なの?
グラボはPCにおけるグラフィック処理に特化したパーツであり、搭載していれば高負荷のかかるゲームや動画処理などで大きく活躍してくれます。
またディスプレイを複数設置するためにも、グラボは欠かせないパーツと言えるでしょう。
そのグラボを2枚挿せば、グラフィックに関する性能は飛躍的にアップします。
これは「SLI」もしくは「CrossFire」と呼ばれる技術で、GPUが2つあることで処理を振り分けながら高速化を図るものとなっています。
そのためグラボを2枚挿しすると大きなメリットを受けられることになり、動きの激しいゲームやより美しく画面を映し出すためなど、ゲーマーにかなりおすすめの手法です。
2枚挿しで使うグラボは同じ製品じゃないといけないの?
グラボは大きく「NVIDIA」「AMD」の2種類に分けられます。
どちらも特徴が異なりますが、グラボとしての役割は変わりません。
しかしこれからカスタマイズで2枚挿しを検討しているのであれば、搭載させるグラボの種類を統一する必要があります。
すでにNVIDEA製を搭載しているなら、NVIDEA製のグラボを新たに取り付けなければならず、新たにAMD製グラボを購入しても性能を引き上げることは叶いません。
また品番も統一しなければならず、「GeForce1080」を使っているなら、新たにとりつけるのは「GeForce1080」に限られてしまいます。
メーカーは問わないため、グラボ2枚挿しを考えている方は何よりも注意しなければなりません。
グラボ2枚挿しは消費電力・発熱量も2倍に
グラボはPCに搭載していると、ケース内に熱がこもってしまい、CPU温度が上昇して壊れてしまう原因を引き起こします。
また高性能なグラボであるほど、消費電力も大きくなるため、電源も対応した製品を購入する必要性が出てきます。
もちろん、グラボを2枚挿しすることによってGPU処理が2倍になりますが、発熱量・消費電力も2倍になることを忘れないでください。
特に電源関連は疎かにしがちな部分で、2枚挿ししたらPCが動かなくなったという報告が多々上がっていますが、これは電源容量が不足している場合に多くなっています。
またグラボの発熱量にも十分気を配る必要があり、ケース内のエアフローや冷却性能を高めるための検討をしなければなりません。
PCの冷却性能を高めるおすすめの方法は?
PCケース内のエアフローをしっかりしても、熱はこもってしまいます。
熱をケース外へ逃がすための工夫も必要になりますが、そこで活躍してくれるのがケースファンと呼ばれるものです。
取り付け方法は簡単で、ほとんどの製品がネジでの4点止めとなっているため、難しく考える必要もなく取り付けることができます。
注意しなければならないのが、ケースファンには向きがあって「吸気」「排気」の方向が存在します。
両方とも必要なことですが、誤って吸気方向に取りつけてしまうと、熱をケース外に排出できないため、最も気を付けてほしい部分となります。
グラボを2枚挿せるだけのスペースはあるのか?
そもそもケース内にグラボを2枚挿せるだけのスペースがあるかどうかというのは、自作PCにおいて重要な問題です。
ケース内の空間に余裕があれば問題なく2枚挿しをしてだいじょうぶですが、サウンドカードなどでスロットを占有している場合、いずれかのパーツを取り外す必要が出てきます。
もちろん、使用しているケースが小さければ、物理的に2枚目のグラボを挿せなくなるという問題にも直面してしまいます。
予めケース内のスペースを確認し、空間に余裕があるかどうかや取り外して問題がないパーツがあるかどうかを確認しましょう。
ケーブルの配線にも気を配らなければならない
ケース内にゆとりがあって、2枚目のグラボを挿せるだけの空間があったとしても、次に直面するのはケーブル配線となります。
現状で各種ケーブルの長さにゆとりがない場合、そのケーブルの配線を外すなどの工夫が必要になってきます。
また補助電源を使用するグラボであれば、どこからケーブルを回してくるのかなどの工夫も求められます。
ケーブルマネジメントもケース内のエアフローに関わる問題ですから、しっかりと考えなければならない部分です。
グラボ2枚挿しでパフォーマンス低下の場合もある?
グラボを2枚挿せば、単純に性能が2倍近くになってグラフィック処理がスムーズに行われるようになります。
しかしこれは、利用するアプリケーションによっては性能が低下してしまう恐れもあります。
「SLI」もしくは「CrossFire」に対応していないアプリケーションが該当し、2枚挿しを検討しているなら、普段利用しているアプリケーションが対応しているかどうかを確認する必要があります。
2枚挿しではなく1枚挿しの方が良い場合もある?
グラボ2枚挿しの注意点などを押さえた後はいよいよグラボ選びとなりますが、使用しているグラボによってはハイエンド製品を新たに購入した方が性能が飛躍的に上がる場合があります。
コストパフォーマンスに優れている低価格のグラボを2枚挿すことによって、GPU性能はハイエンド製品に近づけることは十分に可能です。
しかし新たにハイエンドグラボ、例えば「GTX 980」といった製品を購入して取り付ければ、単体で3Dゲームを楽しむことができるでしょう。
もちろんコスパに優れたグラボを2枚挿せば、同じように高負荷のかかるゲームをストレスフリーで楽しめるようにはなります。
どちらが価格面で優れているのか、また将来的にハイスペックを要求するゲームをプレイする可能性があるのかなどを十分に考えてみてください。
ハイエンドグラボの2枚挿しで高性能ゲームPCに!
PCでゲームを思う存分楽しみたいという方であれば、ハイエンドグラボを購入することは外せません。
単体で納得のパフォーマンスを発揮してくれるため、一度購入すれば先の数年間は買い替える必要が無くなるでしょう。
また高負荷がかかるゲームであっても、ハイエンドグラボを2枚挿しすれば、これまで体感したことがないようなヌルヌル感でプレイすることも可能になります。
グラボは常に最新製品が発売されて、その都度ハイスペック化が行われています。
しかしハイスペックグラボを所有することで毎回買い替える必要性が無くなり、市場の動向を気にする必要もなくゲームに集中できます。
またハイエンドグラボを2枚挿せば性能が2倍近くに挙げることができることから、新たに購入するのを同じ製品にするだけで、最新グラボに匹敵する性能を手に入れることも可能となります。
2枚挿し(SLI)におすすめのグラボ
ASUS STRIX-GTX1080-A8G-GAMING
2枚刺し(SLI)の実績も多く、価格もこなれてきており、2枚挿しに一押しのグラボです。
1ヶ月半程、A8Gを2枚(SLI)で使用しています。
WQHD(2560×1440) 60Hzでゲームプレイしています。
最近はBattle Field 1、Rise of Tomb Raiderあたりをメインで遊んでいます。
室温20℃、グラフィック最高品質設定でGPU Max.温度は上段62〜65℃、下段45〜64℃。
フルHDやWQHDであれば、ファン回転数は低いので結構静音です。
まとめ
グラボの2枚挿しによって、GPU性能を2倍近くに引き続き上げることは可能ですが、それにあたって考えなければならない問題はいくつか存在します。
また新しくハイエンドグラボを1枚購入するだけで事足りる場合があるため、何が最適なのかをしっかりと見抜いてから作業するようにしましょう。
もちろん最終形はハイエンドグラボを2枚挿すことですが、それはかなり費用がかさんでしまいます。
最も大事なのは、自身がPCで何をしたいのかということで、それが分かれば答えは自ずと見えてくるはずです。