ベールを脱いだGTX1180の正体はRTX 2080だった!スペックと製品の展開をチェック!
以前からリーク情報がいろいろと錯綜していたGTX1180ですが、ついにその詳細が発表されました。
何とその正体はGTX1180ではありませんでした。
その名も「RTX 2080」というものだったのです。
またリーク情報は不正確なもので、実際は肝心なところが抜け落ちていました。
今回はそのあたりも含めてRTX2080についてみていきましょう。
リーク情報との比較
これまでGTX1180としてリークされてきたものと、正式に公開されたRTX2080のスペックを比較してみましょう。
海外の有力なメディアwCCftechが4月に公開したGTX1180のスペックは以下のようになります。
◆GTX1180(リーク)
- シリーズ:Turing/Volta
- 製造プロセス:12nm FinFET
- GPU:GT104/GV104
- Cudaコア数:3584
- コアクロック:1405/1582 MHz
- ブーストクロック:-1800MHz(期待値)
- メモリ:16GB GDDR6
- メモリインタフェース:256bit
- メモリ速度:12Gbps
- メモリバス帯域:384GB/s
- 消費電力:200W
また、実際のRTX2080のスペックは以下の通りです。
◆RTX2080
- シリーズ:Turing
- 製造プロセス:12nm NFF
- GPU:TU104
- Cudaコア数:2944
- コアクロック:1515MHz
- ブーストクロック:1710MHz-1800MHzOC
- メモリ:8GB GDDR6
- メモリインタフェース:256bit
- メモリ速度:14Gbps
- メモリバス帯域:448GB/s
- 消費電力:215W
全体的にみて当たらずとも遠からずといったところ。
実際にはCudaコア数とメモリはリーク情報よりも少ないようです。
ですがメモリ速度とメモリバス帯域は実際の方が多い形となりました。
また消費電力は近年の省電力傾向にあるグラフィックボード市場からするとやや高めといえるかもしれません。
マイニング用GPUというわけでもない
情報がリリースされる以前に「Turingはマイニング用のGPUかもしれない」という噂が流れたことがあります。
まずTuringが計算機を生み出した父ともいえるアラン・チューリング氏に通ずるものがありますし、仮想通貨のマイニングがグラフィックボードの高騰を招いたこともあるからです。
ただこの噂は単なる噂であって見事に外れました。
確かにこのグラフィックボードをマイニングに使うこともできるかもしれませんが、特にマイニングに特化した性能を有しているわけでもありません。
どちらかというと正統な進化を遂げた製品といえるでしょう。
マイニングの噂はRTX2080にとって関わりの薄いものなのでした。
3つのモデルを同時に発表
NVIDIAはRTX2080のみならず他の2製品も同時にお披露目しました。
3つの製品の名称と税抜きの参考価格は以下の通りになります。
- GeForce RTX 2080 Ti:1199ドル
- GeForce RTX 2080:799ドル
- GeForce RTX 2070:599ドル
1つずつその立ち位置をみていきましょう。
まずGeForce RTX 2080ですが、これは冒頭から述べている通りついに正体が明らかになったGTX1180のことです。
いわばこの製品を中心として他の2製品が展開されているイメージといっても良いでしょう。
GeForce RTX 2080 Tiというのは、RTX 2080よりも性能が僅かに良い製品となります。
それなら名称を「2090」としてリリースすれば良いようなものですが、Tiにはきちんとした意味があるのです。
Tiは「Titanium」の略称で、末尾が90の製品は特殊なデュアルGPUタイプのものを指すため「2080より性能が良いこと」を示すには「Ti」をつけざるを得ません。
なおTiよりも性能が高く、命名するのが困難なときには「Boost」という言葉が使われたりします。
最後に残ったGeForce RTX 2070はいわばRTX 2080の廉価版に位置する製品です。
といっても性能も価格も十分すぎるほど高く、ランクとしてはミドルレンジの上位及びハイエンドの下位といったところ。
新世代のアーキテクチャを備えているためハイエンドに位置すると考えた方が妥当かもしれません。
それなりに価格は高め
当然のことながら、性能が高ければ高いほど高価になります。
RTX 2080 Tiともなると1199ドルとお手軽とはいえない価格設定といえるでしょう。
またRTX 2080でも799ドルしますし、廉価版と言ってもRTX 2070でさえ599ドルはします。
お安い買い物ではないので熟考すると良いでしょう。
各ベンダーも続々参入
NVIDIAからの発表を受けて様々なベンダーも製品を発表するようになりました。
まずは大手のMSIが「GeForce RTX 2080 Ti GAMING X TRIO」と「GeForce RTX 2080 GAMING X TRIO」のリリースを表明しています。
RTX 2080とRTX 2080 Tiをそれぞれ搭載している形です。
InnoVISIONは「GeForce RTX 2080 Ti iCHILL BLACK Edition」を発表し、これは液冷クーラーを搭載した特殊なもの。
液冷にこだわる方は検討をおすすめします。
またASUSも以下の製品群を発表しました。
- ROG-STRIX-RTX2080-O8G-GAMING:3連ファンを搭載
- DUAL-RTX2080TI-O11G:2連ファンでメモリが11G、TIを搭載
- DUAL-RTX2080-O8G:2連ファンでメモリが8G
- TURBO-RTX2080TI-11G:外排気に対応したTI搭載バージョン
それからZOTACは以下の製品群を発表しています。
- ZOTAC GAMING GeForce RTX 2080 Ti AMP:クロックアップした3連ファンのTI
- ZOTAC GAMING GeForce RTX 2080 AMP:クロックアップした3連ファン
- ZOTAC GAMING GeForce RTX 2080 Ti Triple Fan:3連ファンのTI
これから時間が経てばもっと色んな製品が登場するはずです。
製品の名称の見方
グラフィックボードの製品は長い名称のものが多いため良く分からない印象を受けるかもしれません。
先述したものを参考にして読み方をみていきましょう。
MSIの発表した「GeForce RTX 2080 Ti GAMING X TRIO」をみていきます。
まず「GeForce RTX 2080 Ti」はGPUを指しています。
次の「Geming X」はMSIの製品のシリーズ名で、最後の「TRIO」は恐らく3連ファンを表しているといえるでしょう。
他の製品群も大体同じようなもので、GPU名称に自社の名前や自社シリーズの名称などを冠している形です。
最新のゲームの世界を体験するならゲットしておきたい製品
GeForce 2080 RTXは間違いなく最新のグラフィックボードです。
最新のゲームを楽しみたいなら手に入れておくべきパーツといえるでしょう。
次世代のグラフィックボードが開発されたとしてもしばらく使っていける性能も有しています。
新しいゲーム表現の世界
RTX 2080は単純にスペックの高いグラフィックボードというわけではありません。
革新的なパーツを備え、レイトレーシングという描画方法に対応するようになりました。
レイトレーシングによるゲーム表現はもしかしたらこれからのゲーム世界を一新することになるでしょう。
新しいゲームの世界を覗きたい方におすすめの製品です。
まとめ
GTX1180改めRTX 2080についてみてきました。
色んな憶測が飛び交った製品ですが、フタをあけてみれば真っ当に進化したグラフィックボードといえるでしょう。
開発元のNVIDIAの発表と共に各ベンダーも続々参入しているので今からでもチェックしておくと良いかもしれません。
またRTX 2080の他にRTX 2080 TIやRTX 2070という製品も発表されています。
次世代のゲーム表現に、一石を投じるであろうレイトレーシングによる表現を体験したいなら、手に入れておきたい製品です。