初心者には必要ない?ビンディングシューズに履き替えるべき時期とは

ビンディングシューズ

SHIMANO(シマノ) SPDシューズ 42.0/26.5cm ブラック SH-CT71L

ロードバイクに乗っていると、いずれは「そろそろビンディングシューズが必要かな…?」と悩む時期があると思います。

なかには初めてロードバイクを買ったその日にビンディングシューズも買い揃えてしまうという方もいるでしょう。

では実際、ビンディングシューズはロードバイク乗りにとってどれくらい必要なものなのでしょうか。

今回は初心者が悩みがちな、ビンディングシューズの必要時期についてまとめてみました。






そもそもビンディングシューズとは

プロのサイクリストなら必ず履いているといっても過言ではない「ビンディングシューズ」。

ビンディングシューズは靴底に「クリート」と呼ばれる金具がついた特殊な靴で、ロードバイクを漕ぐ力をペダルに伝わりやすくするために使用されています。

クリートは専用のビンディングペダルに固定され、乗り手は足をペダルと一体化させた状態でレースを行います。

平たく言えば、ビンディングシューズは人間と自転車をくっつけてしまうための靴であるといえます。

ビンディングシューズを履いていると、ペダルに体重をかけることなく足を回転させることができるため長距離のレースでも疲れにくくなります。

また、引き足でもペダルに力が加わるため、小さな力でも効率的にロードバイクを進めることが可能になるのです。

ロードバイクに乗るときに必ず必要なシューズというわけではありませんが、本格的な大会に出場するサイクリストはほとんどがビンディングシューズを着用しています。

レースが長距離になるほどビンディングシューズは効果を発揮するため、ビンディングシューズを履いているのと通常のスポーツシューズを履いているのとでは大きく差がついてしまうことでしょう。

今やプロのサイクリストの世界で、ビンディングシューズの存在は必要不可欠なものになりつつあります。






ビンディングシューズを履く意味

ではここで、プロのサイクリストがビンディングシューズを履く意味をおさらいしてみましょう。

ビンディングシューズは、ロードバイクを「効率よく進める」ために生まれたシューズです。

通常の靴でペダルを漕ぐと、足を踏み込んだときにだけ力が加わります。

しかしビンディングシューズはペダルと一体化しているため、足を引いたときにもペダルが回るのです。

極端な言い方をしてしまえば、普通の靴は「ペダルを片足で漕いでいる」ようなもので、ビンディングシューズを履いているときは「両足でペダルを漕いでいる」のです。

両足に負担を分散させることができるため、長距離のレースでも疲れにくくなるというわけです。

ビンディングシューズに履き替える時期について迷っている方は、このようなビンディングシューズを履く意味をしっかり理解しましょう。

ただロードバイクに乗るだけなら通常のスニーカーでも問題ありませんが、多くのサイクリストがわざわざビンディングシューズに履き替えるのにはワケがあります。

以下の項目で、ビンディングシューズを履くメリットとデメリットについて詳しくまとめておきます。

ビンディングシューズを履くメリット

ビンディングシューズを履くメリットとして一番大きいのは、疲労を最小限に抑えることです。

ロードバイクのレースは超長距離を走ることも多いため、どれだけ体力を維持しつづけるかが勝利の鍵になります。

その点、引き足でもペダルに力が加わるビンディングシューズは消費体力の削減に大いに役立つでしょう。

また、ペダリングの安定度が増すために坂道が登りやすくなるのもビンディングシューズの特徴です。

長距離のレースで疲労が蓄積してくると、ペダルから足を踏み外してしまうという場面も増えてきます。

しかしビンディングシューズを履いていればペダルと一体化しているので足が滑る心配はありません。

そのためペダルの踏み外しが起こりやすい上り坂でも安定したペダリングが可能になるのです。

総じて、ビンディングシューズを履くことには「ロードバイクの安定性を上げる」というメリットがあると言えるでしょう。

ビンディングシューズを履くデメリット

疲れにくくなる、安定性を上げる、坂道を上りやすくなる…などなど、一見イイコトづくめのビンディングシューズですが、不用意に使うとデメリットも生じます。

最も大きなデメリットとして、ビンディングシューズは「慣れていないと転倒の危険性が高い」というものがあります。

まだビンディングシューズを使ったことの無い人は想像してみてください。

ロードバイクに乗っていて、転びそうになったらどう対処しますか?

大抵の人は咄嗟に足をペダルから離し、地面に足を付けることで転倒を防止しますよね。

しかしビンディングシューズを履いていた場合、足はペダルに固定されているため、咄嗟に地面へ足をつけることができません。

つまり、自転車ごと転ぶしか無いのです。

もちろん練習して使いこなせるようになれば転倒の心配は少なくなります。

個人差はありますが、数日間ビンディングシューズを履いて練習することで「転んでも足を出すことは出来ない」と体で覚えれば危険性は低くなります。

ビンディングシューズを履くためには、必ず転倒の危険性について考慮する必要があるといえるでしょう。

ビンディングシューズは初心者には必要ない?

ビンディングシューズはプロのサイクリストにとって大切な役割を果たす靴です。

では、ロードバイクに乗り始めたばかりの初心者にとってはどうでしょうか。

ビンディングシューズはロードバイクの走行性を高めてくれる有用なものですが、初心者がいきなりビンディングシューズを履く必要があるかというと…実は絶対に必要とは言い切れません。

ビンディングシューズはある程度ロードバイクに慣れてきてから履き替えるのがおすすめです。

というのも、初心者がビンディングシューズを履くことには一定のデメリットも生じてしまうからです。

もちろんメリットもありますが、まずは自分の基礎能力を上げることに尽力することが必要です。

初心者はまずロードバイクの特性を理解し、きちんと乗りこなせるようになってからビンディングシューズを買うと良いでしょう。

形から入るのも悪くありませんが、ビンディングシューズは決して安いものでは無いため、使いこなせないと宝の持ち腐れになってしまいます。

初心者がビンディングシューズを履くメリットもある

ロードバイク初心者がいきなりビンディングシューズを用意する必要はありません。

しかし初心者の時点からビンディングシューズを履くことにはデメリットしか無いのかと言えば、そういうわけでもありません。

はっきり言って、ビンディングシューズを使いこなすのにはある程度の練習が必要です。

これは初心者だろうが、ロードバイク歴5年の方だろうが同じです。

ノーマルのロードバイクと、ビンディングペダルのついたロードバイクは全く別の乗り物だと考えても良いくらいです。

最初からビンディングシューズを使ってロードバイクに乗ると、慣れるのはある程度早くなるでしょう。

通常ペダルのロードバイクに慣れすぎたことで、なかなかビンディングペダルに変えられないという方の話も聞きます。

「ロードバイクはこういう乗り物だ」と始めから覚えてしまうことで、ビンディングシューズに切り替える違和感を抑えられます。

ただし、これはある程度自転車に乗る技術のある方のみが実行できる方法です。

自転車に乗れないのにいきなりロードバイクに乗る方はそうそう居ないとは思いますが、肝心のロードバイクがフラフラと安定していない状態でビンディングシューズを履いても転倒の危険性が増すだけです。

普通のシューズでロードバイクを漕いでもほとんど転ばない自信がある方なら、いきなりビンディングシューズを使ってみるのも良いでしょう。

ビンディングシューズが必要になる時期は

ロードバイクは、普通の自転車とは多少乗り心地も異なります。

そのため、初心者はビンディングシューズ以前にロードバイクを乗りこなせるよう練習をする必要があります。

ビンディングシューズはロードバイクの走行性を高めてくれますが、同時に転倒の危険性も増すのでロードバイクに乗るのが下手であれば、まずは普通の靴で練習したほうが良いでしょう。

では、最初は普通の靴でロードバイクに乗っていた方がビンディングシューズに履き替えるべき時期とはいつくらいなのでしょうか。

ビンディングシューズに履き替える時期は各々のペースによって異なりますが、ひとつの目安として「本格的なレースに出る時期」にビンディングシューズを買うのがおすすめです。

そもそもビンディングシューズは長距離の走行に役立つサポート用品であって、普段使いの靴とは用途が根本から異なります。

例えばバッシュやランニングシューズといった他のスポーツ用シューズは普段使いの靴と併用することも可能ですが、ビンディングシューズは底に金具があって曲がらないため普通に歩行するには不向きです。

つまり、ビンディングシューズはロードバイクで長距離を走行するとき以外には役立たない一点特化型の靴なのです。

通勤通学などにロードバイクを使用する人もいますが、ビンディングシューズを履いていると日常生活が困難になります。

普段使いのロードバイクならスニーカーのほうがよっぽど安全なため、レース以外の用途でロードバイクに乗る人にとってビンディングシューズは不必要なのです。

ビンディングシューズの真価は、数十キロ数百キロと走行したときに発揮されます。

そのためビンディングシューズに履き替えるのは、本格的なレースに出ることが決まってからでも遅くないのです。

いきなり履き替えるのは危険!まずは練習が必要

ビンディングシューズに履き替える時期の目安は「本格的なレースに出る時期」がおすすめです。

しかしビンディングシューズを履きこなすためには練習が必要不可欠です。

レース当日にぶっつけ本番で使うことはできないことを覚えておきましょう。

ビンディングシューズは慣れていないと転倒時の受身が取れません。

プロでも転倒することがあるくらいなので、初心者なら尚更、きちんと練習してから本番に臨みましょう。

しっかりと練習を重ねてビンディングシューズに慣れたときこそ、乗り手はビンディングシューズの機能の高さを引き出すことができるはずですよ。

まとめ

今回は初心者がビンディングシューズを使い始める時期について詳しく説明しました。

まとめると「長距離のレースで疲労削減や走行性の向上に役立つが、転倒の恐れもあるため初心者が無理に使う必要はない」ということでした。

ただし最初からビンディングシューズを使うことで切り替え時の違和感を減らすこともできるため、使い始める時期によっても一長一短があると言えるでしょう。

どの時期からビンディングシューズを履き始めるのかは個人の自由ですが、いずれにしても安全に考慮して練習を重ねてから使用する必要があります。