格安ミニベロでPL保険加入は怪しい!
自転車を含め工業製品を購入する際に多くの方は、メーカー保証を気にする筈です。
メーカー保証の多くは、基本的に1年保証となっていますが明らかに、『設計上または製造上の瑕疵』があった場合は、保証期間外でも保証対象になります。
その他、PL法(製造物責任)があり、消費者は不良品による事故による損害賠償を請求することが可能です。
しかし、昨今格安ミニベロやロードバイクを含む自転車で『PL保険加入』を謳う商品が増えています。
PL保険加入済み…実は危険!
さて、消費者の多くはメーカー保証がある場合、安心して商品を購入すると思います。
しかし、本当に安心して購入できるかはメーカー保証よりも、設計耐用年数で判断するのが重要です。
メーカー保証の1年間というのは非常に安全率を見たものであり、商品引渡後の責任分解を明確にするメリットもあります。
どのような使用方法をするかは購入者毎に異なるため、すべての購入者をカバーすることは困難です。
そのため、メーカー保証は、あくまで無償修理とメーカー責任と考える基準です。
一方、PL法は異なり、メーカーでの出荷後または消費者への引渡後から10年まで適用されます。
そのため、万が一の場合に備えたPL保険がありますが、格安ミニベロでPL保険を適用することは困難です。
そもそも、適用基準や保険料が非常に高いです。
たかが、20,000円以下のミニベロでPL保険に加入するのは、コストパフォーマンスが非常に悪いです。
PL保険には厳しい基準と物凄い保険料!
そもそも、PL保険を適用するためには、PL法に適合した設計管理と製造工程管理、そして品質管理が要求されます。
基本的に設計記録や製造記録、検査記録は最低10年は保管する義務があります。
格安ミニベロで、20,000円以下の商品にここまでコストを掛けるのは非常に難しい部分があります。
また、PL保険に加入するためには公的認証機関の品質管理基準を満足する必要があります。
格安ミニベロやロードバイク、そしてクロスバイクなどを製造する国は基本的にアジア圏に集中しています。
最近は、台湾や中国が主流です。
これらの製造工場が、ISO認証工場またはJIS認証工場かというと答えは『NO』です。
認証を維持するだけでも年間数百万円のコストが掛かり、検査設備や製造記録の管理を含めると莫大なコストが掛かります。
また、PL保険は万が一の保険であり、重大な事故が発生した場合は、購入者全員に保証が出来ようされます。
そのため、年間の保険料もものすごく高いです。
保険料は製造商品に異なるため、大手自転車メーカーがOEM生産を委託しない限り、製造工場にはデメリットでしかありません。
PL法は商品引渡後、10年の期間!
さて、PL法が適用されるのは品引渡後、10年が基本です。
すなわち、製造ロットを考慮した場合、最低でも11年間は製造記録や検査記録を管理する必要があります。
製造記録の管理や検査記録の管理は、現在では電子データによるものが主流です。
しかし、これはあくまで電子データの改ざんが出来ないことが条件です。
そのため、PL保険の適用がされるかは非常に厳しい審査となります。
また、今から10年前となると製造記録の保管不備などが確実にあります。
PL法が1995年7月から施行された日本ですら、お粗末な状態があり、PL保険が適用されないことがあります。
格安の中華ミニベロがPL保険適用対象にはなりません。
そもそも、輸入業者は製造者ではないので、同じミニベロでもPL保険加入となっていないことが非常に多いです。
PL保険加入と大げさに広告する商品は購入しないことをおすすめします。
ミニベロに適用される可能性は?
さて、格安ミニベロにPL保険が適用されるかは輸入業者の力量に掛かっています。
しかし、前談でも申し上げましたが、輸入業者はPL法が適用されることはありません。
そもそも、製造者ではなく、供給者です。
つまり、供給責任は問われるものの賠償請求をメーカーにするだけです。
基本的に格安ミニベロの多くはPL保険が適用される可能性はほとんどないということになります。
まとめ
筆者自身、自転車が趣味でありミニベロにも非常に興味があります。
しかし、職業が製品の品質保証が日常業務のため、この手の誇大広告には非常に注意しています。
特に、悪質な輸入業者の場合は、消費者をあの手この手で誘ってきます。
消費者が知っているような単語で美味しい誘いをします。
ミニベロを含めPL保険が適用されると謳う商品は、トラブルが多いので購入しないのが一番おすすめです。