GPSサイコンはサイクリングをどれだけ変えるのか? 見逃せない3つの便利な機能

サイコン(サイクルコンピュータ)

GARMIN(ガーミン) EDGE 820J 日本語版 GPSサイクルコンピューター(センサー類付)

趣味でサイクリングを楽しんでいる人も、トレーニングやダイエット目的で自転車を利用している人でも、速度や走行距離などが表示されるサイコン(サイクルコンピュータ)があれば何かと便利なものです。

GPSタイプのサイコンは従来のスピードセンサー型より価格が高くなりますが、それだけ豊富な機能が実装されています。

GPSサイコンを導入することでサイクリングがどう変わるのか、3つの機能に注目しながら解説していきます。



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走行距離の測定方式による違い

最近のサイコンはさまざまな機能が盛り込まれるようになりましたが、速度や走行距離の表示機能は基本中の基本です。

従来のサイコンは速度や走行距離を測定するのに、スピードセンサーと呼ばれる装置を使用していました。

自転車のスポーク部に装着したマグネットをセンサーが感知し、検出された単位時間ごとの回転数から速度と距離を測定する仕組みです。

センサーとサイコン本体との接続方式には有線式と無線式の2種類がありますが、現在は配線不要の無線式が主流となっています。

GPSサイコンにはこのスピードセンサー自体を必要とせず、衛星測位システムを使って速度や走行距離を算出するのが特徴です。

GPSシステムの利用にはどうしてもコストがかかるため、このタイプのサイコンはセンサー方式の製品と比べて価格帯が全般に高くなります。

GPSサイコンの距離精度

センサー型のサイコンは自転車の速度や走行距離といった基本データを測定するのに、アナログ的な手法を採用した方式だと言えます。

あらかじめ正確なホイール周長を測定した上でサイコンに設定してさえいれば、タイヤ摩耗や空気圧低下の影響による大きな誤差が生じない限り、走行距離の測定値精度も相当に高いのがアナログ方式の利点です。

一方のGPSサイコンは衛星との通信が途切れたりすると測定値が正確でなくなり、誤差が生じやすいとも言われてきました。

通信する衛星の数が少ないほどそうした誤差が大きくなりますが、最新のGPSサイコンではアメリカ合衆国のGPS衛星だけでなく、ロシアのGLONASSや日本のみちびきなど複数の衛星を利用しています。

受信可能な衛星の数が増えるほど距離の精度が正確になり、センサー方式に負けない測定精度が実現されるのです。



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ナビ機能があれば知らない道でも安心

サイクリングを楽しんでいる人の中でも中級者以上になると、100kmを超えるようなロングライドに出かける機会も多くなってきます。

通勤や日常的な買い物などで自転車を使う場合と違って、そうした長距離走行では知らない道を走るようなケースも想定しなければなりません。

そんなときでもナビ機能を備えたGPSサイコンを自転車に設置していれば、道に迷う不安が解消されるため安心です。

GPSサイコンでも廉価版の機種ではナビ機能が省かれていますが、中位機種クラスになると簡易ナビ機能が実装されています。

簡易ナビ機能だと地図が表示されずルート表示されるだけとは言え、目的地の方向を指示する機能があるのとないのでは、地理不案内の道を走る上で大違いなのです。

GPSサイコンの上位機種はカーナビ並みの機能

GPSサイコンでも上位機種になるとナビ機能も本格的になり、カーナビと同様にカラーで地図が表示されるようになります。

最近ではスマートフォンのアプリをカーナビ代わりに利用しながら、サイクリングを楽しんでいる人も少なくありません。

そのような人はサイコンを購入するに当たっても、ナビ機能をそれほど重視しない傾向が見られます。

とは言っても自転車走行中にスマートフォンをナビ代わりに使用する場合は、現在地や方向などを確認するのにスマホをいちいち取り出すのが面倒なものです。

そういう使い方をしているとスマートフォンのバッテリー消耗も問題になってくるため、自転車に装着した状態で地図が常時表示されるGPSサイコンの方が便利だと言えます。

走る楽しみが倍増する走行ログ機能

センサー型にはないGPSサイコンならではの機能として、ナビ機能の他にも走行ログを記録できる機能が挙げられます。

GPSで計測した位置情報に基づく速度や走行距離などのデータは、走行ログとしてサイコンに記録することで走りを分析したりすることが可能になってくるのです。

速度や距離だけでなく高度データやクランク回転数を示すケイデンス、心拍数などを走行ログに記録できるGPSサイコンもあります。

そうしたデータを参照すれば体調面を考慮しながら、条件に応じた走りを検討することも可能になってきます。

GPSサイコンの走行ログ記録は、走る楽しみを大きく拡大してくれる機能なのです。

フィットネスアプリとの連携も可能

サイコン本体に走行ログを記録する方式だと記録容量に限りもありますが、多くのGPSサイコンではスマートフォンとの連携が可能です。

スマートフォンを通じてさまざまなサイクリング情報サービスやフィットネスアプリと連携すれば、記録容量が拡大できるだけでなく他のサイクリストとデータを比較するような使い方も考えられます。

自分の走行能力がどれくらいなのか、他のサイクリストがどのような走りをしているのかが判明すれば、モチベーションアップにもつながっていくものです。

自転車を漕ぐ動力を測定するパワーメーターは安価な機種でも数万円する高価な製品ですが、自動的にパワー計算をしてくれるサイクリング情報サービスやフィットネスアプリもあります。

もちろんスマートフォンでもStravaなどのアプリを使用することで同様の機能は実現可能とは言え、ナビ機能と同様にバッテリー消耗の問題も無視できません。

GPSサイコンには大容量のバッテリーが使用されてるため持続時間が長く、連携するフィットネスアプリも安心して利用できるのです。

勾配表示が可能な点もGPSサイコンの特長

GPSを使ったサイコンなら高度や獲得標高・勾配・気温といったデータも計測可能で、分割された画面にそれらの情報がリアルタイムで表示されます。

特に勾配データ表示はヒルクライムレースやトレーニングを行うのに必須の機能です。

長距離走行ではケイデンスやパワーに関するデータだけでなく、アップダウンの大きいコースを走る上で勾配データも重要になってきます。

レースに出場するような選手でなくても、山地などを走行する場合に現在の勾配がどれくらいなのかをサイコンで常時確認できれば、走りにも余裕が出てくるものです。

ガーミンのEdgeシリーズがGPSサイコンの人気機種

以上のような機能を兼ね備えたGPSサイコンが各メーカーから発売されていますが、中でも人気を集めているメーカーはガーミンです。

アメリカのGPSメーカーとして知られるガーミンは自動車用GPSナビゲーションやランニングウォッチなど、さまざまなGPS機器を発売してきました。

GPSサイコンのラインナップとしてはEdgeシリーズを展開しており、ガーミンのブランドはサイクリストの間でも憧れの対象とされています。

最上位機種のEdge1030から廉価版のEdge25までがラインナップされているEdgeシリーズの中でも、特におすすめなのがEdge820JとEdge520Jです。

地図表示機能に加えてグループトラック機能や事故検出機能などの新機能を備えた上位機種のEdge820Jだけでなく、簡易ナビ機能を備えたEdge520Jも基本性能は820Jと変わりありません。

エントリークラスのEdge130も簡易ナビなどの機能は充実していてコストパフォマンスが高く、GPSサイコン初心者におすすめです。

まとめ

GPSサイコンは一般的なセンセー方式よりどうしても価格が高くなりますが、走る楽しみを大きく拡大させてくれることを考えると、買うだけの価値は十分にあります。

単体で2万円台クラスのエントリー機種であっても、GPSサイコンの便利さを実感するには十分です。

GPSサイコンは単に速度や走行距離を表示するだけの道具ではなく、自転車を大きく進化させるためのツールとなってきているのです。