肌の不快な症状別に考えた入浴剤の効能や効果的な入浴方法について
肩こりや腰痛、疲れや冷え性などで身体に不調を感じるといった悩みを持っている人は多いと思います。
そのような症状で困っている人におすすめなのが入浴剤です。
毎日の入浴でそういった不調が改善されるとしたら、とても有難いことですね。
そこで不快な症状別に、有効な入浴剤について、その効果や特徴をご紹介していきます。
疲れが溜まって体がだるい
考えられる原因
- 長時間労働が原因で体力の消耗による疲労感。
- 頭を一定期間フル活動させたために起こる疲労感。
- 人間関係によるストレスから引き起こされる精神的、身体的な疲労感。
- 休日に家族サービスなどで体力を消耗したことによる疲労感。
- ダイエット中で体力が落ちている時期に無理な作業をしたために起こる疲労感。
効果が期待できる入浴剤の成分と特徴
●炭酸カルシウム
炭酸カルシウムは、温浴効果を高めて血行を促進する働きを持っているため、体の芯まで温めます。
また、肌の表面に保温ベールを作るので、保温効果が高く、疲労回復に役立ちます。
●炭酸ガス
炭酸ガスは、お湯に溶けると末梢血管を拡張して、血流量を増加させる働きがあるため、血行が促進され、疲労回復に効果的です。
効果的な入浴方法
38度~39度くらいの「少しぬるいかな」と感じるくらいのお湯に、少し長めにくつろぎながら浸かると効果的です。
また、浴槽内で足首のストレッチや、足裏のツボを押して刺激することも疲労回復に有効です。
入浴で上がった体温は一時間ほどかけて下がっていき、良い睡眠へと繋がるので、就寝前の一時間半前くらいに入浴することをおすすめします。
腰痛、肩こり
考えられる原因
- 重い荷物などを運んで腰に負担をかけたことによる痛み。
- 立ち仕事などで腰に負担をかけたことによる痛み。
- 介護などで前かがみの姿勢になることが多いために、腰に負担がかかったことが原因の痛み。
- 運動不足で筋肉が弱っている時期に無理な作業を行ったために起こる痛み。
- デスクワークや車の運転などで同じ姿勢を続けたことで、肩の筋肉が緊張した状態による痛み。
- 姿勢が悪いため、肩甲骨が固まった状態になったことが原因の痛み。
効果が期待できる入浴剤の成分と特徴
●硫酸マグネシウム
お湯に溶けた硫酸マグネシウムは、血行や新陳代謝を促進させ、筋肉の緊張をやわらげます。
そのため、固く緊張した腰や肩の筋肉をほぐし、痛みを改善させる効果があります。
●塩化カリウム、芒硝
血行を促進させて、体を芯まで温めます。
また、肌表面に保温ベールを作るため、温かさが持続して筋肉の痛みをやわらげる効果があります。
●炭酸ガス
温浴効果を高めて、血行促進に役立ち、筋肉の痛みをやわらげます。
効果的な入浴方法
40度以下のお湯にみぞおち辺りまで浸かり、10~30分を目安に、じんわり汗がでるくらいまで温まります。
肩こりの場合は、上半身を動かしてストレッチをしながら入浴するのも効果的です。
湯上りに、腰や肩の痛む部分に45~50度の熱めのシャワーをかけると、より血行がよくなって、痛みをやわらげます。
冷え性
考えられる原因
- 筋肉量の少なさや筋肉の動きが少ないことが原因で、血行が悪くなるために起こる末端冷え症。
- 真冬に屋外で作業したり、エアコンのかかり過ぎなどといった、環境の影響によって体が冷えた状態の冷え性。
- ホルモンバランスの乱れによって、血行不良となったことが原因の冷え性。
- 自律神経の乱れによって、血流がわるくなったために引き起こされた冷え性。
- 加齢に伴う基礎代謝の低下により、血行が悪くなって引き起こされた冷え性。
効果が期待できる入浴剤の成分と特徴
●食塩
食塩には、毛穴の皮脂や汚れを取り除いて発汗を促す効果があります。
そのため、体内の老廃物を排出させるデトックス効果とともに、体の代謝を上げる働きがあるので、冷え性の人におすすめします。
また、殺菌、抗菌作用があるので、体臭や加齢臭、わきがなどの抑制効果もあります。
●炭酸ガス
皮膚から侵入した炭酸は、血管を拡張させる働きがあり、血流量を増やすため冷え性に効果があります。
また、炭酸ガスの効果によって、さら湯よりも2倍の速さで体を温め、冷めにくくします。
●生薬
ウイキョウ、カモミール、オウバク、ケイヒなどといった薬用植物から採取できる生薬は、冷え性に効果があります。
●ショウガオール
生姜を食べることで、体を温める効果があるのと同じように、生姜の辛み成分を入浴剤に配合することで、体を温める効果を得られます。
●パインニードルオイル
松からとれる松葉油のことで、保温効果に優れており、冷え性改善効果があります。
また、保湿効果も高く乾燥肌を防ぎます。
効果的な入浴方法
40度くらいのお湯をたっぷりとはった浴槽に肩まで浸かり、10~20分を目安に、しっかり温まりましょう。
全身浴が苦手な人は、5分程度肩まで浸かったあと、お湯をみぞおち辺りまで抜いて半身浴にしても良いでしょう。
肌荒れ、ニキビ、湿疹
考えられる原因
- 肌が乾燥することによって引き起こされる肌トラブルによるもの。
- ストレスによる自律神経の乱れで血流が悪くなり、栄養分が行き届かなくなったため。
- ストレスによって脳内液の分泌が乱れ、内臓機能が低下することで引き起こされる。
- 生理前や出産後、更年期などにホルモンのバランスが乱れることで肌荒れやニキビが起こる。
効果が期待できる入浴剤の成分と特徴
●ミョウバン
ミョウバンは殺菌効果があるため、あせもや、アトピーにも良いとされています。
体のニオイをとる働きもありますが、他にも収れん作用によって毛穴が塞がり、肌をひきしめるため、美肌効果も期待できます。
●セラミド
もともと人間の肌の角質層に存在する成分ですが、加齢や体質の変化などで減少してしまうことで、肌の水分や油分が失われて乾燥肌となり、肌トラブルの原因となるため、セラミド入りの入浴剤を使用することで改善が期待できます。
●シアバター
ステアリン酸とオレイン酸を主成分とするシアバターは、保湿効果と抗菌作用があり、肌の保護力に優れています。
●ヒアルロン酸
もともと人間の体内に存在しているヒアルロン酸は、肌のハリやツヤを保つ役割をしていますが、加齢とともに減少してしまうことで乾燥肌となり、肌荒れの原因になります。
このヒアルロン酸が配合されている入浴剤を使って、肌に潤いを補うことで、若々しい肌を保つ効果があります。
効果的な入浴方法
肌がふやける程の長風呂はさけて、目安として40度くらいのお湯に10分程度つかると良いでしょう。
40度以上の熱い温度の風呂に入ったり、長い時間、風呂に浸かっていると、角質層が膨らみ、保湿成分が流れ出てしまいます。
その結果、乾燥肌となり、肌荒れやニキビなどを引き起こしやすい肌になってしまいます。
また、お湯から出た後に体を洗う時も注意が必要です。
お湯に浸かっていただけで体の汚れは80%落ちていると考えられています。
その上、ボディブラシなどでゴシゴシ洗ってしまうと、肌の角質層がボロボロになり、バリア機能が失われて、肌荒れを招きます。
まとめ
以上のように、入浴剤にも様々な種類があります。
入っている成分によって、肌に与える効能や影響が違ってくるので、自分の気になる肌の症状によって、選ぶようにしましょう。
入浴剤を入れた風呂に浸かることは、精神的にも身体的にもリラックスできて、肌へも良い影響を与えます。
あなたの一日の最後の癒しとして、より良いバスタイムを作りましょう。