エサ切れの際に重宝!エギングロッドと特効エサで狙うタチウオのウキ釣り
毎年夏から冬にかけて、全国各地の堤防などで賑わいを見せるのがタチウオ釣りです。
タチウオは身近な場所で数が釣れて、場合によっては型も狙える為に非常に人気が高い魚ですが、時には釣れすぎて持参していたエサが切れてしまうこともあります。
そのような状況でまだ釣りたいとなった際にどう対応するのかについて、今回はエギングロッドを使ったウキ釣りを例に紹介します。
目次
海のギャングとも呼ばれるタチウオ
タチウオはその厳つい顔つきと、非常に鋭い犬歯が並んでいるその様子から想像される通り性格も大変獰猛です。
そこから釣り人の間では、「海のギャング」とも呼ばれています。
タチウオを狙う釣り方は様々な種類がありますが、通常のエサやルアーを使わずこの海のギャングの獰猛さを逆手にとった釣り方が実は存在します。
共食いも日常茶飯事のタチウオという魚
タチウオを専門的に狙っている人にはよく知られている事実ですが、彼らにとっては「共食い」というのは日常茶飯事です。
ヒットしたタチウオを巻き上げていると尻尾が剃刀のような鋭利な刃物で切断されていることがありますが、これは周囲にいるタチウオが釣り上げられている個体の尻尾をエサと認識して噛みつくことによって起こります。
このようなことは特に珍しくはなく、シーズンを通して比較的頻繁に目にします。
同様に大型のタチウオが小型のタチウオを捕食するということもよくあるようです。
大きな群れに当たると、エサ切れを起こすことも
タチウオは基本的に群れで行動しているので、大規模な群れに当たれば持参しているエサが早々に切れてしまうこともあります。
そのような時に釣り場の近くに釣具店があればすぐにでも新しいエサを買いに行けるのですが、基本的に夜釣りで夜遅くの時間になると開いている店も非常に少なくなります。
特効エサのタチウオの尻尾
そのようなまさかのエサ切れの事態に大きな力を発揮するのがタチウオの尻尾です。
タチウオの尻尾は銀色の光沢が非常に強くアピール力に優れていて、身も固いのでエサ持ちも抜群です。
また、タチウオが釣れる度に尻尾を切ってエサにすることが出来るので基本的にエサに困ることはありません。
ロッドは、やり取りの手応えを重視するのであればエギングロッドがおすすめ
ロッドはタチウオとのやり取りの面白さを重視するのであれば、エギングロッドが断然おすすめです。
エギングロッドは感度も大変良くて、長めのロッドを使用すると遠投性能も確保できます。
値段的にも釣具店のセールで売られているような2000円を切るような安価なものでも十分に使用できます。
スペアも含めて2本も用意しておけば安心です。
上記で長めのロッドが遠投するには有利と書きましたが、使用者の体格に合わせて調子して下さい。
無理に長いロッドを使うと長時間キャストを繰り返しているうちに疲労感が溜まってくるので避けた方が無難です。
中型スピニングリールがおすすめ
使用するリールは中型スピニングリールがおすすめです。
小型スピニングリールは巻き取りパワーに不安があるので指4本以上の良型がヒットするとやり取りに不利です。
その点、中型スピニングリールであれば巻き取りパワーはもちろん糸巻量も安心です。
こちらもロッドと同様に安価なもので十分です。
尻尾をエサにするにはウキ釣りが有利
キビナゴやイワシなど通常の釣り方で使用するエサでは引き釣りやウキ釣りなど様々な釣りが出来ますが、タチウオの尻尾をエサにする場合はその形状から、引き釣りなどではテンヤに装着することが出来ないので、ウキ釣りで攻めるのがおすすめです。
ウキ釣りであれば一般的な形の釣り針にエサを刺すので、尻尾のような形状であっても安定して針を刺すことが出来ます。
ウキは8号程度を使用
ウキ釣りには8号程度のウキが妥当です。
10号以上のウキになると浮力が強すぎて、タチウオがエサに食いついた際に違和感を与えてしまいエサを離すケースが出てくるので避けた方が無難です。
タナ取りを最優先に行う
タチウオのウキ釣りは他の魚以上にタナ取りを重要視して下さい。
この魚は時間によってタナが頻繁に変わるので、少しでもアタリが遠のけば細目に調整することを忘れないようにして下さい。
釣れたタチウオの尻尾の先端をカット
エサにするタチウオの尻尾は先端部分を適当な大きさにカットして下さい。
最先端部分の黒く細長い部位は全く使えないので、処分して下さい。
ある程度まとまった量の魚が釣れれば、最初にまとめて尻尾をカットしておくと時合いを逃さずに効率よく釣ることが出来ます。
相手の食いが悪い場合は、カットの長さを短くして対応してみて下さい。
早合せは禁物
この釣りではウキが沈んでもすぐにアワセることは厳禁です。
相手がしっかりとエサを食い込むまで待つようにして下さい。
特にウキ釣りの場合は針が引き釣りのテンヤのように大きくないので、ウキが沈んですぐの段階ではエサの端を噛んで引っ張っているだけなので、アワセを入れてもほぼ間違いなく素針を引いてしまいます。
完全にウキが見えなくなるまで十分に待ってから強くアワセを入れて下さい。
アタリがない場合は誘いを掛ける
通常の釣り方と異なり、アタリがない場合はこちらから積極的に誘いを掛けてやって下さい。
リールをゆっくりと巻いて手前に引っ張るイメージで誘いを掛けると有効です。
相手が強く引く場合は無理をしない
タチウオはその細い見た目に似合わず、引きは非常に強烈です。
特に指4本以上のサイズともなれば、ヒットした瞬間は根掛かりかと勘違いしてしまうような抵抗を見せます。
ただ、ハマチなどのようにずっと引っ張り続けるようなことはなく、強く引いたり弱く引いたりと波があるので、相手が強く引く際には無理にリールを巻かずに竿全体で耐えて、引きが弱くなったタイミングで巻けるだけ巻いて下さい。
足元まで寄せてくれば後は抜き上げるだけなのですが、実はここが取り込みの最大の難所となります。
というのも、例外なく海面から上に出ることを嫌がって全力で体全体を左右にくねらせて必死の抵抗を試みるので、無理に抜き上げようとすると反発で口から針が抜けてしまうこともあり、場合によっては自分の方に向かって外れた針が飛んでくることもあるので大変危険です。
両サイドに人がそれほどいない場合は、真上に竿を動かして抜き上げるのではなくて横に動かしてタチウオを泳がせてその勢いで一気に抜き上げると良いです。
もし両サイドにも人が並んでいて上記のような方法では危険な場合は、しばらく相手が大人しくなるのを待ってから抜き上げるようにして下さい。
プライヤーとタオルは必要不可欠
ウキ釣りに使用する針は小さく時に完全に飲み込まれていることもあります。
なので、針外しの際には素手では無くてプライヤーを絶対に使用して下さい。
タチウオの歯は少し触れただけでもすぐに切れるので、なるべく口の周りに手を近づけないことが怪我を未然に防ぐ方法です。
また、タチウオをしっかりと固定できるようにタオルも必ず持参して首の周りを掴んで下さい。
まとめ
今回は一風変わったタチウオの尻尾を使って攻めるウキ釣りについて紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
この釣りは身近な堤防周りで楽しむことが出来て、エギングロッドのような安価なタックルで楽しむことが出来るので誰にでも挑戦することが出来ます。
もし入れ食いでエサ切れのような状況に出くわせば、是非試してみて下さい。