バッシュのローカット・ハイカット・ミドルカットは何が違う?それぞれの特徴をまとめてみた
バッシュを購入しようとスポーツショップに行くと、「ローカット」「ハイカット」「ミドルカット」の3種類があることに気付きます。
これはバッシュの履き口(カット)に関する違いなのですが、実は単にデザインが異なるだけではないんです。
バッシュのカットの違いは、プレイヤーのパフォーマンスにも大きな影響を及ぼす大切な要素です。
今回は、バッシュにおける「ローカット」「ハイカット」「ミドルカット」の違いについて、それぞれの特徴を考察してみました。
バッシュには3種類ある
バッシュには「ローカット」「ハイカット」「ミドルカット」の3種類があります。
それぞれ、バッシュを履いた時の履き口の高さが全く違います。
履き口とはシューズを履くときに足を入れる筒状の部分をいいます。
目安ですが、くるぶしが見えるくらい履き口が低いのがローカット、足首まで隠れているのがハイカット、その中間がミドルカットというように分けられます。
初心者は、単にデザインの好き嫌いで選んでしまいがちなローカット、ハイカット、ミドルカットの違いですが、実はそれぞれに一長一短があるんです。
NBAのスタープレイヤーたちも、自分のプレースタイルやポジションによってバッシュの種類を使い分けています。
ローカット、ハイカット、ミドルカットの特徴とメリット・デメリットをイマイチ理解しきれていないという方は、ぜひ今一度ご確認ください。
プレースタイルに合ったバッシュを使うことは、怪我の防止にも繋がる大切な要素ですよ!
ローカットのバッシュの特徴
ローカットのバッシュは、履き口が最も低いタイプのバッシュです。
バッシュのモデルによってはくるぶしが見えるほど履き口が低いものもあります。
2000年代に入ってから、プロの間ではハイカットのバッシュが主流になり、一時期ローカットのバッシュの人気は廃れていました。
ハイカットのバッシュを履くことは捻挫防止などに繋がると考えられていたため、ローカットのバッシュを履くメリットが少ないと考えられていたためです。
しかし2008年、NBAプレイヤーのコービー・ブライアントのシグネチャーモデルとして発売された「NIKE ZOOM KOBE 4」というバッシュが、ローカットのバッシュを復権させるきっかけとなりました。
コービーがバッシュに一番求めた要素は「軽さ」であり、いつもより速く走り、いつもより高く跳べるように、極限まで軽量化したバッシュとしてNIKE ZOOM KOBE 4が生まれました。
少しでも重量を削るため、NIKE ZOOM KOBE 4は履き口を極限まで削った超ローカットバッシュに仕上がっています。
こんなにローカットのバッシュでは捻挫してしまうのではないかという疑問に対し、コービーは「ハイカットのバッシュを履いたとしても捻挫するときは捻挫する」と反論、それに多くのプレイヤーが賛同する形になりました。
コービーのバッシュが発売されて以降、ローカットのバッシュを使う人は徐々に増え始め、現在ではスピード重視のプレイヤーに多く愛用されるようになりました。
また、以前の技術では「怪我の恐れがある」とされていたローカットのバッシュですが、現在では製靴技術が進歩し、ハイカットのバッシュに負けず劣らずのクッション性や安定性を備えたバッシュも開発されています。
こんな人にはローカットのバッシュがおすすめ
ローカットのバッシュは、スピードを重視するプレイヤーにおすすめです。
ストップ&ターンを得意とするプレイヤーにとって、バッシュの重みは大きな足枷になります。
そこで最軽量のローカットバッシュを履くことで、より速く走り出すことが可能になるのです。
また、足首を柔軟に動かすことができるため、細かい切り返しで有利になります。
実際、スピードとジャンプ力を極限まで高めることに執心したNBAプレイヤーのコービー・ブライアントはローカットのバッシュを使って成果を上げました。
コービーのようなプレースタイルを目指している方にもおすすめのバッシュになります。
ハイカットのバッシュの特徴
ハイカットのバッシュは、履き口が最も高いタイプのバッシュです。
モデルにもよりますが、足首までしっかり保護している長い履き口のバッシュのことをいいます。
一時期、NBAでもバッシュはハイカットのものが主流となっていました。
ハイカットのバッシュは足首を保護する働きをもっているため、捻挫などの怪我を防止する役割が期待できるためです。
現在ではローカットのバッシュを使う方も増えてきましたが、今でもプロにはハイカットのバッシュの方が人気があるようです。
ハイカットのバッシュのデメリットを挙げるとすれば、ローカットのバッシュに比べて足首が動きにくいことです。
いわば足首をテーピングした状態でバスケをするようなものなので、細かい切り返しには向いていません。
また、履き口のパーツが大きいぶん、どうしてもローカットのバッシュより重くなりがちなのでジャンプ力も多少犠牲になります。
スピードとジャンプ力を少し犠牲にする代わりに、捻挫の危険性を減らすというのがハイカットのバッシュの一番大きな特徴であるといえます。
こんな人にはハイカットのバッシュがおすすめ
ハイカットのバッシュは、多少スピードが落ちるため、シューターや身長の高いプレイヤーに好まれます。
とはいっても、ローカットのバッシュに比べて落ちるスピードはごくわずかな差なので、よほど拮抗した実力の相手と戦うわけでもない限り、そこまで差は出ないと考えてよいでしょう。
NBAをはじめとしたプロの試合では、現在でもハイカットのバッシュを使用している選手の方が多いのが現状です。
どのポジションでも使える基本的なバッシュともいえるでしょう。
単に、捻挫防止という目的でハイカットを選んでも全く問題はありません。
ミドルカットのバッシュの特徴
ミドルカットのバッシュは、ハイカットとローカットの中間の高さのバッシュです。
スポーツショップによっては、ハイカットとローカットの違いでしかコーナーを分けていないこともあるため、ミドルカットのバッシュはハイカットのコーナーなどにまとめられている場合もあります。
そのため定義が難しいのですが、ごく一般的な形状のバッシュの多くはミドルカットに含まれています。
ミドルカットのバッシュの特徴は、良く言えば「いいとこ取り」です。
ハイカットのバッシュのように足首をしっかりと保護しつつも、ハイカットのバッシュほど重くないのでスピーディな動きが可能です。
悪く言えば「どっちつかず」で、ハイカットのバッシュほどは怪我防止になりませんが、ローカットのバッシュより重いともいえます。
ミドルカットのバッシュは、ハイカットとローカット両方の良い部分と悪い部分を備えた中間的なバッシュであるといえるでしょう。
こんな人にはミドルカットのバッシュがおすすめ
ミドルカットのバッシュは、初心者におすすめです。
まだハイカットのバッシュとローカットのバッシュのどちらを選ぶべきか分からないというときには、まずミドルカットを選んでおけば問題ないでしょう。
実際にしばらく使用してみて、もっと軽いバッシュが良いと感じたらローカットのバッシュに買い替え、もっと安定性が欲しいと感じたらハイカットに買い替えます。
自分のプレースタイルを模索しながら検討してみましょう。
また、オールラウンダータイプのプレイヤーにもミドルカットのバッシュがおすすめです。
バッシュはポジションによって使い分けよう
バッシュ選びで、ローカット、ハイカット、ミドルカットの選び方に困ったら、自分のポジションで分けてみるのも良いでしょう。
それぞれのバッシュの特徴をまとめると、「軽くてスピードが出る代わりに捻挫しやすいローカット」「重くて足首が固定されている代わりに捻挫しにくいハイカット」「ローカットとハイカット両方の特性を併せ持つミドルカット」ということになります。
相手との接触が多く怪我の恐れの多いセンターやパワーフォワードには、ハイカットのバッシュが適しています。
ローカットのバッシュは、シューティングガードやポイントガードに適しています。
試合中は一気に相手ゴール下まで切り込んでいくことが多いポジションなので、スピードが要求されるためです。
オールラウンダータイプのスモールフォワードには、ミドルカットのバッシュが適しています。
ハイカットやローカットでも構いませんが、どんな状況にも対応できるミドルカットの利点を最も活かすことのできるポジションはスモールフォワードです。
いつでも切り込めるよう、軽くて安全なミドルカットを選んでおくのがおすすめです。
まとめ
バッシュにおける「ローカット」「ハイカット」「ミドルカット」は、それぞれにメリットとデメリットがありました。
スピードをとるか、安全性をとるかというのが基本的な違いです。
バッシュはバスケのプレイヤーが身に着けるただ唯一の保護器具であり、バッシュをおろそかにしてはバスケを安全に楽しむことはできません。
今回の記事を読んで、自分のバッシュがプレースタイルに合っていないと感じた方は、今一度バッシュの見直をすることをおすすめします。