マットレスって何年くらい持つの?長く使い続けるために知っておきたい4つのポイント

マットレス・敷き布団

寝ている間に体をしっかりと支えて寝返りもサポートしてくれるのがマットレスの理想ですが、マットレスに使われている素材にも耐久性があるため何年も使い続けているといろいろな不具合が出てきます。

マットレスの寿命は製品によって大きな差があるだけでなく、使い方によっても寿命が違ってくるものです。

マットレスを少しでも長く使い続けるためのポイントを、ウレタン密度と価格帯に応じた製品の選び方、さらには使い方のコツと併用したいアイテムを加えた4つの観点から解説します。



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マットレスの寿命が近づいているときの兆候

マットレスの平均的な寿命は10年と言われていますが、製品によって品質が大きく異なるため、10年に満たないうちに寿命を迎える場合も少なくありません。

安価な製品では1年や2年といった短期間で早くも寿命を迎え、その都度買い換えなければならなくなるものです。

そこまで短くなくても、寿命が5年程度というマットレスは多く見られます。

マットレスはウレタンマットレスとスプリングマットレスの2種類に大きく分けられますが、どちらも購入当初より体が深く沈み込むようになればそろそろ寿命が近づいているという証拠です。

特に背中の部分や腰の付近は大きな荷重がかかりやすいため、寿命が近づいてくるとどうしても中央部分がへこんできます。

寝付きが悪くなったり一晩寝ても疲れが取れなかったりするのも、マットレスの反発力が低下して寝返りが打ちにくくなっているのが一因です。

そのようなマットレスを使い続けていると体が痛くなりやすく、肩こりや腰痛の原因にもなりかねません。

マットレスを覆う生地が擦り切れて破れたりカビが生えたりしている場合も買い替えを検討すべきです。

こんな症状が表れたらスプリングマットレスもそろそろ寿命

以上のような症状はマットレレス全般に言える寿命のサインですが、ウレタンマットレスと比べて寿命が長いと言われるスプリングマットレスにも当然のことながら寿命があります。

コイルスプリングが連結して配列されているボンネルコイルスプリングは、マットレス全体で体をしっかりと支える構造をしている点が大きな特徴です。

1個1個独立した円筒形の袋にコイルスプリングを入れて並べたポケットコイルスプリングは点で体を支える構造のため、体にフィットする寝心地が得られます。

どちらもスプリングコイルの上にウレタンなどの詰め物を敷いた構造をしており、この詰め物が劣化するとスプリングが体に当たるようになります。

そうした状態になっても無理に使い続けていると、生地が破れてスプリングが飛び出すような事態を招きかねません。

マットレスからきしむような音が聞こえてくるようになれば、スプリングが劣化して寿命が近いというサインです。



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スプリングマットレスの構造

ウレタンマットレスは素材そのものの反発力を利用して寝ている姿勢を維持するのと比べ、スプリングマットレスはコイルスプリングと呼ばれる圧縮ばねの反発力によって体を支えます。

ウレタン素材の寿命は長くても10年程度ですが、そうしたスプリングコイルは寿命が長く数十年も持つのが特徴です。

とは言えスプリングマットレスでもクッション層と表面の生地との間に体圧を分散させるための詰め物が入っており、この詰め物にはウレタンなどの素材が使われています。

ウレタン素材だけで体を支えるタイプのマットレスと比べ、スプリングマットレスは耐久性の高いスプリングコイルが体重の大半を吸収してくれるために寿命が長いのです。

詰め物の層が厚く柔らかい寝心地を売りにしてるスプリングマットレスほど、詰め物に使われている素材の劣化によって寝心地が変わってくる可能性があります。

ウレタンの耐久性は密度に比例

スプリングコイルを使用せずウレタン素材だけで作られているタイプのマットレスの中には、価格が1万円以下の安価な製品も少なくありません。

寝心地が柔らかい低反発ウレタンマットレスもあれば、腰痛持ちの人に人気の高反発マットレスも売られています。

そうしたウレタンマットレスの耐久性はウレタンの硬さと関係がなく、むしろウレタンの密度に比例するのが特徴です。

ウレタン密度は20Dや30Dといった数値で表され、数字が大きくなるほど密度が高く寿命も長くなります。

安価なウレタンマットレスの大半は密度が20D以下で、本来の反発力を維持できる耐久性も1年ほどしかありません。

密度が30D以上のウレタンマットレスは寿命が5年以上に延び、40Dの製品であれば8年以上は持つと言われています。

ウレタンの密度は製造コストに直結するため、高価格帯のウレタンマットレスほど長持ちするのです。

マットレスの種類ごとの寿命

同じマットレスを長く使い続けたいという人には、ウレタンマットレスよりも寿命の長いスプリングマットレスの方がおすすめです。

とは言えスプリングマットレスの中にも詰め物の材質や厚さによっては、平均的な寿命より短くなっている製品もあります。

同じスプリングマットレスでもスプリングコイルが連結しているボンネルコイルタイプは価格帯が低めですが、寿命は5年から10年でポケットコイルタイプよりも全般に短めです。

ポケットコイルタイプのスプリングマットレスは高価なものだと30万円の製品が存在するほどで、寿命はマットレスの中で最も長く10年以上持つ製品も少なくありません。

ウレタンマットレスの中でも低反発タイプは寿命が5年以下とされますが、高反発マットレスの中には寿命がスプリングマットレスに迫る製品もあります。

低価格のマットレスは避けた方が無難

以上のようなマットレスの寿命はそれぞれの種類ごとに一定の品質基準を満たしている製品の話で、極端に価格の安い製品についてはその限りではありません。

特にウレタンマットレスは1万円以下という低価格帯に属する製品も多く、そうした安価な製品に耐久性を期待するのは困難です。

スプリングマットレスでも平均的な価格帯よりも大幅に安い製品には、コイルの線材に耐用年数の低い硬鋼線を使用しています。

低価格の製品はたいていが耐久性を犠牲にしている傾向も見られるため、同じ種類のマットレスと比べて寿命が短いのが普通です。

安価なマットレスを短い周期で頻繁に買い換えるより、価格が高くても長持ちするマットレスを長く使い続けた方が長い目で見ればお得だと言えます。

マットレスの寿命を延ばす使い方

マットレスの寿命は使われている素材の種類や構造である程度決まってきますが、使い方によっても寿命が左右されてくるものです。

特にお尻の当たる中央部分や、横向きに寝る人だと肩の当たる部分は素材のへたりが早く出てきます。

ウレタンマットレスはそうした反発力の低下現象が顕著に表れる反面、マットレスの両面を使用できる点が大きなメリットです。

表の面でへたりが出てきても裏返しにして使えば新品同様の反発力を取り戻せるだけでなく、へたりが出てくる前から表と裏を定期的にひっくり返して使うことでマットレスが長持ちします。

さらにマットレスを180度回転させ、頭側と足側とを定期的に入れ替えるようなローテーションも寿命を延ばすのに有効です。

マットレスは湿気に弱いので、こまめに陰干しをすることでも長持ちさせられます。

スプリングマットレスは重いので陰干しをするのは大変ですが、隙間を開けて持ち上げながら扇風機の風を当てるだけでも違ってくるものです。

マットレスのカビや汚れを防ぐアイテム

マットレス劣化の多くは素材の反発力が低下する形で表れますが、生地の衛生面も寿命に影響を及ぼします。

素材のへたりがまだ表れていないうちから生地にカビが生えたり汚れが落ちなくなったりして、泣く泣く買い換えるような例も少なくありません。

マットレスを衛生的に保つにはシーツやマットレスカバーをこまめに洗濯することが欠かせませんが、湿気を防ぐには除湿シートを使うという手もあります。

除湿シートはマットレスの下に敷いて使用し、床やベッドとの間で湿気を吸い取ってくれる便利なアイテムです。

除湿シートを敷くだけでも陰干しをするのに近い効果が得られますが、寝ている間にかく汗を先に吸い取った方が効率的だと言えます。

そうした汗や汚れがマットレスに浸透する前に吸収してくれるのが、マットレスの上に敷いて使うパッドやトッパーです。

中央部分がへこんできたマットレスでも、へこんだ部分にタオルを当ててその上にマットレストッパー敷けば延命できます。

まとめ

マットレスの寿命は反発力の低下と衛生面の悪化という2つのポイントに分けて考えられますが、どちらも工夫次第では寿命を延ばすことが可能です。

とは言えマットレスの耐久性は価格にある程度比例する面がありますので、長く使い続けようと思えばそれなりの価格帯の製品を選ぶのが無難だと言えます。

体を支えるための構造やウレタン密度にも着目して製品を選べば、快眠をサポートしてくれる理想のマットレスが見つかるものです。