「エアロバイク」と呼んでいいのは特定のものだけ? 家庭用エアロバイクの種類と選び方
誰でも気軽に、屋外へ出ることなく、適度に運動できるのがエアロバイクです。
日ごろは屋外で運動をされている方も、天候や季節によってはためらわれることもあるでしょう。
そんな状況でも、エアロバイクは関係なく使用することができます。
ただ室内で運動ができる器具、ではなく、様々な状況において、エアロバイクは優秀な運動器具なのです。
現在では、家庭用のものからスポーツジムなどで使用されるものまで、多種多様なエアロバイクが登場してきています。
今回は、そんなエアロバイクの中から、主に「家庭用」のものにスポットを当てて、構造や上手な選び方について解説していこうと思います。
エアロバイクの歴史
まずは、簡単にエアロバイクの歴史を学んでおきましょう。
エアロバイクの選び方には直接関係しませんが、大変に核となる事柄が出てきますので、お付き合い頂ければ幸いです。
日本でエアロバイクの第一号が誕生したのは約30年前のことです。
今ではベビー用品の大手である、コンビ(株)が開発し、商標登録をしました。
その後、コンビ(株)の子会社であるコンビウェルネス(株)が、現在の(株)コナミスポーツライフに買収されました。
今現在、「エアロバイク」の商標を持っているのは(株)コナミスポーツライフなので、他社が使用することはできません。
実際に、(株)コナミスポーツライフから販売されているもの以外は、エクササイズバイクやフィットネスバイク等と呼ばれています。
上記のことを考慮し、今回はおおよそ一般的にも意味が通じると思われる「エクササイズバイク」という名称を、以下からは使用していくことにします。
家庭用エクササイズバイクの構造
現在、家庭用のものとしては、「ベルト式」と「マグネット式」と呼ばれるものがあります。
それぞれ、ペダルを漕ぐ際の、自転車でいう車輪部分への負荷の掛け方が異なります。
ベルト式の特徴
「ベルト式」は、車輪の部分に直接ベルトが張ってあり、それを締めるか緩めるかで負荷の強弱を切り替えます。
腕時計のベルトをきつく締めると、腕に固定されて回りづらくなるのをイメージされると分かりやすいかもしれません。
特徴として、安価ではあるが、ベルトが劣化していくため、後に交換が必要であること。
ベルト自体を締め付けて負荷を掛けるために、摩擦音が気になる点が挙げられます。
以前はこのタイプも多くみられましたが、今ではあまり見ることはありません。
マグネット式の特徴
「マグネット式」は、磁石を使用して車輪に負荷を掛けるタイプのことです。
こちらには永久磁石と呼ばれる磁石が内蔵されており、これを車輪に近づけたり遠ざけたりすることで負荷の強弱を切り替えます。
ちなみに永久磁石とは、我々が普段使用している磁石のことです。
ホワイトボードや冷蔵庫等にメモ紙を張り付けたりする際に便利なあれが、少し形を変えて内蔵されていると考えてください。
特徴は、「ベルト式」以上に負荷を掛けられることや、負荷を調節する磁石と車輪が直接当たらない構造のため、使用時にとても静かだということです。
価格はベルト式に比べると若干高くなりますが、ベルト交換などが必要ない点を考慮すれば、あまり違いはないと言えます。
さらにこのタイプの中でも、負荷の強弱を自分で切り替える『手動負荷式』と、電動で切り替える『電動負荷式』のものに分けられます。
『手動負荷式』はその都度自分で調整が必要になりますが、『電動負荷式』はあらかじめ設定しておいた経過時間で切り替えることができるため、自分だけのプログラムを作ることも容易に行えます。
『電動負荷式』で一つ気を付けなくてはならないのが、電源が必要なものが大半だということです。
簡単にいうと、コンセントに繋げる必要があるため、置ける場所が限られてしまいます。
どちらのタイプにしても、現在ではこちらの「マグネット式」が家庭用の主流となっています。
家庭用エクササイズバイクの形状
ここまでは構造について説明しましたが、ここからはエクササイズバイクの形状について解説していきます。
家庭用で使用される主な形状は、自転車とほぼ同じ形の「アップライトバイク」、それに加えて背もたれがついている「リカンベントバイク」の2つです。
「アップライトバイク」は、見た目もまさに自転車そのもので、使用方法も変わりません。
サドルに腰掛けてハンドルを握り、ペダルを漕ぐだけです。
ちなみに『アップライト』は、『直立』を意味しています。
「Xバイク」と呼ばれる、全体を折り畳むことができ、省スペースで使用できるタイプもありますが、使用方法は全く一緒です。
「リカンベントバイク」は通常の自転車の形状とは少し異なり、背もたれがついています。
さらに、「アップライトバイク」に比べて、ペダルが少し上に位置しています。
ですので、サドルに腰を掛けて背もたれにもたれた状態から、前方に足を投げ出して漕ぐ形になります。
お尻だけではなく、背中にも重心を掛けられるため、長時間座ることへのストレスが緩和されます。
上半身でバランスをとる必要がなく、両手も空くため、自分の好きな本を読みながら使用することも可能です。
『リカンベント』は『もたれかかる』を意味しており、まさにその名前の通りのエクササイズバイクと言えます。
家庭用エクササイズバイクを選ぶ上で必要なポイント
今回の本題はここからです。
ここまでは歴史だったり構造だったりと、少し堅苦しい話をしてきました。
それを踏まえて、さて実際問題、家庭用にエクササイズバイクを購入しようと選ぶ際、どういった点に気を付ければ良いのでしょうか。
ここからは、今まさに購入しようと考えている場合のポイントを、重要な3点に絞って挙げていきます。
使用時のスペースの問題
まず1つ目、何より先に考えなくてはならないのが、置くスペースがあるかどうかという点です。
購入したはいいが、置く場所がなくて使用できなくては全くの無駄金になってしまいます。
一人暮らしで部屋自体が狭い場合は、「リカンベントバイク」のような前後に長いタイプは適していないと言えます。
この場合は「Xバイク」を選択したほうが賢明です。
一人暮らしではない方でも、自分のスペースが中々持てない状況もあるかと思います。
その場合でも、使用時、収納時にスペースをあまりとらなくて済む「Xバイク」を選択することをおすすめします。
逆に、しっかりと自分のスペースを確保できる場合は「リカンベントバイク」を選択したほうが良いでしょう。
理由としては、毎日使用することを想定した場合、どうしても体へのストレスが溜まっていくことが考えられるからです。
このストレスを少しでも減らすためには、背もたれがついた、体に負担が少ないタイプを選択するほうが賢明です。
初めのうちは気にならなくても、徐々に負担が重なってくると、サドルに座ること自体が嫌になってしまうことも多いのです。
それが、結果的に継続できなくなることに繋がってしまいます。
「Xバイク」だと少し物足りないと感じ、ある程度スペースも確保できる方は「アップライトバイク」を選んでも良いでしょう。
予算の問題
二つ目、予算に関しては、それぞれ考えている幅が違うと思います。
これは負荷方式、形状の違いの組み合わせで大きく変わってきます。
まずは、大まかではありますが価格が安い順番に並べてみましょう。
●Xバイク(手動負荷式)
●アップライトバイク(手動負荷式)
●アップライトバイク(電動負荷式)
●リカンベントバイク(手動負荷式)
●リカンベントバイク(電動負荷式)
上記のようになりました。
Xバイクが一番安価で、リカンベントバイク(電動負荷式)が一番高価になります。
メーカー等や性能によっても上下しますが、基本的にはこの順番にランク分けされていると考えてもらって良いでしょう。
現在では、1万円を下回るものから、10万円以上するものまで、多種多様なエクササイズバイクが存在しています。
予算で悩んでいる場合は、この順番を目安として頭に入れて探してみてください。
使用目的の問題
最後、三つ目は何を目的として購入するかです。
これも人それぞれ幅があるポイントだと言えます。
運動不足を解消したいという程度の方、自宅でしっかりとトレーニングの一環として運動をしたい方等々、様々だと思います。
一概に安いからこれにしたほうがいいですよとは言えないのです。
運動不足を解消したいだけであれば、強い負荷は必要ありません。
負荷に重きを置く必要がなければ、電動負荷式ではなく、手動負荷式を選んだほうが価格も抑えられるのでおすすめです。
逆にしっかりとトレーニングをしたい方であれば、強い負荷が掛けられるマグネット式で、自分用のプログラムを組むことができる電動負荷式のものをおすすめします。
まとめ
今回は家庭用エアロバイクにスポットを当てて解説してきました。
普段私たちが使用している「エアロバイク」という名称。
これが商標登録されていたことを初めて知ったという方も多いのではないでしょうか。
そして、現在では様々な種類のものが市販されています。
いざ購入しようと思っても、選ぶ段階で迷ってしまい、結局購入に至らない方もおられるのではないでしょうか。
そんな方に読んで頂いて、購入する際の手助けになってくれればと思います。