バーサタイルベイトリールメタニウム DC HGで香港の釣り
ベイトリールとタックル1セットだけ持って香港で気軽な海外釣行をしてきました。
香港は大都会のイメージの身近な観光地ですが郊外には隠れたルアーフィッシングのポイントがあることは今回の釣行で確認できました。
観光旅行の一日を釣りに当てれば私のように日本と同じようだけど一味違ったルアーフィシングを楽しむことができるのでちょっとマニアックですが香港観光で暇な日ができたアングラーにはおすすめです。
目次
香港の釣り事情
香港でもちょっと街中から外れた郊外のエリアに行けばルアーフィッシングができることは前に普通の観光旅行をした時から知っていました。
香港は海に囲まれたエリアで中心部は大都会で釣りどころではありませんが、離島がたくさんあるので香港の釣り人たちは主に船で離島に渡ってそこで浮きやフカセ釣りなどの磯釣りをメインにしているようです。
ルアーフィッシングは日本ほど盛んではありませんが日本製のルアーを売る店は香港市内にいくつかありルアー人口もある程度入ることがわかります。
香港でのルアーフィッシングのターゲットは淡水ではパシフィックターポンとアフリカンクララが有名ですアフリカンクララはアフリカから食用かペット用で輸入されたものが逃げ出して香港に定着したようです。
空気呼吸ができるためどんなに汚れた川でも生息できるのが原因でしょう。
最大サイズは軽く1m 以上になる巨大ナマズです。
アフリカンクララを知ったきっかけのニュース
実は私が香港でアフリカンクララが狙えると知ったのは、たまたま見た香港の一般のニュース記事です。
香港でも有名な都市河川のドブ川の誰もこんなところに魚がいると思っていなかったような汚い川についてのニュースで、日本人の釣り人が150cm くらいの大物アフリカンクララを釣り上げ、しかもそれをさばいて食べてみたぞ。
という釣り人向けではないびっくりニュースです。
そのニュースで紹介されていた香港のドブ川は日本とは比べ物にならないぐらいに泡立ってエメラルドグリーンで化学物質のような色をした、明らかに汚染された川です。
それまで香港の人はそんなところで釣りができると思ってもいなかったのでアフリカンクララの大物も誰にも見つからずに放置されていました。
そこに目を付けた日本人の怪魚ハンターの釣り人がいたので、香港でも注目を集めるようになったようです。
このニュースは、香港 アフリカンクララなどのキーワードで確認できます。
香港釣行前にネットで情報収集
そのニュースのおかげで香港で怪魚が狙えることを知った私はネットで香港のアフリカンクララ釣りの情報を調べ始めました。
主に狙っているのは日本人がほとんどで情報もブログと YouTube のアフリカンクララ釣り映像くらいしかありません。
私は検索を駆使してYouTube やブログの情報を漁りました。
やはり釣りのポイントの情報なので各ブロガーやユーチューバーたちも正確な川の名前やアクセス方法などを断定的には紹介していません。
そこで私は、何度か観光で行ったことある香港の知識を基に背景に写っているビルの形や鉄道の高架橋の位置をまずチェックし、それから google earth を使って有力な釣り場にいくつか目星を付けました。
そしてgoogle ストリートビューで駅からの経路を確認し、そこが釣り禁止ではないか危険な場所ではないかなど大まかに予習しました。
どうやらアクセスも良さそうなポイントを決めました。
香港釣行のタックル
次にタックルの準備です。
まずリールはスーツケースに入れてかさばらないことと壊れにくさを考えてスピニングリールではなくベイトリールを選択しました。
もちろん大物と渡り合えるパワーの面でもベイトリールに分があります。
私は海外釣行にはベイトリールをおすすめします。
選択したベイトリールはメタニウムDCHGのレフトハンドルです。
普段からバスフィッシングで使っていて初めての釣り場でDCブレーキの信頼性が武器になると確信していました。
知らない場所でタックルひとつで釣りをする時に、ライントラブルや飛距離の不足があると代わりのタックルがない分致命的になります。
その点このベイトリールは一般的なルアーウエイトは大体カバーしていること、マイクロモジュールギアの巻き心地はシルキーなので、もし知らない釣り場でボトムに予想外のごみ、水草や藻、岩などが沈んでいたらすぐに感知できるはずだからです。
ラインは2号のPEラインを150メートル巻いてぴったりになるように、下巻きをして調整しました。
リーダーはフロロカーボンの12ポンドから20ポンドまでを用意しました。
ルアーはYouTubeやブログでの事前情報を参考に、メタルバイブレーションとペンシルベイトを中心に揃えました。
そして相手はナマズなので日本のナマズの定番ルアーのノイジーや中空フロッグも揃えました。
そして念のためアフリカンクララ以外のターポンなども狙えるようにミノーを各サイズ、それに色々なワームもバラで揃えました。
スーツケースに入れられるサイズで4ピースのパックロッドはバス用のミディアム1つしか持っていなかったので不安でしたが、さすがに釣れるか釣れないかわからない相手のために新しい怪魚用ロッドを手に入れるのは予算オーバーでした。
手持ちのメジャークラフトGoEmotion GEC664Mを持参しました。
香港で釣り場に到着
さて無事に香港に到着して釣りをする日がやってきました。
当日は6時過ぎの始発電車に乗り目当ての新界エリア郊外の駅に降り立ちました。
香港の中心の観光地から電車で20分ぐらいの場所なのですが、すっかり住宅地でのどかな雰囲気です。
駅から15分ぐらい歩き簡単に目当てのポイントに到着しました。
事前にストリートビューで何回もシミュレーションしてきた場所なので、初めてなのになぜか前に来たことあるような安心感を感じました。
平日だったこともあり釣り場は貸し切り状態で、他の釣り人は誰も見えません。
早速メタニウムDCHGのベイトリールでファーストキャストをするとキーンという聞きなれたDC音を響かせて気持ちよくメタルバイブレーションが飛んでいきます。
周りに誰もいないのでここが海外だということを忘れさせてくれますが、時折聞こえる知らない鳥の鳴き声や、大声でおしゃべりをしながら通り過ぎていく散歩のおじいさんの話す広東語はここが香港であることを思い出させてくれます。
幸先良くグッドサイズのティラピアをゲット
100メートルくらいの川幅で最初はランダムにキャストしていたのですが、かなりの頻度でガコンガコンと何かにぶつかるような感触が中層で続きました。
ベイトの群れのようです。
しかも相当な密度です。
何度かキャストしてまずは相手を確かめるために、超高速早巻き押してみると10cm ぐらいのティラピアが引っかかって来ました。
スレ掛かりとはいえ香港のファーストフィッシュです。
相当な密度でこのサイズのベイトフィッシュがいるようですが、さらに8時過ぎに時合いなのか水面が賑やかになってきました。
ボイルらしきものも起きているのでその近くへ届かせるために、距離重視でメタルバイブを投げ続けました。
ベイトリールのブレーキ設定を一段階ずつ弱くしても、そのボイルが起こっているところまでバックラッシュなく丁寧に届けることが出来るあたりは、ベイトリールのメタニウムDCHGを選んで正解でした。
フルキャストして巻き始めたところで、ガツンというアタリが来ました。
スピードはないものの力強いぐいぐいとした引きを感じました。
アフリカンクララではなさそうですが、相手がわからないので慎重にやり取りしました。
手前まで寄せてくるとさっき引っかかったティラピアと同じ模様の40 cm くらいのグッドサイズでした。
体が平べったいのでトルクのある引きを楽しんだあとフィッシュグリップで小さめの口を掴んで持ち上げキャッチしました。
どうやら沖合でのボイルの主はこのティラピアだったようです。
同じようなパターンで30 cm から40 cm ぐらいのティラピアを4匹釣ったところで遅めの朝ごはん休憩です。
後半戦はアフリカンクララの巣を発見
9月の香港は真夏のような状態で午前10時の時点で32度を超える猛暑です。
一旦駅に戻って売店で菓子パンを買い、ベンチで貪りながら後半の作戦を練ります。
さっきのポイントはティラピアは恐ろしいほどの数いるようですが、目的のアフリカンクララは生息しない気がします。
ブログなどの情報通りもっと浅くて狭い水の汚い飛ぶのほうにいる可能性の方が高そうです。
新たなポイントを物色している途中でした。
ふと幅3 m深さ50 cmくらいの水路を覗き込むとパッとティラピアが大量に逃げていくその中に細長くてうねうねした80 cm ぐらいのナマズが混ざっていたのが見えました。
いました!
アフリカンクララです。
早速その脇に下りていきその先の25メートルプールぐらいの広さの水たまりになっている部分を覗き込むとうじゃうじゃいました。
ここで飼育しているんじゃないかと思うぐらいに数十匹のアフリカンクララが底の方でうねうねしています。
しかし偏光グラスで覗き込み人間の気配がすると、大きさに似合わない臆病ぶりでサッと逃げてしまいます。
離れた場所で時々水面に出て呼吸しているのは確認できます。
どうやってもルアーに反応しない
はやる気持ちを抑えながらルアーを結びます。
深さは50 cm くらいしかない場所なのでバイブレーションは根掛かりで使えません。
まずはプレッシャーの少ないペンシルベイトを控えめのアクションで流してみますが全く反応がありません。
着水音だけでどんなに静かにキャストしてもアフリカンクララはすばやく逃げてしまいます。
一生懸命ドッグウォークさせても魚の方から寄ってくる様子はありません。
他の魚を捕食している様子も観察する限り確認できません。
トップウォーターのペンシルベイト、ノイジー、中空フロッグも反応なし。
ベイトリールではさすがに投げづらいけれど無理やり2インチヤマセンコーのノーシンカーまでブレーキを4にしてバックラッシュ対策して投げてみましたが、それでもルアーへの反応は全くありません。
かなりゴミが沈んでいる水溜りなのですがリアクションバイトを狙って根掛かり覚悟でメタルバイブレーションをリフトアンドフォールさせてみましたが、やはり浅すぎるのでアピール時間が短いし、フラッシングがプレッシャーを与えてしまうようです。
場を休ませたけど反応なし
狭い水溜りの中で闇雲にルアーを投げても魚が逃げてプレッシャーばかりを与えている状態です。
しばらく観察をすることにしました。
この水溜りは生活排水が流れ込んでいるので、定期的に水の流れの強さが強くなったり弱くなったりすることに気づきました。
流れが強い時間帯はアフリカンクララは底に張り付いて動く様子がありません。
流れが緩くなると何匹かが空気を吸いに水面に上がり、それを見て他の魚も反応するという習性は確認できました。
しかしやはり捕食に関しては見て取れません。
さらに一旦場を休ませるために、最初のポイントに戻り気分転換にティラピアを狙ってみました。
朝はあんな魚っけがあったのに午後の時間帯になると全く無反応で集中力が続かなくなってしまいました。
炎天下の対応でかなり体力を奪われつつ最後のチャンスに掛けて、再びアフリカンクララの水たまりに戻って来ました。
しかし魚たちは完全にボトムに張り付いて動かなくなってやる気がない状態です。
先ほどと違い自分の影が水面に落ちても魚が逃げる気配すらありません。
完全におやすみモードになってしまったようです。
私自身も体力が限界に近づきアフリカンクララに有効な口を使わせるルアーのアイデアも尽きてしまいました。
今回の香港釣行は午後2時に終了しました。
まとめ
このようにベイトリールのタックル1セットでも持っていけば香港でルアー釣りできることは今回の釣行でわかりました。
香港は近いので次回また別の機会にアフリカンクララをリベンジすることにしました。
ひとまずこの日の釣行の釣果は朝だけでしたがティラピアを釣ることができました。
アフリカンクララも実物がうじゃうじゃいる様子をこの目で見ることができたので良しとします。
アフリカンクララは一体何を食べてどんなパターンでルアーにバイトするのかは全く見当がつきませんが次回こそは小さくてもいいから釣りたいです。