ベイトリールのピーキーセッティング!その方法と注意点とは?
ベイトリールを使っていくうえで耳にするのがピーキーセッティングという言葉です。
この言葉は知っていても実際にどんなことをしていることか説明できる人は少ないのではないでしょうか。
このセッティング方法は使い方次第で釣果に大きく影響してきます。
今回はそんなピーキーセッティングについて説明していきたいと思います。
目次
ピーキーセッティングとは
ピーキーセッティングとは、ベイトリールのブレーキ調整の方法で、効果的な範囲が非常に狭い設定方法です。
釣果に直接影響を及ぼす飛距離を出すために、このセッティング方法が考えられました。
効果的な範囲というのは、ルアーやロッド、また釣り人のレベルといった範囲のことを指します。
スピニングリールにはブレーキ設定がないため、ベイトリールを扱う上での用語としてピーキーセッティングは使われます。
簡単に言うとブレーキ設定が非常に弱いため、それに伴って飛距離を出すこともできますが、バックラッシュその他の危険性も比例して出てきます。
具体的なセッティング方法については下記に紹介していきます。
ピーキーセッティングの方法
ピーキーセッティングをベイトリールで行う時の方法は、2つに分けられます。
1つは直接的にスプールの回転を決めるメカニカルブレーキのセッティング、もう1つはその補助となるブレーキシステムのセッティングです。
まずメカニカルブレーキの設定ですが、かなりシビアなものとなります。
このシビアさがピーキーセッティングと呼ばれるゆえんでもあります。
最初にメカニカルブレーキを締めていき、クラッチを切った状態でスプールが左右にガタつかないところまで締めていきます。
そうしたうえで、今度は緩める方向に持っていきます。
この緩めていく程度ですが、スプールの左右へのガタが出だしてくるところです。
この設定箇所でメカニカルブレーキは固定して扱っていきます。
通常であれば、ガタが出たところで少し締めるといったのがベイトリールの基本設定ですが、ガタがある状態というのは、常にブレーキの抵抗がほぼないといったことを表します。
次に補助となるブレーキシステムですが、これについては人それぞれとなりますが、ほとんどブレーキが無い状態というのは共通しています。
大抵の場合、ブレーキをつかったとしてもゼロの状態から2段階上くらいまでの設定、人によってはブレーキシステム自体を使わずゼロの状態にしておく人もいます。
設定方法としては以上のような形になります。
ピーキーセッティングが向くルアー
ピーキーセッティングは効果的な範囲が狭いため、ルアーも慎重に選ぶ必要があります。
基本的にピーキーセッティングが向くルアーは、空気抵抗がないこと、回転しないこと、重量があることが条件となります。
具体例を挙げると、バイブレーションやメタルジグ、ペグ止めしたテキサスリグやラバージグと言ったものです。
これらは上記に挙げた条件を全て満たすためピーキーセッティングで使うことができます。
ピーキーセッティングが向かないルアー
ピーキーセッティングが向かないルアーは、空気抵抗が大きく、回転することが多い、重量が軽いルアーとなります。
例として、スピナーベイトやクランクベイト、キャロライナリグやダウンショットリグがそれに当たります。
キャロライナリグやダウンショットリグでは、さらに空気抵抗の大きなソフトルアーを使うとほぼ使えないでしょう。
もちろんこれは釣り人のレベルによっても変わってくるので一概には言えませんが、しにくいことは確かです。
ピーキーセッティングに合わせたロッド選び
ピーキーセッティングのベイトリールを使う時には、そのセッティングを活かすことができるロッドが必要です。
そのロッドの条件とは、特に長さがあることです。
少なくとも7フィート以上は欲しいところです。
ロッドは長ければ長いほど、遠心力や強い反発力を活かしたキャストが可能となります。
また、ガイドに関しても抵抗が少ないものを選ぶ必要があります。
特にガイドリングはラインが直接当たる場所となるので、ハードガイドではなくSicリングが付いているものを選んだほうがよいでしょう。
ピーキーセッティングを活かすライン
ピーキーセッティングを活かすためにはラインもそれに合わせたものが必要です。
遠投のみを考えると細いラインで抵抗が少なく、比重も軽いものが求められます。
その条件を満たすのが、PEラインです。
PEラインは複数の細い糸を編んでできており、非常にしなやかでやわらかく、細くても強度があるラインです。
その特性はロングキャストに必ず活かされます。
他のラインを使っていくこともできますが、そのときは確実にPEラインより飛距離が落ちることを覚えて使っていきましょう。
また、PEラインを使う時にはリーダーが必要です。
リーダーの太さは12ポンド前後あればよいでしょう。
長さはキャストのときにガイドと結束部分が強く干渉しないような長さにしておきましょう。
ピーキーセッティングのキャスト
ピーキーセッティングでは遠投することが大きな目的となります。
そのキャスティング方法ですが、できるだけ大きなモーションで投げることをしてみましょう。
仮に瞬間的なキャストをしてしまうと、ルアーの飛ぶスピードとスプールの回転することのバランスが取れにくくなりがちです。
主にサイドハンドからスリークウォーターにかけてのキャストがよいと思います。
ピーキーセッティングの注意点
ピーキーセッティングは先にも挙げたように、効果的な範囲が狭い、バックラッシュと常に隣り合わせにあるセッティング方法です。
そのため釣り場における対策を先に考えておくことも重要です。
特に挙げておきたいものを下記に紹介していきます。
バックラッシュの対策
バックラッシュの対策としては、しっかりサミングできるようにしておくことが挙げられます。
サミングとはスプールを触ってスプールの回転を制御する方法です。
これができないとピーキーセッティングはすぐにバックラッシュを起こしてしまいます。
ルアーをキャストするとほとんどの場合、スプール上でラインが膨らみます。
その膨らんだライン同士が絡んでしまうと、バックラッシュとなります。
特にPEラインはバックラッシュしてしまうとほぼもとには戻せないので、特に注意してください。
替えのラインを用意しておく
ピーキーセッティングでは、どんなに気を付けていてもやはりバックラッシュしてしまうことがあります。
そのようなときのために替えのラインを用意しておくとよいでしょう。
また、ラインを切るためのラインカッターも必要です。
オイル切れをさせない
最後にピーキーセッティングの注意点として挙げるのは、オイル切れをさせないことです。
特にスプールを支えているベアリングのオイルは切れさせないようにすることが大切です。
仮にオイル切れしてしまった状態でキャストしてしまうと、その高速回転によりベアリングが焼き付けを起こしてしまうことがあります。
オイルとしてはとてもサラサラしたものよりは一段階下の粘度を持っているようなものを使うことを私はおすすめします。
まとめ
ピーキーセッティングは常にトラブルと隣り合わせではありますが、使いこなすと釣果を大きく変えてくれるものとなります。
使いこなした時の感覚は、通常のセッティングの時にも活かされることでしょう。
最初は魚を釣ることを考えずに、キャスト練習から始めてみるのもよいと思います。
今回の記事を参考にして、ベイトリールのピーキーセッティングに挑戦してみてくださいね。