テネシーウイスキーの本場から！オールスモーキー蒸留所（Ole Smoky distillery）を見てみよう。
アメリカンウイスキーの中でも人気の高いテネシーウイスキー。
こだわりの製法から生み出される、奥深い味わいが人気です。
そんなテネシーウイスキーの本場には、有名どころの蒸留所に混じって奮闘している新興蒸留所があります。
それがオールスモーキー蒸留所。
この蒸留所の目玉はなんといっても「ムーンシャイン」。
いわゆる密造酒ですね。
おすすめを見てみたいと思います。
目次
テネシーと言えばテネシーウイスキー！
アメリカンウイスキーと言えば「バーボン」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
独特の製法で風味豊かなアメリカンウイスキーです。
このバーボンと共に知られているのが「テネシーウイスキー」です。
基本的にはバーボンと同じ製法ですが、テネシーの製造者はあくまで「テネシーウイスキー」という名前にこだわっています。
では、バーボンとテネシーウイスキーにはどのような違いがあるのでしょうか。
全てのテネシーウイスキーはバーボンだけど、全てのバーボンはテネシーウイスキーではない？
まずはバーボンの定義を見てみたいと思います。
バーボンはアメリカ合衆国内でしか造られません。
それはバーボンがアメリカの法律によって保護されているから。
バーボンと呼ばれるための定義は以下の通りです。
- アメリカ合衆国内で製造されていること
- トウモロコシを原材料の51％以上使用すること
- 新品の炭化被膜処理されたオーク樽を使用すること
- 蒸留はアルコール度数80％以下で行うこと
- 樽熟成前のアルコール度数は62.5%以下であること
- ボトリングする際のアルコール度数は40％以上であること
これがバーボンの定義です。
テネシーウイスキーもこれらの規定を守っており、「バーボン」に分類することができます。
しかし、テネシーウイスキーにはさらに厳密な規定が存在します。
- テネシー州で生産されたウイスキーに限る
- 蒸留直後のニューポットをサトウカエデの炭で濾過する「チャコールメローイング」製法を行う
バーボンがアメリカ全土で製造されるのに対し、テネシーウイスキーは非常に限られた範囲でしか製造されないのです。
製法としてはバーボンにも分類されるテネシーウイスキーですが、こだわりの強さからバーボンとは表示されません。
バーボンの製法を踏襲しているけれども、テネシーウイスキーはあくまでテネシーウイスキーなのです。
テネシー州の認可蒸留所！オールスモーキー蒸留所（Ole Smoky distillery）
バーボンではない！
と主張するテネシーウイスキー。
有名どころはなんといっても「ジャックダニエル」。
バーボンのみならず、アメリカンウイスキーの代表格ともいえるウイスキーです。
そのあだ名は「アメリカンウイスキーのロールスロイス」。
アメリカンウイスキー初心者に、是非ファーストウイスキーとしておすすめしたいウイスキーです。
そんなジャックダニエルの蒸留所があるテネシー州にあるのが「オールスモーキー蒸留所」。
ジャックダニエルはリンチバーグにありますが、このオールスモーキー蒸留所があるのは「ガトリンバーグ」。
米国でも有数のリゾート地として知られています。
ガトリンバーグってどんなところ？
ガトリンバーグはテネシー州でも有数の観光地。
多くの魅力を持ち、グレートスモーキー山脈国立公園へのゲートウェイとして知られています。
冬にはテネシー州唯一のスキー場「オーバーガトリンバーグ」を目指して多くの人があつまります。
8つのスキーコース、３つのリフトに加えて、野生動物とのふれあいエリアが設定されているので、スキー以外の魅力もタップリです他にも水族館やハリウッドスターの車を飾った博物館も人気。
さらに、結婚証明書を取得することが容易であるため、結婚式やハネムーンの場所としても有名です。
街や周辺地域には20以上もの結婚式の礼拝堂があります。
そんな人気観光地・豊富なガトリンバーグにあって、注目を集めているのがオールスモーキー蒸留所。
蒸留所ツアーはテイスティング付きのものが大人気。
特にムーンシャインの試飲が好評のようです。
オールスモーキー蒸留所の人気ツアー！
オールスモーキー蒸留所はアメリカで最も訪問客の多い蒸留所の一つ。
こちらでは禁酒法時代の密造酒「ムーンシャイン」の試飲ができます。
昔ながらの伝統プロセスで作られるムーンシャインの全工程を見学可能。
全ての工程を見学し終わったあとは、5ドルの試飲が楽しめます。
家族で、友人同士で。
ムーンシャインを味わったことのない人にもおすすめです。
オールスモーキー蒸留所ってどんな蒸留所？
テネシー州には３つの有名な蒸留所があります。
まず、「ジャックダニエル」。
そして、「ジョージディッケル」と「ベンジャミンプリチャード」。
これらはテネシー州の法律の改定前に許可を受けていた蒸留所です。
そしてこの「オールスモーキー蒸留所」は東テネシー州の法律で精油の蒸留が許可されてから初めて州が認可した蒸留所。
2010年のことです。
以降、オールスモーキー蒸留所はムーンシャインを中心に製造。
種類豊富なムーンシャインは州内外からの注目を集め、大人気となりました。
オールスモーキー蒸留所のこだわり！ムーンシャインとは
オールスモーキー蒸留所では40種類以上のムーンシャインが製造されています。
それらは伝統的な東テネシー州のレシピで製造され、大人気。
チェリーやアップルなど、様々なフレーバーが楽しめます。
ムーンシャインといってもぴんとこない人もいるかもしれませんね。
ムーンシャインとは「密造酒」の意味。
18世紀のアメリカで、財政難のためにウイスキーに重い税をかけたことが始まりです。
それまでウイスキーを作っていた農民達は税を逃れるため山に隠れ、夜の月の光でウイスキーを製造していました。
このことから密造酒を「ムーンシャイン」と呼ぶようになったと言われています。
その後のアメリカ禁酒法時代にはギャングたちによって密造酒が作られるようになり、かなりの粗悪品が出回っていました。
現在製造されているものはもちろん、きちんと認可を受けたものです。
ですから厳密には「ムーンシャイン」ではないのですが、オールスモーキー蒸留所では本物の東テネシー州のレシピを再現しているということで、当時の味を楽しめるのが特徴です。
オールスモーキー蒸留所のおすすめムーンシャインとウイスキー！
東テネシー州伝統のレシピで製造されているオールスモーキー蒸留所のムーンシャイン。
原材料は80％のトウモロコシ。
そして残りの20％は秘密だそうです。
昔ながらの味を現在に伝えるムーンシャインと、ウイスキーのおすすめを見てみたいと思います。
ムーンシャインオリジナル
100年前のレシピが忠実に再現されています。
うっすらと白く濁ったカラーが不思議な印象。
さらに、ムーンシャインが入れられているのは現在日本でも流行中の「メイソンジャー」です。
むかしの密造酒はこのように販売されていたのでしょうか。
飲み終わった後も、再利用できそうなボトルです。
飲みやすく、なめらかな味わい。
友人たちとのひと時におすすめ。
カクテルベースとしても優秀です。
ムーンシャインチェリー
まるでチェリーのボトル詰めのようなムーンシャインです。
中のチェリーだけ食べてしまう人もいるのではないでしょうか。
チェリーコークやジンジャーエールで割るのがおすすめです。
ペパーミントパティウイスキー
ペパーミントの風味がさわやかなウイスキー。
ホワイトオークバレルで4年以上熟成されています。
ペパーミントに混じり、ダークチョコレートの深いまろやかさもあります。
カクテルのような気軽さで飲めるウイスキーです。
まとめ
蒸留所ツアーが大人気のオールスモーキー蒸留所。
東テネシー伝統レシピによってつくられた「ムーンシャイン」は様々な種類があり、飽きさせません。
特にチェリーやパイナップル、シナモンなど女性でも好みそうな味わいが特徴。
アメリカらしいと感じるのは「アップルパイ」味のムーンシャインです。
通常のウイスキーとは少し違いますが、アメリカの蒸留酒の歴史を知るという点では是非おすすめ。
ムーンシャインを今に復活させたオールスモーキー蒸留所、是非チェックリストに載せておいて下さいね。