自分にぴったりと合ったトレッキングシューズを選ぶポイント
登山をする上で、とても大切なのがトレッキングシューズになります。
山道はアスファルトで舗装され歩きやすい街中の道とは違い、石や樹木などや坂道があり歩くだけでも体力を使います。
また、登山では荷物もあるため一般的なスニーカーなどでは耐久面が不十分であると言えます。
登山で怪我を防ぎ快適に歩くためにも、トレッキングシューズの選択は重要なのです。
そこで、トレッキングシューズの選ぶポイントをまとめてみました。
トレッキングシューズの特徴
トレッキングシューズはアッパーや靴底の部分が和楽作られており、登山靴の中でも比較的軽量になっています。
使えるシーズンも積雪のない春から秋にかけてと残雪期までと長くなっています。
主に日帰りや一泊程度の登山や、富士山の登山道を歩く際におすすめです。
ただし、足になじむまでには時間がかかり、舗装された道路は歩きにくいため街中での普段使いには向いていません。
選び方のポイント
トレッキングシューズを選ぶ際は足のサイズはもちろんのこと、山の難易度によって機能面を選択する必要があります。
サイズ面では足の長さや横幅、機能面では重量や足首周りの長さ、アッパーの素材など自分に合ったものを選びましょう。
そうすることで、疲れがたまりにくくなり、怪我を防ぐことが出来ます。
サイズ面のポイント
①長さ
シューズの長さは、つま先をシューズの内側に当てた際にかかとの部分に指1本分の余裕があるものを選びましょう。
普通の靴よりも1周り程余裕がありますが、これくらい余裕がないと山を下るときに指にダメージが入ってしまいます。
また、購入の際は試し履きを必ず行い足にフィットするかきちんと確認し、靴下も普段から履くものではなく登山に使う厚手のものを履いて試しましょう。
アウトドアを扱う店では試し歩きするコーナーに坂があるため、下りの際につま先がシューズに当たらないかチェックしておきます。
この時、かかとが必要以上に動かないことも同時に確認しておきます。
かかとが大きく動くシューズを選んでしまうと、靴擦れが発生してしまう場合もあるため気をつけましょう。
②横幅
横幅が広いと足の裏と地面が接する部分が大きくなるため、バランスが取りやすくなり疲れにくくなります。
このため、道幅が広い登山道を歩く際は、横幅の広いものをおすすめします。
逆に、高山などの足場が狭く岩などが多い登山道の場合は横幅が狭い方が進みやすいです。
登山する山の環境に合わせて選択しましょう。
機能面のポイント
①足首周りの高さ
足首周りの高さのことをカットと言い、その高さによって短い方からローカット、ミッドカット、ハイカットと呼ばれます。
荷物が少なく軽い登山でスピードを求めるならローカットタイプやミッドカットタイプのシューズが適しており、荷物が多かったり足首に不安があったり、本格的な登山で安定性を求める場合はハイカットタイプのものが適しています。
もし、初めて山を歩くため何を選べばよいのかわからない場合はミッドカットタイプのシューズがおすすめです。
②重量
シューズの重さは軽ければ軽いほど快適性が高いと言えます。
ただし、だからといって軽いシューズを選べば良いというわけではありません。
重量を削るためにソールの耐久が貧弱になっていたり、重い荷物を背負った際に滑りやすくなったり、足首が不安定になったりと、デメリットもあります。
重量だけでシューズを選ぶのではなく、他の機能とのバランスや、自分が求める耐久性、安全性を考慮して決定しましょう。
③アッパー素材
足全体を覆う部分をアッパーと言います。
アッパーは足を全体的に固定し、石や木などから足を保護し、温度を保つ機能を持っています。
かつてはレザーが使われていましたが、現代では軽くて柔らかい素材であるナイロンといった科学繊維やプラスチックなどによる完全防水タイプのシューズが一般的になりました。
昔ながらのレザーにも、化学繊維や合成樹脂といった素材にも良いところはあります。
なので、単純に新しいかどうかだけで判断するのではなくそれぞれの特徴を理解して、目的に合った素材を選びましょう。
初めてシューズを購入する場合は、素材が全て化学繊維でできた柔らかいシューズや、機能面においてバランスのとれたハイブリットタイプのシューズがおすすめです。
④アウターソールの硬さ
アウターソールとは靴底の外側の部分になります。
グリップや歩きやすさに直接関係している部分のため、選ぶ際はきちんと確認をしましょう。
アウターソールにおいて最も大事なのは全体の硬さです。
柔らかければそれだけ歩きやすく、快適で軽い登山に向いており、硬いソールは頑丈で岩場やぬかるみなどといった場所に向いています。
登る山に合わせて決めましょう。
⑤靴底の形
靴底の形にもいろいろなタイプがあり、特徴を理解すればその場所に合わせたものを選ぶことが出来るでしょう。
簡単な見分け方としては、溝が深く、間隔が広ければぬかるみなどの歩きにくい登山道でも歩きやすく重い荷物を背負っていてもしっかりと支えてくれます。
一方、溝が浅ければ平坦な道などでは歩きやすく疲れにくいですが、濡れた場所やぬかるんだ場所だと滑りやすくなります。
また、先端が平坦で尖っていると岩場でも小さい突起に足をかけることが出来ます。
⑥防水透湿性能
登山をしているとたとえ雨などでシューズが濡れていなくても、汗で意外と蒸れたりします。
蒸れていると、体温が奪われるだけでなく皮膚がふやけて皮が剥けやすくなってしまいます。
そうした事態を未然に防ぐためにも防水透湿性能は欠かせません。
特に日本は高温多湿な気候であるため、この機能はより重要と言えるでしょう。
有名なメーカーのシューズであれば大抵は防水透湿性素材が使われていますが、数千円で買える安いシューズだとこの機能がない場合があるため注意が必要です。
ちなみに、こうした機能は化学繊維の素材でないと出来ないと勘違いされがちですが、レザーにも天然の通気性と防水性はありますし、最近では化学繊維と比べて遜色のないほど高性能な防水透湿性能を備えたものもあります。
ただ、レザーは天然素材であるためこまめな手入れが必要です。
⑦締め具
締め具は締めやすく、締めた時に足をしっかりと押さえてくれるかどうか確認しましょう。
また、激しく動いても締め具が緩みにくいもの選ぶと良いです。
最近では締め具も進歩しておりシューレースは細く丈夫になり、シューレースを通す穴にもアルミやプラスチックなどが使用され耐久性と軽量化を両立させた作りになっています。
店頭で買う際の注意点
トレッキングシューズを買いにお店に行くと「おすすめ!」や「お買い得!」などの宣伝文句が目に入ると思います。
そうした宣伝に惑わされないように注意しましょう。
また、やたら1つの商品を勧めてくる店員も避けた方が良いです。
本当におすすめのシューズはお店か掲げるものではなく、自身の足とその登山に合ったシューズなのです。
眺めているだけではそのシューズが合っているかどうかはわかりません。
事前に調査を重ね当たりをつけて、何種類もシューズを試し履きして自分にピッタリのものを選びましょう。
まとめ
トレッキングシューズを選ぶ際一番良いものを教えてくれるのは他ではない自分の足です。
自分にぴったりのシューズを選ぶためにも、サイズだけではなく機能や性能を吟味しておきましょう。
また、店頭では合うシューズが見つかるまで妥協せず、何種類でも試し履きしてみましょう。
時間を掛けて自分に合ったシューズを選ぶことが出来れば登山が快適になるだけではなく、怪我や事故を未然に防ぐことにも繋がります。
自分にピッタリと合ったシューズを見つけて安全に楽しく登山をしましょう。