トレッキングシューズが登山に適している理由と正しい選び方

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いま日本ではトレッキングが大きなブームとなっています。

スポーツとして行う方はもちろん、趣味や健康のために、といった方々も増えてきています。

もちろん、これから始めようと考えている方もおられるのではないでしょうか。

そういった方々のためにも、トレッキングで何より必要不可欠なアイテムである「トレッキングシューズ」の特徴や、実際に選ぶ際のポイントをまとめていこうと思います。




トレッキングシューズは初心者向けの登山靴

トレッキングシューズと言う言葉はよく耳にするようになってきましたが、実際にどういった環境で使われるのでしょうか。

まず前提として、トレッキングシューズというのは登山靴のカテゴリーの内の一つです。

登山靴は元々、重登山靴と軽登山靴という分類しかなされていませんでしたが、現在ではさらに細分化されてきています。

●アルパインブーツ-標高が3000m以上かつ厳冬期のようなハードな環境に対応
●マウンテンブーツ-標高が3000m以下ではあるがハードな環境に対応
●トレッキングシューズ-半日程度といった割と長時間の歩行、かつ重たい荷物を背負うような状況に対応
●ライトトレッキングシューズ-一見スニーカーのように見える安価なものから優れた性能を持つものまで幅は広いが、構造上夏場以外の使用は推奨されない

この他にも何種類かあるにはあるのですが、実際の登山でメインとして使われることを考えるとあまり必要が無いと思われるので省略させてもらいました。

見てもらった通り、トレッキングシューズでも2種類に分かれているのがお分かりかと思います。

本当の初心者で初めてトレッキングシューズを購入されというる方は、いきなり雪山登山をすることはないでしょうから、間違ってアルパインブーツやマウンテンブーツを購入することがないように気をつけてください。




トレッキングシューズとスニーカーには3点の大きな違いが

一見するとスニーカーのように見えるものもあるトレッキングシューズですが、平地用のスニーカーと山道用のトレッキングシューズでは靴自体に求められる性能が異なるため、それぞれに大きな違いがあります。

ここからはその違いを重要な3点に絞って解説してこうと思います。

歩きやすさ

もちろんこれは山道での歩きやすさという意味です。

一般的な舗装された道路と違い、山道は未舗装路がほとんどで、ゴツゴツした岩場を歩く場面も多くあり、石ころや木の枝なんかのような障害物もたくさん転がっています。

そんな状況でも歩きやすさを保つため、靴底(アウトソール)の構造が特殊なものになっています。

足に直接影響しないよう硬く厚めに、なおかつぬかるんだ地面でも滑りにくいように溝が深くなっていることで、山道であってもストレスなく歩くことができようになっているのです。

ケガの防止

トレッキングシューズはほとんどが足首より上のくるぶしまで覆ってしまうような作りとなっています。

これは砂利や泥が靴の内側に入ってしまうことを防止してくれる効果があるのですが、それよりも重要なのは、足首を捻挫してしまうのを防止する効果があるということです。

先にも言ったとおり、山道は元々歩きやすい道ではないため、舗装路に比べるとバランスを崩しやすく、ケガをする確率も高くなります。

しかし、しっかりとくるぶしまで靴で覆われ、さらに紐でガッチリと固定されていることによって足首のグラつきを抑えてくれます。

このことで結果的に捻挫をしてしまうリスクを減らすことができるのです。

その分スニーカーに比べると重量も増えてはしまいますが、ケガをしてしまうことに比べれば、メリットのほうが大きいと言えます。

防水性

防水性もトレッキングシューズの大きな特徴の一つです。

これは防寒性にも繋がってくるので、長時間のトレッキングを行う際にはとても重要になってきます。

靴の中に水が入ってくると足が濡れてしまうため、体温の低下を招き、結果的に急速に体力を消耗してしまうことになります。

この防水性という部分では、濡れてしまう前提で作られているという点で、スニーカーとは比べ物にならないでしょう。

実際に購入する際に気をつけるポイント2点

トレッキングシューズの特徴はお分かりいただけたでしょうか。

ここからは、実際に購入する際に気をつけたほうが良いポイントで、特に重要な3点を挙げていくことにします。

サイズ選び

これは一番重要と言っても過言ではないポイントです。

通常の靴選びと同様で、必ず試し履きをしてください。

その上で、全体的に余裕がありすぎるサイズは避けて、横幅がピッタリとフィットするもの。

なおかつ、つま先は少し余裕があるものを選ぶようにしましょう。

全体にブカブカで余裕のあるものですと靴ずれなどの原因となってしまいますし、つま先に余裕がないものは下り坂を歩く際に大きなストレスがかかってしまいます。

何より大事なことは、専門店へ出向いて選びましょう。

なぜかと言うと、専門店には山道を模した傾斜台を設置してくれているからです。

実際に使用する場面が平坦な道ではないので、ただ店内を歩くだけでは試し履きをする意味が全くありません。

しっかりと使用する場面を想定しながら選ぶことをおすすめします。

素材

登山靴といえば以前はレザー(革)製のものだけでしたが、現在のトレッキングシューズは様々な素材によって作られています。

昔ながらのレザー製はもちろん、通気性の良い化学繊維(ナイロン)製、革と化学繊維を適所に使用したハイブリッド製など、本当に様々なものが存在しています。

どれか一つが優れているというわけではなく、それぞれに異なった良さがありますので、簡単にですがそれらを紹介していくことにしましょう。

●レザー製-耐久性や防水性が高く、使い込むと足に馴染んでくるため、長期に渡って使用することができる。

●化学繊維製-防水性や柔軟性が高く軽量なため、初心者でも扱いやすい。

●ハイブリッド製-現状では一番主流のタイプ。

レザーと化学繊維の良いところが合わさっており、全体的にバランスが良い。

ざっくりと特徴を挙げさせてもらいましたが、もちろんそれぞれの中でもメーカーや価格によって性能は変わってきます。

サイズと一緒で、素材についても必ず知識のある方に相談しながら選ぶ方が後々後悔することはないでしょう。

用途

意外とこれも重要なポイントとなります。

自分が実際にこれからどういう使い方をしていきたいのかをイメージしてから購入するようにしましょう。

これから少しずつレベルを上げてステップアップしていこうと考えている方と、健康目的で年に何度かしか使う予定がない方では、選ぶものも変わってきます。

もし前者の方が、性能にこだわらず安価なもの購入したとしても、結局物足りなくなってしまって、性能の良いものが欲しくなってしまいます。

一方、後者の方が、特に気にせず高性能で高価なものを購入しても、それはそれで宝の持ち腐れになってしまうのです。

これも他の2点と同じになってしまいますが、自分がどう使っていきたいかをしっかりイメージできたら、実際に専門店へ足を運び、知識のある方に相談しながら選ぶようにしましょう。

まとめ

今回はトレッキングシューズについて、その特徴や選び方を解説させてもらいました。

実際にトレッキングをしようと思っていても、色々考えているうちに中々踏み出すことができない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

説明はできるだけ簡単にさせてもらいましたが、これは初めてトレッキングシューズを購入しようと考えている方にとっては最低限必要な知識です。

今現在、購入するかどうかで迷われている方がこの記事を読んでしまったのであれば、そのまま専門店へ向かってみてください。

そうして知識のある方と相談をしながら選んだ靴には自然と愛着が生まれ、それを購入したことがトレッキングを始めるきっかけになればと思います。