「無」熟成から「追い」熟成まで、ウイスキーの寝かせ方いろいろ

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「無」熟成から「追い」熟成まで、ウイスキーの寝かせ方いろいろ

熟成無しのウイスキーなんてご存知でしょうか。

あるいは、せっかくの製品をさらに熟成させてしまうなんて方法はお試しになったことはあるでしょうか。

無熟成のものから、熟成途中の「つまみ飲み」、完成品を自分の好みに調整してしまう「追い熟成」まで、ちょっと変わったウイスキーの楽しみ方を少しご紹介します。

蒸留所気分を味わうもよし、自分好みのオリジナル・エイジングを探してみるのもよし。

もちろん、熟成前のウイスキーそのものも十分に面白いスピリッツですよ。



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熟成しないウイスキー?

まずは熟成「0」年のウイスキーの紹介を。

お酒に関する法律はどこも厳しめで、スコッチなら3年以上、ストレート・バーボンなら2年以上、などと各国最低熟成期間が決まっていることが多いのですが、例外もあります。

これはバーボンの親戚なのですが、アメリカの「コーンウイスキー」というタイプがそれですね。

バッファロートレースなどは熟成前の原酒(ホワイトドッグ、ニューメイク、ニューポットなどと言います)をその段階で別にボトリングしており、飲んでみると、製造工程の途中を覗き見するような楽しさがあるものです。

また、こちらは残念ながらケンタッキーにある蒸留所でしか手に入らないとのことですが、有名なメイカーズマークも無熟成ウイスキーを出しているようです。

さらに、ジョージアムーンという銘柄などはラベルに"Less than 30 days old(熟成三十日未満)"と誇らしげに印刷してあったりします。

それって要するにトウモロコシ焼酎では……とも思ってしまいますが、変わったボトルを試してみたい方にはおすすめします。

なおちなみに、熟成させてはいけないというわけではないので、コーンウイスキーにも5年物なりはちゃんとあります。



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ホーム・エイジング

さて、そんな無熟成ウイスキーですが、少し変わった楽しみ方があります。

実は、熟成用の樽は市販もされていて、1リットルのミニチュアから20リットルを超えるものまで、「自家熟成」用の樽は入手可能だったりするのです。

自宅に置ける樽ですから、大変にかわいらしい、小さなものです(20リットルはかわいくないかもしれません)。

ただしそれは悪いことではなく、小型の樽だと内側と原酒とが接触する面積が相対的に大きくなるため、性質が変わっていくのが速いというメリットがあります。

1月毎はもちろん、半月、1週間ごとの味の変化すら楽しむこともできるでしょう。

しかし、容量は数リットルからですので……飲みたい向きにとっては、数ヵ月ともたないかもしれませんね。

仕込みカクテルにも

樽の使い方は他にもあって、たとえばバーテンダーさんの代わりをしていただく、というものもあるようです。

ウイスキーのカクテルにマンハッタンというのがありますが、その材料であるウイスキーとヴェルモットを一緒に樽に詰め、2、3か月ほど寝かせてしまうということですね。

ビターはお好みで。

やがてどこにもないマンハッタンがいただける、というわけです。

熟成後はボトルに詰め、冷凍庫から出していただくのでしょうか。

おいしそうではありますね。

オフィシャル追い熟成

さて、そんな夢のある追い熟成ですが、多くの蒸留所が実はこの手法を使っているそうです。

まず、ブレンデッドウイスキーの場合、ブレンドした後に樽に詰めなおすことがあるといいます。

ただ混ぜるだけではなく、なじませるためにもう一度樽で落ち着かせるのですね。

そればかりか、デフォルトの造り方がそもそも二段階を踏んでいる銘柄もあります。

こちらは、熟成期間の最後の方で樽を替え、移る色や風味をコントロールする、という意味合いです。

ラガヴーリン16年などは、バーボン樽での熟成の後、最後の半年程度をシェリー樽で寝かせるといいます。

どのようにして確立された方法なのか見当もつきませんが、バーボン樽とシェリー樽とでは引き出せるものは確かに違いますので、いいとこ取りの究極、ということなのかもしれません。

まとめ

最後に、再び自宅用のウイスキー樽に話を戻すと、これには既に完成された銘柄を一品、そのまま詰めておくことももちろんできます。

前述のように味の変化は速いですから、半月、一ヵ月、と少しづつ変化を楽しむことができるでしょう。

何々の銘柄を何々のワイン樽で追い熟成、七か月目が最高だ、などといったマニアックなお気に入りが見つかるかもしれませんね。

あるいは、何かの記念日にでもニューメイクなり熟成済みの製品なりを樽に詰めておき、一年に一度ガラスのボトルに空けてみたりするのも、きっと面白い楽しみ方だと思います。

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