ウイスキーってどうやって保管するの?初心者にも簡単なウイスキーの保管方法
普段からウイスキーを飲んでいない方にとって、ウイスキーの保管方法は未知の世界です。
大人になると、会社の方からの贈り物や、ちょっとしたパーティの景品など、ひょんなことからウイスキーが手に入ることもあるでしょう。
しかしビールや日本酒と違い、ウイスキーの保管方法ってあまり馴染みがありませんよね。
そこで今回は、良いウイスキーが手に入ったときのために、簡単に実践できるウイスキーの保管方法をご紹介します。
それほど特別な道具を用意するわけでもなく、深い知識もいりませんので、ウイスキー初心者の皆さん必見ですよ!
ウイスキーは正しく保管しないと劣化してしまう
ウイスキーは、劣化しにくいお酒だと言われています。
蒸留してから数十年保管したウイスキーでも問題なく飲めるほどです。
しかし全く劣化しないというのは間違いです。
適切に保管されたウイスキーであれば、時間が経つほど味わい深いお酒へと変化しますが、保管方法を間違えれば味が悪い方向に変化することもあります。
よほど劣悪な環境に置かない限りは開封してから1~2週間で劣化しきるということはありませんが、開封後のウイスキーは少しづつ酸化するため、元の味わいは損なわれてしまいます。
腐ることはほとんどありませんが、美味しくなくなることは十分にあり得るということです。
とはいえ、ウイスキーは他のお酒に比べれば圧倒的に腐りにくく、保管の容易なお酒です。
ワインのように特別なセラーを用意する必要もなければ、温度管理に細かな気を使うこともありません。
適切な保管方法を覚えるだけで、初心者でも簡単にウイスキーの劣化を抑えることができます。
ウイスキーは正しく保管すれば100年以上はもつといわれるほどのお酒なので、良いウイスキーを手に入れたら保管方法を学んでおきましょう。
ウイスキーを保管するための4つのコツ
ここでは、初心者でも簡単にウイスキーの保管ができる4つの方法をご紹介します。
それぞれの方法を別々に行うのではなく、4つの方法全てを同時に実践するのがベストです。
これらのポイントを押さえているのといないのとでは開栓後のウイスキーの味わいが大きく異なるため、しっかりと学んでおきましょう。
また、今回ご紹介する方法よりも更に本格的な方法として、ウイスキーの保管庫にワインセラーを使用する方法などもあります。
しかし保管するウイスキーの本数が少ない方や初心者にはややハードルが高く、最初はそこまで本格的な方法をとる必要もないでしょう。
今回は、手軽に実行できるおすすめの方法だけをまとめておきます。
ウイスキーを冷蔵庫で保管してはいけない
普段ウイスキーを飲み慣れていない方は、つい冷蔵庫でウイスキーを保管してしまいがちです。
しかしウイスキーの保管に冷蔵庫を使うのは適当とは言えません。
ウイスキーは冷蔵すると味が変わってしまうことがあります。
劣化するというのとは少し違いますが、それでもウイスキーの持つ芳醇な風味が損なわれることに変わりはありません。
元の風味を保ったまま長期保管したい場合は、冷蔵庫で保管するのは避けたほうが賢明でしょう。
ただし、長期間保管するのではなく1~2週間で飲み切ってしまう予定がある場合はその限りではありません。
ハイボールに使うためのウイスキーは冷蔵庫で保管することが推奨されており、ウイスキーの飲み方によっても保管方法を変えるのが適切です。
なぜハイボールの時だけ冷蔵庫で保管するのかといえば、冷やしたウイスキーで作ったハイボールは氷が溶けにくく、ウイスキーの風味が長時間持続するためです。
同じく、水割りやオンザロックでも冷蔵庫で保管したウイスキーを使うことができるでしょう。
ただしこの方法はあくまで「保管方法」ではなく「美味しく飲むための方法」です。
何年も風味を損なわずに冷蔵庫で保管することはできませんので、間違えないように注意しましょう。
光を徹底的に遮ろう!
長い時間保管されるウイスキーの天敵とも呼べるのが「光」です。
特に紫外線を含んだ太陽光は、ウイスキーの味や香りに大きな悪影響を与えると言われています。
どれだけ完全に密閉したビンであっても、光はビンを通過してウイスキーに当たります。
黒や茶色のビンなら紫外線を通さないと思っている方もいるかもしれませんが、素材がビンである以上、太陽光はどうしてもウイスキーを直撃してしまうのです。
そこで、ウイスキーを保管するためには光を徹底的に遮る必要があります。
ただカーテンを閉めた部屋に置いておくだけでは不十分です。
光の入らない箱の中に入れ、更に押し入れなどの光の入らない場所に置いておくのが望ましいでしょう。
また、ビンそのものにアルミホイルなどを巻いて遮光するという方法もあります。
とにかく、あらゆる手段を使ってウイスキーに当たる光を制限しておきましょう。
密閉性が高いビンに移し替える
ウイスキーを最も劣化させる存在が「空気」です。
開栓前のウイスキーは何十年置いておいても腐らないと言われていますが、一度開栓したウイスキーは空気に触れるため、どうしても酸化は免れません。
それでもアルコールが残っている間は腐りませんが、風味はどんどん悪くなってしまいます。
ウイスキーを飲み進めるほどに、ビンの中には空洞が出来ていきます。
当然、この空洞にはその分の空気が入りますから、残量が少なくなるほどに空気に触れやすくなるわけです。
そこで、飲みかけのウイスキーは、出来るだけ密閉性の高いビンに移し替えるのがおすすめです。
元のビンよりもサイズの小さいビンに移し替えることで、保管するビンの中の空気を減らすことができます。
密閉性の高いビンに保管するだけで、酸化が進むのを大幅に遅らせる効果が期待できます。
プライベート・プリザーブを使用する
ワインの保管によく使用される「プライベート・プリザーブ」は、ウイスキーの保管にも使用できます。
プライベート・プリザーブとはワインの酸化を防止するために使われる不活性ガスで、トップワイナリーでは日常的に使用されているものです。
ウイスキーのビンにプライベート・プリザーブのガスを注入すると、ビンの中でウイスキーと空気の間にガスが溜まります。
このガスは空気より比重が重いため、空気が直接ウイスキーに触れることを防いでくれるのです。
ガス自体は無臭で無害なので、ウイスキーの風味に影響を与えることはありません。
プライベート・プリザーブはネットショップなどでも手軽に購入できるため、長期間のウイスキー保存を目指すなら、用意しておいて損は無いでしょう。
ウイスキーは開栓した直後が一番美味しい
ウイスキーは作られた年代が古いものほど高価で、熟成が進んでいるものが多い傾向にあります。
確かに数十年の熟成を経たウイスキーは薫り高く、若いウイスキーには出せない風味をもっています。
ウイスキーは熟成年数が長ければ長いものほど美味しいと言う愛好家も少なくありません。
しかし、それはウイスキーのビンを開けるまでの話です。
ウイスキーは基本的に、ビンを開けたその瞬間が一番美味しいと言われています。
ウイスキーの熟成は簡単なものではなく、蒸留所で働くプロの技術あってこそ成り立つものです。
蒸留所で作られたウイスキーは、ビンを開栓した瞬間に最も美味しくなるよう計算して作られています。
素人が開栓後のウイスキーを保管しておいたところで、それ以上熟成が進むことはありません。
大抵は、ただ劣化が進んで風味が失われてしまうだけでしょう。
ウイスキーの「保管」を「熟成」と混同しないように注意しましょう。
今回ご紹介したようなウイスキーを保管する方法は、あくまで長くウイスキーを愉しむためのものであり、風味を増す方法では決してありません。
出来ることなら、開栓して数日以内に飲みきってしまうのが最も美味しくウイスキーを飲む方法だということは頭に入れておきましょう。
ウイスキーには賞味期限が無い
ここまで、ウイスキーは適切に保管しなければ劣化するというお話をしてきました。
しかしウイスキーは、劣化はしても腐敗することは無いと言われています。
事実、国内で販売されている多くのウイスキーには賞味期限の表示がありません。
日本の食品表示法では、ウイスキーの賞味期限は義務ではないのです。
そのため、開栓されていないウイスキーなら蒸留から数十年が経過したものでも問題なく飲めるとされています。
ただしコルク栓のウイスキーや樽入りのウイスキーは、時間経過と共に木の成分が溶けだしてしまうため、ビン入りのウイスキーほど長持ちしないと言われています。
まとめ
ウイスキーを保管するための基本的な方法は以上です。
ポイントをまとめると、ウイスキーは「光に当てない」「空気に触れさせない」「冷蔵庫に入れない」ということが大切です。
また、出来ることなら長期間保管し続けようとせず、開栓したらすぐに飲み切ってしまうのがベストです。
ウイスキーの保管は、そんなに難しいものではありません。
一度方法を覚えれば初心者でも簡単にウイスキーを保管できますので、ぜひ試してみてくださいね。
キチンと保管したウイスキーは、出しっぱなしで保管したウイスキーとは風味が全然違いますよ!