国産ウイスキー、美味しく楽しめる? 食中酒として初心者にも!おすすめの料理とのマリアージュ、レシピ3選つき
お中元などのいただきものが、国産ウイスキーだったことありませんか?
何年も置かれた飾り物と化した国産ウイスキーが自宅にある人も少なくないでしょう。
「ウイスキー」というお酒は、テレビドラマやCM効果で脚光を浴びていますが、馴染みのない人は手が出しにくいものです。
せっかくのいただきものや余ってしまった国産ウイスキーは、実はウイスキー初心者向けの飲み口なのです。
ここでは、国産ウイスキーの特徴、飲み方や料理との組み合わせをご紹介します。
国産ウイスキーで、お酒を楽しむ幅を広げましょう。
国産ウイスキーの歴史と特徴
ウイスキーを敬遠している人は、「ウイスキーの飲み方の王道はストレート、アルコールが強すぎて苦手」とい人も多いのではないでしょうか?
もちろん、国産ウイスキーもストレートで楽しんでも美味しいのですが、その固定観念は捨てましょう。
かつて、国産ウイスキーを広めた飲み方は、ストレートではないのです。
そして、それが日本のウイスキーの特徴でもあり、海外でも国産ウイスキーに人気が出ている理由でもあります。
歴史
国産ウイスキーが販売用として生産開始されたのは、1924年と言われています。
これは、サントリーウイスキーの山崎蒸留所の竣工式があった年になります。
ウイスキーを製造するメーカーは日本でも複数ありますが、国産ウイスキー市場でのサントリーの存在は始まりから絶大なのです。
また、ニッカウヰスキーも欠かせないメーカーです。
ドラマにもなった、ニッカウヰスキーの創始者の竹鶴政孝は、スコットランドのウイスキー製法で国産ウイスキーの生産に乗り出した第一人者です。
そして、かつて国産ウイスキーといえば「トリスウイスキー」とまで言われたウイスキーを発売したのは、サントリーです。
1970年代、サントリーはウイスキーを世間に浸透させるために「二本箸作戦」という営業を展開しました。
これは、和食には日本酒という日本文化を打ちこわすため、料亭や割烹、寿司屋を中心にウイスキーを売り込む営業でした。
この時に飲みやすく食事にあうウイスキーの飲み方として、ハイボールも広められたのです。
国産ウイスキーの特徴
スコッチ・ウイスキーを手本にした国産ウイスキーですが、当初、特有のスモーキーフレーバーは日本人に合わず、売上が伸びずに苦戦していました。
そこで考えられたのが、ブレンとする製法です。
軽い口当たりに仕上げるために、モルトウイスキーとグレーンウイスキーをミックスしたのです。
今でも、国産ウイスキーの主流は、このブレンデッドウイスキーです。
国産ウイスキーを食中酒に
飲みやすい口当たりから、国産ウイスキーはサントリーの営業作戦にのり、食中酒として楽しまれています。
しかし、これは世界のウイスキーの楽しみ方とは違う、独特の習慣です。
食中酒として提案した思惑
世界では、ウイスキーは食後にストレートで楽しむのが一般的です。
また、ウイスキーを水やお湯、炭酸水で割るのも日本独特の文化です。
日本では、ウイスキーは強いアルコール度数で敬遠されていました。
そこで、焼酎を割って飲む文化を真似て、アルコール度数を15°程度までさげる飲み方が考え出されたのです。
アルコール度数をさげれば、食事との相性も良くなり、食中酒としての地位を確立するのにも繋がりました。
食中酒としておすすめはハイボール
そんな独特な歴史を持つ国産ウイスキーは、ウイスキーだからといってストレートにこだわる必要はありません。
水割り、お湯割りもいいですが、初心者にもおすすめの国産ウイスキーの食中酒としての飲み方は、やっぱりハイボールです。
基本のハイボール
【材料】お手元にあるウイスキー、炭酸水、氷【必要なもの】グラスまたはジョッキー、マドラー(混ぜ棒)ハイボールのような割りものは、自分の好みの濃度に調整できるのも初心者におすすめのポイントです。
ですが、ハイボールの基本は、ウイスキー:炭酸水=1:2〜2.5です。
分量で言えば、ウイスキー45mlに対して、炭酸水90ml〜110mlくらいで作るのがおすすめです。
【作り方】①グラスに好みの量の氷を入れます。
氷をグラスの中でかき混ぜて、グラスを冷やします。
氷が溶けて出た水は捨てます。
②ウイスキーを入れて、氷とかき混ぜます。
③炭酸水を氷に当たらないように(氷が溶けないようにするため)、ゆっくり注ぎます。
最後に混ぜますが、縦に1回で十分です。
炭酸が飛ばないように、氷が溶けださないようにするためです。
さらにハイボールを美味しくするポイント
グラスまたはジョッキー、炭酸水を冷蔵庫で冷やすだけでなく、ウイスキーもボトルごと冷蔵庫か冷凍庫でよく冷やしておくといいです。
ウイスキーはアルコール度数が高いので、冷凍庫でも凍りません。
また、お店もよくやっていますが、レモンを絞るかレモンスライスやくし切りを添えるのも定番になりつつあります。
ちょっとした変化球で、ライムもおすすめです。
国産ウイスキーと料理のマリアージュ
食中酒としてもおすすめのウイスキーですが、料理と合わせるにはどんな組み合わせがいいのでしょうか。
ワインと料理のマリアージュのポイントが、そのままだいたいがウイスキーにも当てはまります。
①味の深みを合わせる例えば、サントリーの白州・知多はすっきりした切れで、白ワインのようさ軽さを持っています。
チキンやシーフードに合います。
創業者の名前を冠したニッカの「竹鶴」は、ピートからくるスモーキーさで深い味わいです。
また、代名詞:ブラックニッカもピート香が重みのある豊かさの「ディープブレンド」があります。
どちらも、しっかりした肉料理やサラミなどの加工品に合わせても負けないウイスキーです。
②味の方向性を合わせるハーブや森、花の香りがするニッカのピュアモルトレッドやサントリー角瓶などは、ハーブを使った料理との相性がバツグンです。
ニッカウヰスキー余市は、木樽のリッチな香りがします。
香ばしさを感じるので、スモークしたものやキャラメライズされたナッツなどはいいでしょう。
③困ったときはスパークリングスパークリングワインに当たるのは、ウイスキーだとハイボールです。
合わせ方に困った時には、しゅわしゅわのハイボールが正解です。
国産ウイスキーにおすすめの料理レシピ
いくつかウイスキーに合わせた料理のレシピを紹介します。
白州や知多におすすめ、ハーブ薫るチキングリル
【材料】2人分
- 鶏もも肉…300g(大きめ1枚)
- 塩こしょう…適量
- オリーブオイル…大さじ1
- 乾燥バジル…小さじ1
- 乾燥ローズマリー…小さじ1
※タイム、セージ、オレガノをミックスしてもおいしいです。
【作り方】①鶏もも肉は厚みが均等になるよう、必要に応じて包丁で観音開きに切れ目を入れます。
火の通りをよくするためと縮み防止で、皮の部分にフォークで数か所穴をあけます。
②鶏もも肉の両面にしっかりと塩こしょうをします。
③皮の部分に、乾燥ハーブを指で砕きながらふりかけ、最後に軽く押し付けます。
④フライパンにオリーブオイルを入れて、皮を下にして中火で約5分焼きます。
⑤こんがり焼き色がついたらひっくり返し、蓋をして中弱火で約5分蒸し焼きにします。
※この時、少しウイスキーをたらして、香りをつけてあげるのもいいです。
山崎、響などに合う、タルタル風炙りサーモン
【材料】2人分
- 刺身用サーモン…100g
- わけぎ…1本
- ほうれん草…1/3束
- お好みのナッツ…50g
- レモン汁…小さじ1強
- 醤油…小さじ1/2
- オリーブオイル…大さじ1
- あらびきコショウ…適量
- ごま…大さじ1
【作り方】①お刺身用サーモンのさくに串を数本うって、コンロの強火で軽く炙ります。
②焼き色がついたら、氷水につけて冷やします。
③ほうれん草を茹でて、冷水で冷やします。
④わけぎはみじん切り、ほうれん草は食べやすい大きさに切ります。
⑤お好みのナッツ類は、ジップロックに入れて砕いて、フライパンで乾煎りします。
⑥冷えたサーモンを5mm程度にスライスします。
⑦わけぎとコショウ以外のすべての材料と調味料をボールに入れて混ぜ合わせます。
⑧あればクルセルを使い、なければお皿の真ん中にこんもりと盛り付けます。
⑨わけぎとコショウをトッピングして出来上がりです。
竹鶴やブラックニッカに、豚バラのウイスキーポーク
【材料】軽く2人分
- 豚バラブロック…250g
- 塩こしょう…適量
- 〇ウイスキー…大さじ1
- 〇ハチミツ…大さじ1/2
- 〇塩…少々
【作り方】①豚ブタブロックを3cmの厚みに切ります。
②①に塩こしょうをしてなじませます。
③ビニール袋に②と〇の調味料をいれ軽くもみ、空気を抜いて口をしたら、冷蔵庫で1時間程度休ませます。
④冷蔵庫から③を出して、10分ほど室温になじませます。
⑤魚焼きグリルで、弱火で10分ほど焼きます。
(グリルによって火加減が違うので、焦げないように時々見てください。)⑥焼きあがったら、5分程度そのまま放置して余熱を通します。
⑦粒マスタードやホースラディッシュ、ケチャップなどお好みの調味料を添えて盛り付けて出来上がりです。
まとめ
家にある国産ウイスキーで、テーブルを華やかに、そしてお酒の世界を広げてみてください。
飲みやすさでは定評のある国産ウイスキーだからこそ、初心者の方にもおすすめです。
ボトル1本単位での大量消費をしたい時には、ウイスキー梅酒もおすすめです。
一般的な梅酒の作り方で、ホワイトリカーをウイスキーに置き換えて、氷砂糖を半分程度に減らすのがポイントです。
また新しいお酒の世界を楽しめます。