ブランデー初心者にもおすすめ!ブランデーカクテルの魅力
果実酒を蒸留して熟成させたお酒がブランデーです。
多くの方がブランデーといえば高級酒というイメージを持っていると思います。
その楽しみ方はブランデー・グラスに注いだストレートのブランデーをゆっくりと手のひらで温めながらというのがオーソドックスでしょう。
それ以外の飲み方は邪道と考える人もいるかもしれません。
しかしブランデーの豊かな香りはカクテルにすることで、また違った魅力を感じさせてくれるのです。
カクテルを楽しむ
カクテルとはお酒やその他の材料をミックスすることによって出来上がるアルコール飲料のことです。
バーテンダーがシェイカーを振ってカクテル作るシーンは映画やドラマの定番シーンとなっています。
もともとカクテルは古代に質の悪いお酒の味をごまかすために始まったとされています。
しかし現在ではアルコールに何かを混ぜるというのは当然のことで、それにより多くの人がお酒を楽しめるようになりました。
甘くて飲みやすいものも多く見た目も美しいカクテルは女性にも大人気です。
カクテルの種類は日々増え続けており、今では数千種類とも言われています。
カクテルには、そのタイプによってホットとコールド、ロングとショートなどの区別があります。
ホットとコールドはカクテルの温度を、ロングとショートは長く時間をかけて楽しむものとすぐに飲むものを表しています。
カクテルを楽しむためにはバーでプロのバーテンダーさんに作ってもらうのが一番ですが自宅で楽しむことも可能です。
シェイカーがなくても材料となるスピリッツやリキュール、ソフトドリンクなどがあれば後はグラスとマドラーさえあれば十分に楽しめます。
バーに入ることに気後れしてしまう人も、まずは自宅で自らカクテルを作り楽しんでみてはいかがでしょうか。
ブランデーカクテルの魅力
カクテルに欠かせないものがスピリッツです。
スピリッツとは、いわゆる蒸留酒のことで中でもカクテルに主に使用されるのはホワイト・スピリッツと呼ばれるテキーラ、ラム、ジン、ウォッカなどでしょう。
これらのスピリッツがカクテルのベースとなります。
それにリキュール、ジュースや炭酸飲料などのソフトドリンク、またはシロップや牛乳や卵などを加えて様々なカクテルが作られます。
リキュールとはスピリッツに香料や甘味料、スパイスなどで風味を加えたアルコール飲料のことです。
ではブランデーはどうかというとウイスキーなどとともにブラウン・スピリッツというように呼ばれています。
樽で熟成されたブランデーやウイスキーは味や香りが出来上がったお酒ということで、ホワイト・スピリッツほど多くはカクテルに使用されません。
特にブランデーは良い物ほど、その芳醇な香りを楽しむためにストレート以外の飲み方は推奨されません。
しかしカクテルにおいてもブランデーの香りは決して死なず素晴らしい調和を生み出してくれます。
ブランデーはストレートでしか飲まないというブランデー愛好家の方もブランデーカクテルを試してみることで、新しいブランデーの可能性を感じてみてください。
カクテルで使うブランデーを知る
コニャック
フランスのコニャック地方で作られるブドウを原料としたブランデーです。
ブランデーの代名詞ともいうべきお酒で、世界一高価なアルコールとも呼ばれています。
しかし、その値段はピンからキリまで存在し、数千円で手に入る物も少なくありません。
比較的安価なコニャックでカクテルを楽しめば、ブランデー未経験の方でもブランデーの世界に足を踏み入れやすいと思います。
カクテルの材料においてブランデーとだけ表記されている場合はブドウを原料としたブランデーを使用しますが特にこのコニャックが無難だと思います。
他にもブドウを原料としたブランデーには、同じフランスのアルマニャックやイタリアのグラッパ、スペインのオルーホなども有名です。
カルヴァドス
カルヴァドスはフランスのノルマンディー地方で作られるリンゴを原料としたブランデーです。
ブドウを原料としたブランデーがワインを蒸留したものならば、このカルヴァドスはシードル(リンゴ酒)を蒸留したものでアップル・ブランデーと呼ばれます。
リンゴの香りが口の中いっぱいに広がることが特徴のブランデーです。
瓶の中に大きなリンゴが1個まるごと入ったボトルも有名です。
ブランデーのなかでも製菓に使われることも多く、女性にも親しみやすいブランデーとなっています。
カクテルにおいてはレシピでカルヴァドスを指定しているものも多く、通常のブランデーを使用するかカルヴァドスを使用するかで別のカクテルになることも多いです。
キルシュヴァッサー
キルシュヴァッサーはドイツのシュヴァルツヴァルト地方で作られるサクランボを原料としたブランデーです。
無色透明のホワイト・スピリッツで、チェリー・ブランデーの代表的なお酒です。
キルシュと短縮して呼ばれることも多く、特に製菓をする方には馴染み深いお酒だと思います。
チェリー・ブランデーにはもう一つ、スピリッツにサクランボを漬け込むリキュールタイプのものも存在しますので注意が必要です。
カクテルの材料としてもサクランボのフルーティーな味わいが光ります。
おすすめのブランデーカクテル
サイドカー
ブランデー2、ホワイト・キュラソー1、レモン1の比率で作るカクテルです。
シェイカーで作る、ショートドリンク(短時間で飲むタイプ)のカクテルとなっています。
ブランデー・ベース・カクテルの定番でもあります。
名前の由来は諸説ありますが、第一次大戦時にフランス将校がサイドカーに乗っている際、レモンを噛じりながらブランデー・ベースを飲んでいたという話が有力です。
ブランデーをジンに変えるとホワイト・レディ、ウォッカだとバラライカ、ラムだとXYZとそれぞれ別のカクテルになります。
またウイスキーを使うとウイスキー・サイドカー、焼酎で(焼)酎・サイドカーとなります。
レモンの酸味が効いてサッパリとしたカクテルです。
アップルカー
カルヴァドス2、コアントロー1、レモン1の比率で作るカクテルです。
シェイカーで作る、ショートドリンクのカクテルとなっています。
コアントローはホワイト・キュラソーでも良く、名前の通りサイドカーの派生カクテルの一つです。
サイドカーと同じようにレモンと合わせたことでとても爽やかな酸味が楽しめるカクテルです。
食事との相性もよく喉ごしもスッキリとしています。
女性にも飲みやすくアルコール度数も、高くもなく低くもなく丁度良い塩梅になっています。
アレキサンダー
ブランデー1、生クリーム1、クレーム・ド・カカオ1、ナツメグ少々の比率で作るカクテルです。
シェイカーで作る、ショートドリンクのカクテルとなっています。
ナツメグは主に日本で用いられ、好みによっては省略されることもあります。
名前はデンマークのアレクサンドラ王女に由来しますが、時代とともに男性名であるアレクサンダーに変化しました。
ブランデーの代わりにウォッカを使用するとバーバラ、ラムにするとパナマなどの派生カクテルも存在します。
クレーム・ド・カカオと生クリーム、それにブランデーの風味が加わって上等なチョコレート・ケーキのような味わいとなっています。
その味と強いアルコールを感じさせない口当たりの良さから、女性に人気のカクテルです。
ダーティーマザー
ブランデー2、コーヒー・リキュール(カルーア)1の比率で作るカクテルです。
材料をグラスに注いだ後にステア(かき混ぜる)して作る、ロングドリンク(比較的長く楽しむタイプ)のカクテルとなっています。
ダーティーマザーという名前はカクテルの色に由来しています。
カルーアの甘い口当たりとコーヒーの香りがブランデーの風味と合う甘口のカクテルです。
コーヒー好きの方におすすめのブランデー・ベース・カクテルとなっています。
サラトガ
ブランデー60mlにマラスキーノを2dash、アンゴスチュラ・ビターズを2dash、炭酸水(もしくはパイナップル・ジュース)を1tspの比率で作るカクテルです。
(1dashは約1mlで5、6滴とも換算され、1tspは小さじのことで約5mlです。)シェイカーで作る、ショートドリンクのカクテルとなっています。
名前の由来はアメリカのニューヨーク州サラトガです。
ストレートのブランデーがほぼそのままのカクテルでアルコール度数も高くなっています。
ウイドウズ・キス
カルヴァドス2、ベネディクティン1、シャルトリューズ・ジョーヌ1、アンゴスチュラ・ビターズを1dashの比率で作るカクテルです。
シェイカーで作る、ショートドリンクのカクテルとなっています。
名前の意味は未亡人のキスです。
カルヴァドスのリンゴの甘い香りとベネディクティンのハーブの香りが合わさった複雑な味わいのカクテルです。
ジャック・ローズ
カルヴァドス2、ライム・ジュース1、 グレナディン・シロップ1の比率で作るカクテルです。
シェイカーで作る、ショートドリンクのカクテルとなっています。
名前は材料であるカルヴァドスのアップル・ジャック(アップル・ブランデー)とバラのような赤い色から由来しています。
定番ともいえるスッキリ甘酸っぱいカクテルです。
フロリダ
ドライ・ジン15ml、オレンジ・ジュース40ml、キルシュヴァッサー1tsp、ホワイト・キュラソー1tsp、レモン・ジュース1tspの比率で作るカクテルです。
シェイカーで作る、ショートドリンクのカクテルとなっています。
材料となるオレンジやレモンの産地であるフロリダ州が名前の由来です。
日本ではジンを使わないノンアルコール・カクテルとして有名ですので混同しないように注意が必要です。
アルコール度数も低く柑橘の香りと酸味が爽やかな、とても飲みやすいカクテルとなっています。
吉野
ウォッカ60ml、キルシュヴァッサー1tsp、グリーンティ・リキュール1tspの比率で作るカクテルです。
シェイカーで作る、ショートドリンクのカクテルとなっています。
1982年に東京銀座のMORI BARのオーナー・バーテンダー毛利隆雄さんが考案した、日本生まれのカクテルです。
グラスの底に桜の塩漬けを沈めます。
グリーンティ・リキュールのお茶の香りとキルシュヴァッサーのサクランボの香り、そして底に沈んだ桜の色が合わさる味わい深いカクテルです。
春を思わせる正に日本ならではのカクテルとなっています。
ブランデー・エッグ・ノッグ
ブランデー45ml、砂糖1tsp、卵黄1つ、牛乳を適量で作るカクテルです。
シェイカーで作る、ロングドリンクのカクテルとなっています。
牛乳以外の材料をシェイカーでシェイクした後グラスに注ぎ、そこへさらに牛乳を注ぎステアします。
最後に少量のナツメグをふりかけることもあります。
クリスマスの時期の定番カクテルでホットで飲まれることも多いです。
卵と牛乳といった栄養価の高い材料を使用していることから滋養に良い飲み物とされ欧米で好まれています。
卵と牛乳を使っているため飲む人を選びますが、まろやかな味わいで飲みやすいカクテルです。
トム・アンド・ジェリー
ブランデー30ml、ラム15ml、卵1つ、砂糖2tsp、熱湯を適量、ナツメグを少々で作るカクテルです。
まず卵黄に砂糖を加えて卵黄と卵白を別々に泡立てます。
その後にブランデー、ラム、卵黄、卵白をグラスに入れよく混ぜたら、さらに熱湯をステアしながら加えます。
最後にナツメグを振りかけて完成です。
このカクテルは原型となる飲み物が古くから存在していましたがトム・アンド・ジェリーは19世紀のバーテンダーのジェリー・トーマスが作成したと言われます。
カクテルの名前もジェリー・トーマスに由来します。
ブランデー・エッグ・ノッグと同じようにクリスマスに好まれて飲まれていたカクテルです。
起源が古いため多くのレシピが存在します。
ちなみに有名なアニメのトムとジェリーとは関係がありません。
オリンピック
ブランデー1、オレンジ・キュラソー1、オレンジ・ジュース 1の比率で作るカクテルです。
シェイカーで作る、ショートドリンクのカクテルとなっています。
1900年のパリ五輪を記念してホテル・リッツ・パリで作られました。
シンプルなレシピのおかげか誕生してから長い間が立ちますがレシピの変化がない珍しいカクテルです。
味も柑橘系の甘酸っぱさとブランデーの芳醇な香りが優しく、ブランデー初心者でも飲みやすいカクテルの一つです。
まとめ
ここまでブランデー・ベースのカクテルを紹介しましたがいかがでしたか。
ブランデーは高価な分、同じブラウン・スピリッツのウイスキーと比べても飲み方が限られがちなお酒です。
確かに高級なものはストレートで味わうことが最高ですが、カクテルとして楽しむことでブランデーの新たな可能性が発見できるはずです。
ブランデー愛好家の方も初心者のかたもぜひ、ここで紹介したカクテルを試して一層深くブランデーを楽しんでください。