バーボンとは別格のテネシー・ウイスキー! ジャックダニエル

バーボン

ジャックダニエル ブラック 700ml

ジャックダニエルはバーボンとは別格に扱われ、世界的なシェアを持つテネシー・ウイスキーです。

テネシー州のリンチバーグという田舎町の蒸留所で、創業当時から100年以上も変わらない方法で製造されています。

原料はトウモロコシ、大麦、ライ麦で、蒸溜残液の上澄みをバックセットして糖化・発酵させ、連続式蒸溜器で蒸溜されます。

バーボンとの製造工程の違いは、蒸溜後に追加されるリンカーンカウンティ・プロセス(木炭ろ過)です。

この工程で不要な油脂と雑味の成分が取り除かれ、滑らかではっきりとした味わいのウイスキーになるのです。



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ジャックダニエルの歴史

ジャックダニエル、本名ジャスパー・ニュートン・ダニエルは、1850年9月テネシー州リンカーン郡(後にムーア郡)リンチバーグで生まれ、7歳でダン・コールが所有していたウイスキーの蒸留所で働き始めました。

ウイスキーの製造技術を習得したジャックダニエルは、ダンからウイスキー事業を引き継ぎ、1866年に蒸溜所を政府に届出て、アメリカ初の政府公認の蒸溜所となりました。

1904年、セントルイスで開催された万国博覧会にジャックダニエルを出品、金賞を獲得したことで、知名度が上がり世界的に認められるようになりました。

しかし、1911年にジャックダニエルは敗血症が原因で死去。

跡を継いだ甥のレム・モトローが禁酒法撤廃後に会社を再建しますが、1956年にブラウン・フォーマン株式会社に売却されました。



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ジャックダニエル蒸留所

ジャックダニエルの本拠地があるテネシー州は、アメリカ合衆国の南部に位置し、北でケンタッキー州と接しています。

州都はナッシュビルで、ナッシュビルの南約100km、ムーア郡リンチバーグにジャックダニエル蒸留所があります。

ウイスキー造りに欠かせない水は、ケーブ・スプリングという鍾乳洞から石灰石の層を透って湧き出すライム・ストーン・ウォーターです。

苦味のない非常に滑らかな天燃水で、鉄分を含まず、カルシウムやカリウムなどのミネラルを豊富に含む理想的な硬水です。

水源は蒸留所の敷地の内にあり、水温は常に一定に保たれ、毎分3,000ℓも湧き出しています。

穀物貯蔵用のサイロはトウモロコシ用が8塔、大麦が2塔、ライ麦が2塔あります。

さらに、150トンの発酵槽が64槽あり、蒸留用にコラムスチル(連続式蒸留器)が設置され、チャコール・メローイング(木炭ろ過)槽も72槽あります。

また、年間100万樽が使われる貯蔵用のアメリカンオーク樽も自社で製作され、蒸溜所の敷地内には、7~8階建ての熟成庫(バレルハウス)が80棟近くあり、約200万本の樽が貯蔵されています。

ジャックダニエルの製造方法

原料~蒸留

原料はトウモロコシ80%、大麦麦芽12%、ライ麦8%をベースにしており、すべてアメリカ中西部の契約農家から調達されます。

細かく粉砕された原料に熱湯を加え、ゆっくり撹拌し、大麦麦芽の酵素で穀類を糖化します(マッシュ:糖化液)。

バーボンと同様に糖化が効率よく進行して、香りが高くなるように、蒸留残液の上澄み液を戻して全体の30%程度加えるサワー・マッシュ製法が用いられ、その後、独自の酵母株を使用して、4~7日間発酵させ、アルコール濃度約10%の発酵液を得ます。

蒸留はコラムステル(連続蒸留器)で行われ、アルコール濃度約70%に濃縮されますが、コラムステルの一部に銅が使われる理由は、銅に不純物(特に硫黄分)を除去する触媒作用があるためです。

ろ過

バーボンとは異なり、リンカーンカウンティ・プロセスとよばれるテネシー・ウイスキーの独特な工程は、蒸留された原酒を樽貯蔵の前に木炭でろ過するチャコール・メローイング(木炭ろ過)製法です。

高地に生えているサトウカエデの高木を木炭にし、それを詰め込んだ深さ3mの木炭槽で1分間に3リットルの速度でろ過されます。

加圧ろ過ではなく、重力と表面張力だけでろ過しており、非常に時間のかかる工程です。

蒸留したばかりの原酒は激しい味がしたり、苦味があったりしますが、木炭はそれらを吸収して味をまろやかにし、樽貯蔵で数年かかる原酒の熟成をわずかな日数で達成することができます。

貯蔵樽

原酒貯蔵用樽のホワイトオークは、アーカンソー州、ミズーリ州など米国産が使われます。

ホワイトオークは伐採するまでに30〜50年かかりますので、サトウカエデとホワイトオークの苗木を育てるための土地を30エーカー所有しています。

樽材の内面の炭化処理はトースト(ゆっくり熱を加える)とチャー(強火で焦がす)の2段階で行なわれ、木材の内部から香味の強いバニラ、キャラメル成分を引き出すのに効果的で、熟成時の液色にも大きく影響します。

熟成

テネシー州リンチバーグは、夏は30度を超え、冬は氷点下にもなる寒暖差が激しい土地です。

原酒はすべて新樽に貯蔵されますから、寒暖差で樽からより多くの成分が引き出されます。

熟成庫の上部と底部では温度と湿度が異なりますので、樽がどこに置かれるかによって、熟成の程度は異なります。

樽は床に設置されているリックに置かれると、熟成が完了していると判断されるまで庫内を移動させません。

このことは製品のブレンドに利用されており、銘柄によって貯蔵される樽の位置は異なります。

ジャックダニエルの銘柄

ジャックダニエル・ブラック

ジャックダニエル ブラック 700ml

ジャックダニエルは世界中から愛されているウイスキーで、150年の歴史のなかで世界中で多くの賞を受賞しています。

「ジャックダニエル・ブラック(Old No.7)」は、そのラインアップの中で最も基本となる一本、どんなバーに行ってもかならず置いてあるウイスキーで、コーラ割り、または、ゆっくりとオンザロックでお楽しみください。

ちなみに、ラベルにold No.7と書いてある理由は諸説あって、ジャックダニエルには7人の恋人がいたから、試作品の7番目だったから、などといわれています。

また、1904年に開催されたセントルイス万国博覧会に出品され、金賞を受賞したジャックダニエルはOld No.7だそうです。

ジャックダニエル・ゴールド

ジャックダニエル ゴールド 700ml

2度のチャコール・メローイングと2度樽熟成された『ジャックダニエル・ゴールド』が、おすすめの一本です。

1度目の熟成に使用される樽はホワイトオーク樽、2度目はメイプルウッドの樽が用いられ、サトウカエデの木炭で2回のろ過たダブル・メロウとダブル・バレル工程が、ジャックダニエルに豊かな円熟味と究極のスムースさを加え、卓越したバランスをもったウイスキーに仕上がっています。

2013年に免税店向けにリリースされましたが、2015年秋から限定国市場において販売されるようになりました。

ジェントルマンジャック

ジャックダニエル ジェントルマンジャック 750ml

熟成された「ジャックダニエル・ブラック」を、もう一回チャコール・メローイングして瓶詰めされます。

極めて滑らかでスムース、エレガントで豊かな味わい、バニラとフルーティな香りが特徴です。

ジャックダニエル独特の味わいが気になる方は「ジェントルマンジャック」がおすすめです。

透明でシンプルなデザインの瓶ですが、やや薄い琥珀色の液色が瓶とマッチした印象的なジャックダニエルです。

ジャックダニエル・シナトラセレクト

ジャックダニエル シナトラセレクト 1000ml

フランク・シナトラ生誕100年を記念して作られたおすすめの一本です。

フランク・シナトラはジャックダニエルの長年のファンであり、ステージ上でもグラスを手放さず、プライベートジェットにもボトルを揃えさせでおくほど愛しました。

このシナトラセレクトは樽の内側に溝が掘られた特殊に加工された樽(シナトラ・バレル)で熟成されています。

樽の内側の炭化処理のあと、焦げたチャーを溝状に削ってトーストを露出させ、部分的にトーストが原酒に触れることによって、他の原酒とは異なる風味と液色が引き出されます。

溝状に露出したトーストは滑らかなバニラ風味、リッチな琥珀色、フルボディーで芳醇、スパイシーな味わい、そして極上のなめらかさを引き出しています。

ジャックダニエル・シングルバレル

ジャックダニエル シングルバレル700ml ギフトボックス  [並行輸入品]

バーボン好き、ジャックダニエル好きのための最高の一樽、その樽から最大限に個性を引き出した「ジャックダニエル・シングルバレル」がおすすめです。

通常は何樽もの原酒をブレンドして味と香りを均一に整えられるところを、一つの樽の原酒だけで瓶詰めされたウイスキーです。

「ジャックダニエル・シングルバレル」として瓶詰めされる原酒は、熟成庫(バレルハウス)の最上階に貯蔵されたバレルを使用します。

貯蔵する位置が高いほど気温は上り、気温が上がるほど樽は膨張し、膨張することによって原酒がより広く樽材に浸透して、樽材の成分を引き継ぎます。

ですから味は凝縮されて深く、熟成由来の甘さ、芯のある力強いコクが広がり、芳醇なバニラ、キャラメルの香りが特徴です。

最上階から年間約5,000本の樽が選ばれますが、それぞれの樽から約240本が瓶詰めできます。

樽はひとつひとつ香味が微妙に違いますから、「ジャックダニエル・シングルバレル」は樽の個性を最も色濃く反映している銘柄です。

ジャックダニエル・テネシーハニー

ジャックダニエル テネシーハニー 700ml

「ジャックダニエル・ブラック(Old No.7)」をベースに、蜂蜜、メープルシロップ、ナッツフレーバーで甘味付けされたフレーバードウイスキーです。

日本ではリキュールに分類されていますが、アルコール度数35%。

もともと甘さが感じられるジャックダニエルは加えられたフレーバーとよく合い、ジンジャーエールやコーラで割っても美味しくなります。

おすすめの「ジャックダニエル・テネシーハニー」はカクテルなどの多彩な楽しみ方ができますが、それ自体がカクテルのような完成された味わいで、はちみつの上品な味わいにナッツの香ばしさが加わって、バランスが絶妙な完成度の高いウイスキーです。

グラスをクラッシュアイスで満たし、上からテネシーハニーを注ぐハニーミストが、アメリカで一番飲まれています。

まとめ

アメリカ合衆国テネシー州ムーア郡、ケンタッキー州バーボン郡はアメリカン・ウイスキーの2大産地ですが、なかでもジャックダニエルは別格です。

ジャックダニエルといえば、ローリングストーンズ。

キース・リチャーズがライブステージ上でラッパ飲みしていたのが印象的で、ストーンズ・ファンにはたまらなく格好いい憧れの一本です。

ジャックダニエルを飲みながらストーンズをを聞くのが最高かも知れないですね。

バーボン