9月はバーボンにとって特別な月。 バーボン記念月間におすすめのバーボンをご紹介。
ご存知の通り、バーボンはアメリカ合衆国で作られる「アメリカン・ウイスキー」の代表です。
世界中に熱狂的なファンを持ち、販路はまだまだ拡大しています。
そんなアメリカを代表するウイスキーはアメリカ人にとっては「愛国のお酒」でもあります。
アメリカの歴史とバーボンに思いを馳せながら飲みたいバーボンをご紹介します。
目次
アメリカでは9月は「ナショナル・バーボン・ヘリテージ・マンス」
バーボンと言えば、アメリカで始まり、アメリカでしか造ることのできないウイスキーです。
バーボンの誕生は1789年と言われ、アメリカ合衆国と同じ年。
このような因縁もあって、バーボンはアメリカの人々にとっては「愛国」を示すお酒となっています。
歴史の短いアメリカの「ネイティブ・スピリッツ」と言えるのです。
そんなバーボンの持つ文化・歴史の重要性から、アメリカ議会は2007年に9月を「ナショナル・バーボン・ヘリテージ・マンス」にすることを決めました。
「アメリカ・バーボン・歴史遺産月間」というような意味です。
この法案を提案したのはケンタッキー州の共和党上院議員。
バーボンの発祥地から選ばれた議員が、バーボン産業がアメリカに貢献してきた伝統・歴史・意義深い文化遺産を讃えるよう提案したのです。
この提案は全会一致で可決され、9月はアメリカ国内では「バーボンマンス」とも言えるものとなりました。
バーボンマンスを讃えるイベントとして、毎年9月にはケンタッキー州バーズタウンで「バーボンフェスティバル」が開催されます。
実はナショナル・バーボン・デイもある
9月はアメリカではバーボンを讃える月となっていますが、実は「バーボン・デイ」なるものもあります。
こちらは9月ではなく6月14日。
この日にはアメリカ国内のバーボンファンは思い思いのやり方でお祝いをしているようです。
バーボンがアメリカの「ナショナル・スピリッツ」なのはなぜ?
バーボンはアメリカを代表するウイスキーですが、なぜ「ナショナル・スピリッツ」と呼ばれるのでしょうか。
第一に、バーボンはアメリカ合衆国内でしか製造できないということがあげられます。
アメリカはバーボンに「原産地」保護の法律を作り、他国での製造を禁止したのです。
オーストラリアの蒸留所がラベルに「バーボン」と貼ったことにより、訴訟問題が起きています。
バーボンを作る事ができるのはアメリカ国内の蒸留所だけ。
つまりバーボンは「アメリカのお酒」そのものなのです。
バーボンの誕生はアメリカ合衆国の誕生と同じ年
バーボンはケンタッキー州の牧師・エライジャ・クレイグによって造られたと言われています。
バーボン誕生の年は1789年。
アメリカ合衆国独立の年です。
歴代の大統領もバーボンを好んでいたという文献もあり、バーボン=アメリカのイメージが強められています。
バーボン人気がアメリカ経済にもプラスになる
1970年代から1980年代にかけては、バーボンの人気は低迷していました。
しかし、2000年に入るとバーボンの人気は上昇。
アメリカの景気が低迷していた頃でも、米国のウイスキー産業業界は19臆ドル以上の収入を計上しました。
特に対フランスでは286%もアップしたのです。
国際的なバーボン人気は米国ウイスキー業界を牽引し、アメリカ経済そのものにも影響を与えています。
現在でもバーボン人気はアジアを中心に拡大。
中国・インドなどの巨大市場でさらなる発展が見込まれています。
人気バーボンメーカー、「メーカーズマーク」はあまりの人気に海外市場への供給を制限しなければならなくなったほどです。
ナショナル・バーボン・ヘリテージ・マンスに飲みたいバーボンはこれ
9月はバーボンにとって特別な月です。
そんな特別な時におすすめのバーボンをご紹介します。
もちろん9月でなくてもおすすめなので、気になるものをチェックしてくださいね。
E.H. Taylor, Jr. Four Grain (イーエイチ テイラー ジュニア フォー グレイン)
ケンタッキーの名蒸留所「バファロートレース蒸留所」のバーボンです。
最高品質のトウモロコシ、ライ麦、小麦、麦芽大麦をオリジナルの配合で組み合わせました。
微かなカラメルとバニラで香りを際立たせ、クローブとコショウの風味でスパイシーに仕上げました。
熟成期間は12年。
完璧なバランスを持つバーボンです。
Maker’s Mark Private Select (メーカーズマーク プライベートセレクト)
ケンタッキーの人気蒸留所「メーカーズマーク」のバーボンです。
限定発売のため、入手はかなり困難。
世界でたった一つの味わいをつくるために設定されたプログラム「プライベートセレクション」によって造られました。
カスタマイズされた仕上がりは唯一無二のもの。
日本ではAmazon限定の「ウインタースモーキー」が発売されていました。
スモーキーでクリーンな味わい。
シナモンやリンゴがほのかに香り、柔らかくしなやかな味わいが口に残ります。
メーカーズマークのバーボンは小麦を使用しているので、優しくなめらかな甘さがあります。
女性にもおすすめのバーボンです。
Michter’s single barrel bourbon (ミクターズ シングル バレル バーボン)
「アメリカで最高のバーボン」と評されたのがこちらの「ミクターズ」のバーボン。
最高の原材料を使用し、丁寧に熟成させました。
ミクターズのバーボンの特徴は、樽熟成の前のアルコール度数。
殆どのバーボンはアルコール度数62.5度で貯蔵されますが、ミクターズのバーボンはアルコール度数51.5度。
アルコール度数を低めに取ることで、後の加水を少なくし、より濃厚な味わいのバーボンを作るのです。
エイジング期間は10年以上です。
タフィー、キャラメル、メープルシロップの甘い香りが特徴。
熟成樽由来のオークも感じます。
コストは度外視した、高品質バーボンです。
old forester bottle in bond (オールドフォレスター ボトルインボンド)
禁酒法時代もバーボンの製造が許されていた数少ない蒸留所の一つが「オールドフォレスター」です。
こちらのバーボンは「ボトルインボンド」法に基づいてつくられたもの。
ボトルインボンド法とは次のとおりです。
- 単一の蒸留所で作られた原酒のみを使用すること
- 1年以内のワンシーズンに蒸留された原酒のみを最低4年間熟成
- 政府が監督する保税倉庫で熟成すること
- 瓶詰め前のアルコール度数は50度
厳しい法律の元で作られたバーボンは他にはない濃厚な味わいです。
Jack Daniel’s 150anniversary (ジャックダニエル 150アニバーサリー)
大人気のバーボンといえば、「ジャックダニエル」。
こちらはジャックダニエル蒸留所の誕生150年を記念して発売されたアニバーサリーバーボンです。
数量限定。
濃厚な味わいとアロマを引き出すため、通常のジャックダニエルの熟成樽よりも時間をかけてトーストし、チャーの時間を短くした特別な新樽を使用しています。
選ばれた原酒は「天使のねぐら」と呼ばれる、バレルハウスの最上階の樽のみを使用。
バレルハウスの最上階は寒暖の差が激しく、日照時間が長いことから最高の樽が生まれます。
選りすぐりの原酒のみを使用し、ジャックダニエルのマスターディスティラーが樽詰めからボトリングまでを精魂込めて行いました。
味わいは円やかで濃厚。
キャラメル、トフィーの濃厚な甘さがありつつ、口当たりきわめてスムース。
上品で、特別な日におすすめのバーボンです。
まとめ
アメリカを代表するバーボンは、アメリカの人々にとってとても意味のあるお酒です。
バーボンファンにとって9月は特別な月。
バーボンの歴史に思いを馳せながらバーボンを楽しんでいます。
日本でもバーボンファンなら、同様にバーボンを楽しむのがおすすめ。
ご紹介したバーボンはどれも個性的で豊かな味わいです。
9月に限らず、ちょっとスペシャルな時に取りだしてみてはいかがでしょうか。