血糖値が高い人はバーボンをどうぞ。その効果は?
糖尿病の治療を受けている方は、糖分の摂取量を細かく管理する必要があります。
ご飯やお菓子は少量でもがまんできるとして、お酒をあまり飲めないのはつらい……。
という方、多いのではないでしょうか?
確かに、お酒は意外とカロリーが高いですし、好きな方は一日に500mlくらいは平気で飲んでしまいますから、ご飯やパンよりも要注意度が高い食品といえます。
でも、そんなお酒と健康の板ばさみになっている方々の味方になってくれるのが、他でもないバーボンウイスキーなのです。
1.お酒のカロリーを見てみよう
ウイスキーのカロリーはシングルショット(30ml)で70kcalです。
これはおせんべい1枚分やゼリー1個と同じくらいのカロリーですね。
ちなみに、ビールは350mlで150kcal、ワインは100mlで70kcal、日本酒は180mlで200kcalです。
リットルあたりのカロリーを単純計算すると、ウイスキーはカロリーが少し高い方に入りますね。
あれ?じゃあやっぱりウイスキーは血糖値に良くないの?
いえいえ。
しばしお待ちを。
2.ウイスキーは高カロリーでも血糖値を上げません
お酒を酵母で発酵させるためにはある程度の糖分が必要なので、お酒には基本的に糖分があります。
しかし、ウイスキーには糖分は含まれていません。
ウイスキーやウォッカ、焼酎など蒸留酒の場合は、お酒を煮沸して蒸気を冷却回収する(蒸留)という作業工程が入るため、その時点で糖分はほとんど取りのぞかれてしまいます。
つまり、ウイスキーは一見、カロリーが高めに見えますが、それはアルコールのカロリーだけなので、血糖値には影響しないのです。
一方、ワイン、ビール、日本酒などの醸造酒はアルコールに加え、糖分のカロリーも入った数値ですから、カロリーが少し控えめに見えても、血糖値は上がります。
ただし、ウイスキーも太らないわけではありません。
大量に飲むと肥満につながって血糖値にも影響してしまいますから、そこは注意ですよ。
でも、糖尿病の方にバーボンをおすすめしたいのは、血糖値が上がりにくいからだけではありません。
バーボンならではの効能もあるのです。
3.バーボンの香りに血糖値を下げる効果が
バーボンには独特の香りがありますよね。
これは原料の大麦が発酵した香りに加え、樽で熟成されるときに樽材のオークから、さまざまな香り成分がお酒の中に溶けだし、それらが混じり合って生み出される香りです。
このバーボンの香りに、鎮静作用があるのです。
実は、人間の体はストレスにさらされると血糖値が上がってしまいます。
危険から身を守らなければいけないという防御反応が働くため、血中にブドウ糖を増やして脳に送り込み、観察力や判断力を高めようとするためです。
ストレスが一時的であればよいのですが、ストレスを感じる時間が長引くと、その分、高血糖の状態も長引くことになります。
しかも、ストレス時に分泌されるホルモンはインシュリンの感度を下げる機能もあるため、だんだん、インシュリンが分泌されても血糖値が下がりづらい体質になってしまいます。
心身のリラックスは、血糖値対策にはとても大切です。
一日の終わりにバーボンの香りでリラックスするのは、理にかなっているのです。
4.ポリフェノールのエラグ酸で糖尿病改善
近年、エラグ酸に糖尿病を改善する効果があることがわかり、注目を集めています。
エラグ酸は美白化粧品などに使われているので、女性の方は聞いたことがあると思いますが、これはもともと、ベリー類やザクロに含まれるポリフェノールの一種です。
人のホルモンの中にはインシュリンの感度を下げたり、分泌を阻害する機能を持ったものがあることはすでに述べました。
エラグ酸には、その中のひとつであるレジスチンの分泌を抑える働きがあります。
バーボンはスコッチウイスキーよりも赤みがかった色をしていますが、これは樽のオーク材から天然成分が溶け出したものです。
そしてこの赤い色に、エラグ酸が含まれているのですね。
血糖値の改善だけでなく、予防にもエラグ酸は有効です。
まとめ
糖尿病の治療は食事制限が必須ですが、食べたいものをがまんしなければいけないのは苦しいし、ストレスもたまってしまいますよね。
一日の終わりに、好きな音楽を聴きながら香り高いバーボンを一杯……。
これで血糖値が下がったらうれしいですよね。
飲みすぎないことと、おつまみのカロリーとに気をつけながら、バーボンを試してみてはいかがでしょう。