有名銘柄はどこで作られている?バーボンの蒸留所一覧

バーボン

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バーボンはアメリカ合衆国ケンタッキー州で作られています。

数百を超える銘柄のバーボンがありますが、それは全てケンタッキー州の中でのみ製造されているものなので、実はバーボンを製造している蒸留所は10数ヵ所しか無いのんです。

ひとつの蒸留所がいくつもの銘柄のバーボンを製造しており、同じバーボンでもそれぞれの蒸留所には特徴があります。

今回は、ケンタッキー州にて現在でもバーボンを製造している有名蒸留所をご紹介しましょう。



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バーボンの蒸留所はケンタッキー州にしか無い

原料にトウモロコシを50%以上使用したウイスキーのなかで、ケンタッキー州で製造され厳しい条件を満たしたものだけがバーボンを名乗ることを許されます。

アメリカの酒造法で、バーボンはケンタッキー州で作られているものと定められているため、仮に全く同じ製法でお酒を作ったとしても、他の国で作られたものはバーボンではなく単なるウイスキーにしかなりません。

必然的に、世界中にあるバーボンの蒸留所は全てケンタッキー州に集まっているということになります。

とはいえケンタッキー州も広いので、バーボンを製造している蒸留所はたくさんあると思われがちです。

しかし実は、現在でもバーボンの製造を行っている蒸留所数えるほどしか無いのです。

新規参入してくる蒸留所も多くはないため、ほとんどの蒸留所が数百年の歴史を持つ老舗となっています。

それぞれの蒸留所には、古くから守り継がれている製法があり、同じバーボンというジャンルであっても風味や甘みに差が出ます。

また、ひとつの蒸留所が製造しているバーボンはひとつの銘柄ではなく、蒸留所ごとにオリジナルの銘柄を多数製造しています。

銘柄によってもひとつひとつ味わいが違うため、全てを飲み比べるのには時間がかかるでしょう。

蒸留所の数が少ないからといって、すぐに味に飽きることは無いような奥深さがバーボンにはあります。



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バーボンの蒸留所一覧とそれぞれの特徴

ここからは実際に、現在でもバーボンの製造を続ける蒸留所をご紹介していきましょう。

今回は有名銘柄のバーボン蒸留所8ヶ所の特徴や歴史、代表銘柄などを詳しくご説明します。

ジム・ビーム蒸留所

世界で最も飲まれているバーボンこと、「ジム・ビーム」を製造している蒸留所です。

創業は1795年、実に220年以上の歴史ある蒸留所ですが、創業者のビーム一族によって、創業当時とほとんど変わらない製法がかたくなに守られています。

原材料は現在まで非公開となっており、その秘密を知るビーム一族の存在無くしては稼働できない蒸留所です。

ちなみに世界最大手の蒸留所であるヘブン・ヒル蒸留所を運営しているのもビーム一族であり、いわば兄弟のような関係にあります。

歴史あるジム・ビーム蒸留所は、アメリカで最も優れた蒸留所としても知られています。

2014年に日本のサントリーホールディングスがジム・ビームを買収し、子会社化しています。

今後は日本でもジム・ビームがより手軽に手に入る銘柄になるかもしれません。

ヘブン・ヒル蒸留所

ヘブン・ヒル蒸留所は、全てのバーボン蒸留所の中で最も多くの銘柄を製造している最大手の蒸留所です。

なんと世界中で流通しているバーボンの7割は、ここヘブン・ヒル蒸留所のものだと言います。

製造しているバーボンは約250銘柄。

驚異的な数です。

最も代表的な銘柄は蒸留所の名を冠した「ヘブン・ヒル」で、バーボンの中でも安価で手に入るわりに木の香りがよく、後味が長く残るのが特徴です。

製造しているバーボンの銘柄がとても多いだけに、ヘブン・ヒルの特徴は一文では書き表せません。

強いて言うなら、様々な特徴を持ったバーボンを製造できる「多様性」こそがヘブン・ヒルのバーボンの特徴でしょうか。

ザ・ブラウンフォーマン蒸留所

1870年創業のザ・ブラウンフォーマン蒸留所で製造されているバーボンは、わずか2銘柄です。

しかし「アロマの神様」の異名をもつリンカーン・ヘンダーソン氏が作りあげた高品質のバーボンは、今なお丁寧な製法で作り続けられています。

ザ・ブラウンフォーマン蒸留所は世界で初めてビン詰めのバーボンを製造販売した蒸留所としても知られており、他の蒸留所よりも品質の高いバーボンを作ろうという姿勢は昔から一貫しています。

代表的な銘柄は「アーリータイムズ」。

バーボン特有のエステル香が控えめで、コーンの甘い香りが特徴的なバーボンです。

クセが少なく飲みやすいため、バーボン初心者にはおすすめの銘柄です。

フォアローゼズ蒸留所

1888年創業のフォアローゼズ蒸留所では、数こそ少ないものの辛口から甘口まで、様々な好みに答えたバーボンの製造を行っています。

創業者のポール・ジョーンズ氏が育てた代表銘柄「フォアローゼズ」は、第二次世界大戦の影響で一度製造がストップしてしまい、幻の酒となりかけましたが、その後カナダに本社を置く「ジョセフ・E・シーグラム社」がフォアローゼズ蒸留所を買い取り、同じ製法でバーボンの製造を再開しました。

現在フォアローゼズは世界中の人々に愛される銘柄へと復活をとげています。

甘口でトロリとした口当たりの「フォアローゼズプラチナ」は、純度の高さを感じさせる一品です。

メーカーズマーク蒸留所

もとはアイリッシュ・ウイスキーを製造していた蒸留一族・サミュエルズ家がケンタッキー州に移り住み、バーボンを製造したことで生まれたのがメーカーズマーク蒸留所です。

3代目のテーラー・ウィリアム・サミュエルズがバーボンの製造を開始してしばらくするとアメリカで禁酒法が制定され、以降5代目のテーラー・ウィリアム・サミュエルズ・シニアの時代までまともに製造が出来なかった厳しい時代を生き抜いています。

ちょうど蒸留所が成長するというタイミングで禁酒法が成立したことで、ようやく蒸留所としてまともに動き始めたのは6代目ビル・サミュエルズ・シニアの時代になってから、1959年のことでした。

100年を超える歴史をもつバーボンの銘柄も多い中で、メーカーズマークは創業こそ最近ですが、100年以上も苦難の時を耐え抜いてきたのです。

そんな蒸留所の名前を冠した「メーカーズ・マーク」というバーボンは、冬小麦というマイナーな品種の小麦を配合することで、ふくらみのある柔らかな香味を実現した味わい深い銘柄です。

ワイルドターキー蒸留所

ニューヨークで食品の輸入業を行っていた商社「オースティン・ニコルズ社」の社長が、自らバーボンを作ろうと考え設立されたのがワイルドターキー蒸留所です。

1942年に発売された銘柄「ワイルドターキー」は、当時のアメリカ大統領・アイゼンハワーが愛飲したことで民衆の間でも瞬く間に人気となり、現在でも続くワイルドターキー蒸留所の礎を築きました。

ボトルには「Beyond Duplication(誰にも真似できない)」と書かれており、蒸留所の品質への自信がうかがえます。

バッファロートレース蒸留所

バッファロートレース蒸留所は1849年創業の蒸留所です。

しかし、買収に次ぐ買収で名前や体制に最も多くの変化があった蒸留所でもあり、現在のバッファロートレースという名前になったのはつい最近、1999年のことでした。

名前こそ何度も変わっていますが、バッファロートレース蒸留所は禁酒法時代にも医療目的でのバーボン製造を許可されていたアメリカ最古の蒸留所です。

創業当時は「オールド・ファイヤー・カッパー」というバーボンを製造していたようですが、現在は手に入りません。

現在の代表銘柄は蒸留所の名前が変わった直後に発売された「バッファロートレース」。

バッファロートレースのバーボンは、高品質な製品を生み出したメーカーに与えられる「ディスティラー・オブ・ザ・イヤー」をアメリカで初めて受賞しており、変遷を重ねるごとに進化してきた蒸留所です。

バートン蒸留所

バーズタウン地区に現存する大手蒸留所がバートン蒸留所です。

世界のバーボンの7割を製造するというヘブン・ヒル蒸留所に次いで業界第2位の生産数を誇っています。

かつてヘブン・ヒル蒸留所もバーズタウンにあったことから、「世界のバーボンはほとんどがバーズタウン産だ」と言われるほどだったとか。

バートン蒸留所の代表的な銘柄は「ケンタッキー・ジェントルマン」で、ツンとした強い香りにピリピリした口当たりの刺激的なバーボンです。

日本であまり耳馴染みが無いのは、アメリカでもケンタッキー・ジェントルマンが通好みの味わいだと言われているためかもしれません。

まとめ

今回ご紹介した以外には、「アーリータイムズ」で有名なザ・ブラウンフォーマン蒸留所、「ワッセンズ」で知られる名門チャールズ・メドレー蒸留所などがあります。

1800年代から続く歴史ある蒸留所が多い一方で、最近では少しずづつ新規参入してくる蒸留所も出てきているようです。

まだ知られていない蒸留所が成長し、歴史に残るバーボンができる日が楽しみですね!

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