世界3位の蒸留酒ブランド!「ビームサントリー」のバーボンを見てみよう。
バーボンと言えば、アメリカが誇る伝統的なウイスキーです。
アメリカ建国の時代から愛され続け、アメリカ合衆国内でしか製造を許されていません。
そんなバーボンを製造する老舗蒸留所や企業を買収し、大きな存在感を放っているのが「ビームサントリー」。
買収金額は1兆6500億円といいますから、途方もない金額です。
これからの事業展開が気になる「ビームサントリー」のおすすめバーボンを見てみたいと思います。
サントリー+ビーム社=ビームサントリー!
ビームサントリーはアメリカ合衆国・イリノイ州ディアフィールドに本社を持つ蒸留酒生産会社です。
2014年に日本の「サントリーホールディングス」が136億ドルでビーム社を買収し、現在の形になりました。
(最終的な売却価格は160億ドル)ビーム社はもともとグローバル企業として世界中に販路を持っていました。
また、アメリカン・ウイスキーの代名詞でもあるバーボンの中心を担ってきた存在。
そんなビーム社とサントリーが合わさることで他の巨大蒸留酒メーカー、「ペルノ・リカール」や「ディアジオ」に対抗する勢力に成長しています。
バーボンの名門一族!ビーム家
ビーム社のトップは伝統的なバーボンを作り続けていることで知られる「ビーム家」です。
現在もバーボン製造を行っており、蒸留所はバーボンの故郷・ケンタッキー州クラーモントにあります。
創業者はドイツ移民の「ジェコブ・ビーム」。
ジェイコブは彼の父親が考え出したコーンウイスキー製法によってウイスキーを作り、商品化します。
「オールド・ジェイク・ビーム・サワ―マッシュ」と呼ばれるこのウイスキーは開拓者や農民、商人の間で特に人気が高まり、支持されました。
こうした人気に支えられ、ビーム一族が経営する蒸留所は「オールド・タブ」と呼ばれるようになりました。
ビーム家のバーボンで有名なものに、「ジム・ビーム」があります。
これは4代目のマスターディスティラー「ジェームス・ボーリガード・ビーム」の名にちなんだもの。
彼は「バーボン中興の祖」と言われ、バーボンの歴史を語る上で欠かせない存在と言われています。
禁酒法時代という苦しい時代をどうにか耐え抜き、蒸留所を見事に復活させました。
禁酒法後初めて発売されたバーボンは大ヒットをとばし、苦しかった経営を立て直すことができました。
そんな彼の功績を称え、「オールド・タブ」という名前のバーボンは「ジム・ビーム」という名に変更されたのです。
現在のマスターディスティラーは7代目。
彼は唯一のビーム一族以外のマスターディスティラーです。
しかし、伝統や製法が変わることはありません。
伝統的製法を保持しつつ革新を続けるビーム一族のバーボンからはまだまだ目が離せません。
ビームサントリーに属する2つの有名蒸留所!
販路を世界に広げ、進化を続けるビームサントリー。
その中核をなしているのがケンタッキーにある2つの蒸留所です。
一つは前述の「ジム・ビーム」を始めとするバーボンを製造する「クレアモント蒸留所」。
もう一つは、こちらもバーボンの有名ブランド「メーカーズマーク」を製造する「メーカーズマーク蒸留所」です。
どちらも人気・知名度抜群のバーボンを生み出す、伝統的な蒸留所です。
メーカーズマーク蒸留所
メーカーズマーク蒸留所はケンタッキー州ロレットにあります。
一般的なバーボンとは異なり、原材料にはライ麦ではなく冬小麦を使用。
口当たりの柔らかい、独特なバーボンを製造しています。
創業者は北アイルランド系移民の「テーラー・サミュエルズ」。
元々は彼の父ロバートが農業をしながらウイスキー造りを行っていたのですが、その製法を生かし、本格的な蒸留所を作りました。
1840年のことです。
1920年に禁酒法が施行されると、蒸留所は製造停止を余儀なくされました。
その後1953年に禁酒法は撤廃されましたが、バーボン製造を再開しても、なかなか軌道にはのりませんでした。
プレミアムバーボンを目指す!
革新を起こしたのは6代目当主・ビル・サミュエルズ・シニア。
それまでの素朴な味わいのバーボンではなく、世界品質のプレミアムバーボンの製造を目指しました。
蒸留所を改装し、原材料を小麦に変更。
「機械任せではなく、人の手にこだわってつくる」という信念のもと、プレミアムバーボン造りが始まりました。
最初のバーボンはわずか19樽というスモールバッチバーボンでした。
メーカーズマークと言えばボトルの「赤い封蝋」が特徴ですよね。
この赤い封蝋をはじめたのもこのころからです。
1967年にはバーボン業界初となる「蒸留所見学ツアー」を開始。
これが現在、ケンタッキー観光業界の目玉として人気をあつめる「ケンタッキー・バーボン・トレイル・ツアー」へと発展しました。
さらに1978年には蒸留所がアルコール施設関連では初めて「アメリカ国定史跡」に認定。
その後「ウオール・ストリート・ジャーナル」で特集が組まれることにより、メーカーズマークは「プレミアム・ハンドメイド・バーボン」としての名声がより高まることになったのです。
クレアモント蒸留所
この蒸留所で作られる「ジム・ビーム」は販売量世界一を誇るバーボンです。
バーボン業界全体のシェア4割を占めています。
材料や製法にこだわり、使用する酵母も代々受け継がれてきたもの。
「ジム・ビーム」の他、「ノブ・クリーク」や「ブッカーズ」といった高価格帯のバーボンもこの蒸留所で生み出されています。
現在のマスターディスティラーはビーム家7代目当主「フレッド・ノウ氏」。
ウイスキー業界の重鎮として知られ、ノウ氏のファンという愛好家も多く存在します。
製造現場では全て彼の判断と責任のもと、バーボン作りが行われています。
ビームサントリーのおすすめバーボン!
有名蒸留所を持つビームサントリーには人気の高いバーボンが揃っています。
現在、世界的にもバーボンは大人気。
勿論日本国内でも同様です。
特にブランドが推進する「バーボンハイボール」は新しい飲み方として楽しまれています。
ビームサントリーのおすすめバーボンを見てみたいと思います。
ジム・ビーム
ビームサントリーを代表するバーボンです。
1795年にから現在まで7世代にわたって製造されてきました。
レシピはビーム家に伝わる秘伝中の秘伝。
出来上がった原酒は規定されている2倍の期間をかけて熟成されます。
世界売り上げナンバーワンのバーボンです。
カラーは美しい琥珀。
香りは香ばしく、バニラ・キャラメル・コーンを感じます。
味わいは軽く甘やか。
キャラメルや樽のニュアンスをほのかに感じるバーボンです。
友人たちとの気軽な集まりなどにおすすめ。
ハイボールで頂くと女性でもおいしく楽しめます。
メーカーズマーク
唯一無二のハンドメイド・クラフトバーボンです。
小麦由来のスムースでスイートな味わいが特徴。
口に含むと絹のようななめらかさが楽しめます。
カラーはハチミツのような甘い琥珀色。
オレンジのさわやかさとハチミツ、バニラの甘い香りを感じます。
円やかで、バニラを中心に複雑で繊細な味わい。
ふっくらとした小麦由来の甘さも口に残ります。
柔らかく、しなやかな余韻が長く残るバーボンです。
ストレートで、またはロックで頂くのがおすすめです。
まとめ
ジム・ビームやメーカーズマークといった超有名どころのバーボンをラインナップにもつ「ビームサントリー」。
日本ではタレントのローラを起用し、若者にアピールした「ジムビームハイボール」を提案しています。
そのおかげか、現在日本の20代のバーボン経験値は大きく上昇中。
居酒屋やバー等で友達と楽しむ若者が増えているようです。
CMが功を奏したといったところでしょうか。
2008年頃から活性化しはじめた日本のバーボン市場。
ビームサントリーがそのシェアを独占する日も近いかもしれません。