ゼロからわかるバーボンカタログ
「Kentucky Hug」(ケンタッキー流の抱擁)と言う表現があります。
それはバーボン特有の喉元を襲う、あの熱い刺激を表す粋な表現です。
力強く、男性的な味わいがバーボンウイスキーの特徴です。
バーボンを飲んだことがない初心者の方のガイドラインになるように、味わっておくべきバーボンウイスキーを、初級、中級、上級に分けて紹介します。
初級
・ジムビームJim Beam
世界で売り上げNO.1を誇るバーボン。
口あたりはまろやかでクリーンな後味が特徴的です。
どこまでもスピリッツとしてのウイスキーを愉しめます。
酵母が命である事を認識できるバーボンです。
・メーカーズマークMaker’s Mark
ライ麦ではなく、小麦を使うことでその味わいはどこまでもやわらかく、スムーズです。
メーカーズマークの顔である赤い封蝋は、蒸留所内のボトル工場で、現在も作業員によって一本ずつ丁寧に手仕事で行われています。
・ワイルドターキー8年Wild Turkey 8 Years
強く焦がしたオークの樽がもたらす芳醇な香りとほのかなバニラ香に、アルコール度数50%以上の力強さが男らしいバーボンです。
バーボンとは何かを確信させてくれる1本です。
喉から胸にかけてゆっくりと広がる、ほのかな暖かい余韻を楽しむことが出来ます。
・ジャックダニエルブラック Jack Daniel Black
チャコール・メローイングといわれる製法で、蒸留液を木桶に詰めた楓の木炭で、濾過し、着色した1本です。
その味わいは無骨なイメージと裏腹に驚くほどに軽やかで繊細です。
飲み方を選ぶ際は、ストレートで味わってもらう事をお奨めします。
・エヴァン・ウィリアムスブラックラベルEvan Williams Blacklabel
コーンウイスキーをルイビルで最初に作ったとされるのがエヴァン・ウィリアムスです。
ヘヴンヒル蒸留所で作り出され、その名を冠したボトルがこのエヴァン・ウィリアムスブラックラベルです。
バナナや洋梨の果物や柑橘類の香りを、樽由来の渋みで調和させるので、余韻はすっきりとした1本です。
・バッファロートレースBuffalo Trace
スパイシーな口当たりと、バターキャラメルやトフィーといった甘くまったりとした芳香を醸し出すバーボンです。
荒々しく男らしい味わいを愉しむことが出来る1本です。
中級
・ノアーズ・ミルNoah’s Mill
ケンタッキー州で最小の蒸留所で生産される、少量限定品のバーボンです。
1930年代に建てられた熟成庫の中で寝かせ、甘さは強く、余韻はドライです。
バーボンの王道をゆくウイスキーと言えます。
・フォアローゼスシングルバレルFour Roses Single Barrel
ライ由来のスパイシーさと、酵母由来のフルーツ香を兼備したバーボンです。
1つの樽で作られるシングルバレルは、バニラ香や樽香に隠れがちなバーボン本来の華やかさを知ることが出来る1本です。
・イーグル・レアシングルバレル10年Eagle Rare Single Barrel Aged 10 Years
バッファロートレース蒸留所が送り出す長期熟成のバーボンです。
10年を超えてピークが訪れた数多くの樽から、最高のウイスキーをボトリングしたものです。
甘みに加えて、ボディは猛々しく、ココアが分厚く香ります。
上級
・ノブクリークシングルバレルリザーブKnob Creek Single Barrel Reserve
シングルバレルリザーブは9年の長期熟成をされたバーボンです。
バニラやナッツなどのバーボンの香りの中から、長い歳月を経て赤く熟れた果実、ほのかに焦がした糖蜜が感じられます。
どっしりとした余韻を愉しむことが出来ます。
・ブラントン・ストレートフローム・ザ・バレルBlanton’s Straight From the Barrel
瓶詰め時に、一切の加水を行わない究極のバーボンです。
度数は平均65%以上と眩暈がしそうですが、ストレートバーボンらしい刺激は抑え目で、燻したバニラと桃のような、軽やかなフルーツが香る逸品です。
まとめ
バニラやナッツ、果物や柑橘類、燻したオークの香り、スパイシー、まろやか、すっきり、クリーンなどバーボンを表現する言葉は数え切れないほどに存在します。
そして、数え切れないほどの表現があるだけ、バーボンがあります。
一言でバーボンといっても前述の通り、実に多種多様なバーボンがあります。
そして、バーボンを愉しむ人にもそれぞれの好みが存在します。
今回のガイドラインが、これからバーボンを愉しみたい人それぞれの好みにあう1本を見つける手助けになれば幸いです。