アナタはどれくらい知ってた?バーボンにまつわる8つのトリビア
アナタはバーボンについてどれくらい知っていますか?
バーボンという名前の語源さえ知らずに飲んでいる方も多いのではないでしょうか。
バーボンの語源や、バーボンの産地についてどれくらい知っていますか?
せっかくバーボンを飲んでいるなら、ちょっと詳しくなってみましょう。
誰かに質問されたとき、知ってたらちょっとカッコイイ、バーボンにまつわる大人のトリビアをご紹介します!
バーボンにまつわるトリビア
1.バーボンの語源はフランス王家にある
バーボンのスペルは「bourbon」です。
英語で読むとバーボンですが、同じスペルをフランス語で読むと「ブルボン」となります。
ブルボンとはルイ王朝の王家の名前で、現在のスペイン王家にあたる家系です。
実はこのブルボン家が、バーボンという名前の大元になっています。
かつてアメリカが独立戦争をしたとき、フランス国王ルイ16世はアメリカを支援しました。
フランスの後ろ盾を得て見事イギリスからの独立を果たしたアメリカは、フランスに経緯を評し、ルイ王朝のブルボン家の名前をケンタッキー州の地名として残しました。
時は流れ、ケンタッキー州バーボン郡で作られたウイスキーが「バーボン」と呼ばれるようになったのです。
バーボンの語源がケンタッキー州の地名だという話までは有名ですが、さらに元をたどるとフランス王家にたどり着くんですね。
ただし後に境界線が変更されたため、現在のバーボン郡はかつてとは違う場所になっています。
2.バーボンとウイスキーの違いは?
世間一般でバーボンと呼ばれているものは、正確には「バーボン・ウイスキー」といいます。
実はバーボンはウイスキーの一種なんです。
そもそもウイスキーとは、麦芽の酵素でトウモロコシや大麦などの穀物を発酵させ、蒸留したお酒のことです。
使用する原料や製法、産地によって名称が異なり、例えばスコットランドで作られるウイスキーを「スコッチ・ウイスキー」、北アメリカで作られたライ麦原料のウイスキーを「ライ・ウイスキー」と呼ぶように名称が区分されています。
バーボンは、ケンタッキー州バーボン郡で生まれたウイスキーであり、現在ではケンタッキー州で作られるウイスキーのなかでトウモロコシが原料の50%~79.9%のものまでがバーボンを名乗ることを許されています。
また、内側を焼いて焦がした樽の中で2年以上は熟成させなければならないなど、製法についても厳格な決まりがあります。
3.バーボンはたまたま生まれた!?
バーボンは、18世紀に実在したエライジャ・クレイグという一人の牧師が偶然生み出したという説があります。
クレイグ牧師はバプテスト教会で牧師として働いていましたが、副業でウイスキーの製造を行っていました。
あるとき、ウイスキーを置いていた鶏小屋が火事にあってしまい、ウイスキー樽が焦げてしまったそうです。
ウイスキーもダメになってしまっただろうと考え、その樽を数年間放っておいたクレイグ牧師でしたが、数年経ってから樽を開けてみたところ、中から芳醇な香りをもつウイスキーが出てきたといいます。
これが現在のバーボンの原型となっており、内側を焼き焦がした樽で熟成させなければならないという製法の元になった出来事です。
このことから、クレイグ牧師はアメリカで「バーボンの父」として知られています。
4.バーボンが茶色なのは樽の成分が溶け出しているから!?
蒸留した直後のバーボンは無色透明です。
しかし樽の中で数年間熟成させると、何故か綺麗な琥珀色に仕上がります。
実はこの色は、バーボンを寝かせた樽の色が溶け出しているからなんです。
もちろん人体に有害な成分ではありません。
溶け出しているのは、リグニンやタンニンといった成分。
特にタンニンお茶などにも含まれている成分ですね。
バーボンを熟成させる樽を一度焼くのは、リグニンやタンニンがバーボンと反応して溶けやすくするためだといいます。
リグニンはバーボンに甘い香りを、タンニンは程よい渋みを与えてくれる、バーボンの味わいに欠かせない大切な成分です。
5.ジャック・ダニエルはバーボンではない?
日本ではバーボンの銘柄として有名な「ジャック・ダニエル」ですが、実は厳密に言うとバーボンではありません。
BARや酒屋でもジャック・ダニエルがバーボンの棚に置いてあることが多いため、勘違いしている方も多いのではないでしょうか。
ジャック・ダニエルはバーボン・ウイスキーではなく、テネシー・ウイスキーです。
テネシー・ウイスキーはアメリカのテネシー州で作られているウイスキーの一種で、蒸留した原酒を炭で濾過してから樽で熟成させるのが特徴です。
味わいもバーボンと似ていますが、バーボンと名乗れるのはケンタッキー州で作られたウイスキーの中でも厳しい規定をクリアしたものだけです。
しかし日本ではテネシー・ウイスキー自体の知名度があまり高くないため、BARや酒屋では日本人にも親しみのあるバーボンの棚に置いてあるというのが真実のようです。
6.バーボンに書いてある「プルーフ」の意味とは
バーボンには必ずと言って良いほど「proof(プルーフ)」の表示があります。
80proofや100proofなど、頭につく数字は様々です。
実はこれ、アルコール含有量表示なんです。
プルーフは通常のアルコール度数に2をかけたもので、80proofなら40度、100proofなら50度のバーボンということになります。
なぜバーボンだけ度数ではなくプルーフで表示してあるのかと言うと、これは昔実際に行われていたバーボンの品質テストに関係しているようです。
その昔、バーボンの品質を測るために、熟成を終えたバーボンに小銃用の火薬を垂らして火をつけていました。
火薬で火がつくのはアルコール度数が高い証。
つまり品質が良いということです。
うまく火がついたら検査官に「proofed(証明完了)」と言ってもらえます。
つまりプルーフとは、アルコール含有量が多いことを証明されたバーボンである、という言葉の名残なのです。
7.世界で一番飲まれているバーボンは日本が所有している!?
世界で一番飲まれているバーボンだと言われているのは、ケンタッキー州のビーム社が製造している「ジム・ビーム」です。
1795年から実に220年以上も製造を続けている歴史あるバーボンで、世界中の多くのバーボンファンに愛飲されています。
日本でもタレントのローラさんがCMのイメージキャラクターに起用されるなど、メキメキと国内での知名度を伸ばしていますね。
実はジム・ビームを製造しているビーム社は、2014年に日本のサントリーホールディングスが買収し、社名を「ビームサントリー」に変更しました。
そのため、昔よりも日本国内でジム・ビームが手に入りやすくなっています。
歴史ある企業が日本の会社の子会社になったというのは、誇らしいような、寂しいような…ともかく、初めてバーボンを飲むかたにはジム・ビームがおすすめです。
サントリーの傘下に入ったとはいっても、もちろん製造は全てケンタッキー州で行っている紛れもないバーボンの王道です。
その味に曇りはありません。
8.バーボンはWHISKYでなくWHISKEY
バーボンのラベル表記をよく読んでみると、その多くが「BOURBON WHISKY」ではなく「BOURBON WHISKEY」となっているのがわかります。
WHISKYでなくWHISKEY、なぜかEが入っています。
これには諸説ありますが、もともとはWHISKYが正しい表記だったが、アイルランドの酒造所が自分たちのウイスキーの独自性を高めるためにスペルを変えたという説が有力なようです。
もともと、アイルランドはウイスキー発祥の地ともいわれ、質の良いウイスキーをつくる国として有名でした。
しかし不法に醸造した質の悪いウイスキーが「アイリッシュ・ウイスキー(アイルランド産のウイスキー)」として出回るようになったことから、アイルランドの酒造所たちが本物のウイスキーのスペルを「WHISKEY」と変えたのです。
これにアメリカも賛同し、ケンタッキー州のバーボンにもEが入ったWHISKEYが使われるようになりました。
ただ、テネシー・ウイスキーやスコッチなどはすでにE抜きのWHISKY表示に戻しており、どちらのスペルを使っているかは酒造所によるようです。
ちなみに、バーボン好きの間では末尾のKYとKEYの違いから、バーボンを「鍵つき」、スコッチを「鍵なし」と呼んでいます。
まとめ
今回はバーボンにまつわる基本的な知識から、ちょっとマニアックな知識までご紹介してみました。
アナタはいくつ知っていたでしょうか。
「ジム・ビーム」がすでにサントリーの傘下に入ったことなどは2014年とつい最近なので、意外にまだ知らなかったという方も多いのでは?
今回ご紹介したトリビアを、次のお酒の席で話題にしてみてはいかがでしょうか。