時が経てば経つほど魅力が増すお酒の芸術品! 本物の味わいが楽しめるまぼろしのブランデーについて
まぼろしの銘酒はどんな種類のものでも、普段私たちがなかなか口にできない高級酒ですが、その中でも蒸留酒と言われるお酒は時が経てば経つほどまろやかで深く、本物の味わいを楽しめるようになります。
今回はそんな蒸留酒の中でも特に人気のある、まぼろしのブランデーについて紹介してみたいと思います。
普段なかなか味わえない極上の味を、僭えつですがぜひこの文章で味わって下さい。
目次
時間の経過とともに高貴な香りとまろやかな味わいに
まぼろしのブランデーに年代物が多いのは、時間の経過とともに高貴な香りとまろやかな味わいが増し、そのブランデーにしかない深く極めた味を楽しむことができるからです。
蒸留酒は時間が経てば経つほど熟成度が増し、ブランデーに含まれる水とアルコールの分子が密接になり密度も大きくなります。
するとアルコールが水の分子に包まれて刺激的な味が抑えられ、まろやかな味わいを実現させるのです。
しかもアルコールの蒸発を水の分子が防いでくれるので香りの成分が抜けることなく、むしろ熟成された芳醇な香りが広がりやすくなります。
本物の中の本物!100年物のブランデーも!「ルイス・フェリペ」
まぼろしのブランデーと言われるものは、20年物や30年物はもちろん、50年以上経つものも存在しています。
蒸留酒はもともとアルコール度数が高いので、腐敗することなく熟成がどんどん進んでいきます。
その中でも特に注目すべき、驚きの年代物ブランデーがあります。
それはルイス・フェリペというスペイン産のナント、100年物のブランデーです。
まさに本物の中の本物、まぼろしの年代物ブランデーです。
現在、日本では岐阜県内の酒屋さんが所有されているそうです。
ちなみにルイス・フェリペを飲んだ人の感想は、「ボトルを開けた瞬間、今までにない高貴な香りが立ち、ベルベットのように滑らかな口当たりと口に広がるセミスイートな味わいが非常に印象的だった」とか。
値段もかなりのものだったでしょう。
ヴィラッザリの1988年ヴィンテージブランデー
ヴィラッザリはイタリア産の中でも人気のある最高級ブランデーで、最低でも10年以上は熟成させて作られる、カラメルやシロップ、酸化防腐剤などを使用していない完全無添加の限定生産ブランデーです。
その中の一つに、1988年ヴィンテージの年代物まぼろしのブランデーがあります。
同じ年代に作られたブランデーを4種類ブレンドさせることで、ハチミツやバニラのような甘さとナッツのような香ばしさを実現させました。
香りは甘草やレザー、タバコのようなスモーキーな感じが楽しめる、他のブランデーとは一味違った年代物です。
日本には数本しか存在しない、まぼろしのブランデーです。
自家蒸留100%の珠玉のコニャックブランデー!「ロイ・レーヌダイヤモンド・クラウン」
コニャック原酒最良の産地と言われる、フランスのグラン・シャンパーニュ地区。
そこで「ルネ・ロワ社」が自家蒸留100%で造り上げたロイ・レーヌダイヤモンド・クラウンは、30年以上熟成された原酒のみを使用している、珠玉のまぼろしのコニャックブランデーです。
56年以上も熟成された年代物で、ビンも箱も歴史を感じさせる重みを感じます。
非常にまろやかで芳しく上品な香りは、とことん熟成されたコニャックブランデーならではの味わい。
こころゆくまでまぼろしのブランデーを堪能できる逸品です。
最高級のリンゴブランデーのヴィンテージ物!
ブランデーはブドウを主原料にしたものが多いのですが、リンゴを主原料にしたカドヴァスブランデーも味わい深く、おいしい銘酒が結構あります。
その中でも最高級のリンゴブランデーのヴィンテージ物が、クール・ド・リヨン ヴィンテージです。
クール・ド・リヨン社は上質なリンゴの生産地として知られる、フランスのノルマンディー地方中心部のペイドージュ地区の中でも北部の最優良地「フランス・サンタンヌ」に自社りんご園を保有していて、その中でも厳選されたリンゴを使ってカドヴァスブランデーの一級品を製造している会社です。
クール・ド・リヨン社では1960年代より、蒸留から熟成、ブレンディングまですべて自社で行っています。
厳しい管理下で製造されるカドヴァスブランデーは、各地の品評会で受賞するなど、その品質の高さが世界でも広く知られています。
ちなみにまぼろしのカドヴァスブランデーと言えるかなり古いヴィンテージ物には、クール・ド・リヨン ヴィンテージ1939年があります。
クール・ド・リヨン ヴィンテージ1939年
70年以上もの年月をかけて熟成されたカドヴァスブランデー、クール・ド・リヨン ヴィンテージ1939年は、第2次世界大戦勃発の年に製造されたという、かなり希少価値が高いヴィンテージ物です。
これほど年月をかけて熟成されたブランデーの味は、甘いリンゴの香りと共に古民家のような古木の香りが漂ってきて、なんだか不思議な気分になります。
口当たりは上質なカドヴァスブランデーにふさわしく繊細で、超なめらかな味わいを楽しむことができます。
めったに味わうことのできない年代物ブランデーです。
他にも1970年物、1994年物がありますが、アルコールは1939年物と比べて若干高いものの、いずれもフルーティーで芳醇なリンゴの香りとビロードのようななめらかな口当たりを堪能することができます。
相当な年代物!「デューク・ド・ルーザックナポレオンX.O.」
相当な年代物のまぼろしのブランデーに、デューク・ド・ルーザックナポレオンX.O.という銘柄があります。
残念ながら何年物か定かではありませんが、高級ブランデーの本場、バ・アルマニャック地区で造られたもので、上質のユニ・ブラン種とコロンバール種のぶどうで造った原酒がブレンドの中心になっている極上の一品です。
味と香りのバランスが実に良く取れていて、限りなく味わい深くやさしいのど越しと口当たりは、まさにアルマニャック、まさにナポレオンX.O,と呼ばれるにふさわしい、まぼろしのブランデーです。
ちなみにナポレオンは高価買取のブランデーの対象に良く登場しますが、おサイフに余裕がある方にはぜひおすすめしたい逸品です!
必見!河内みかんから作られたまぼろしのブランデー「アランシアソル」
ナント、純日本産のブランデーにもまぼろし級のものを発見!
そのブランデーの原料は、ブドウでもリンゴでもサクランボでもありません。
海外でもほとんど見かけないであろう、河内みかんから造られた銘柄なのです。
河内みかんと言っても関西の河内ではなく、熊本県熊本市の河内町というところで栽培されたみかんが使用されています。
そのまぼろしのブランデーは「アランシアソル」と名付けられました。
ほんのりみかんのさわやかな香りと甘みがあり、これまたやさしいテイストに仕上げてあります。
和食をはじめ淡白な味わいの料理とも合いますが、フルーツを使ったスイーツを肴に飲むのがおすすめです。
このまぼろしのみかんブランデーは熊本市の経済企画課が運営し、年間限定500本を生産していました。
残念ながら2005年に製造が中止され、現在では販売店の流通在庫のみになっている、まさに残りあとわずかの超希少なブランデーです。
白い陶器にカラフルな草花などを描いたボトルはとてもおしゃれで、オブジェとして飾っておくのにもピッタリ!
最近では熊本市内の酒屋さんやバーでも見かけなくなってしまったと言われる、まさしく純日本産まぼろしのブランデーです。
まとめ
まぼろしのブランデーの中には、相当古い年代物もあります。
バーや居酒屋、酒販売店などで所有しているものは比較的保存状態も良く、お客さんが安心して味わえるブランデーです。
ところが自宅や知り合いのお宅でウン十年間棚に眠っていたようなものは、中身をしっかり見てから味わう方が良いでしょう。
例えばコルクや金属の栓が劣化していると、せっかくのまぼろしのブランデーに混入してしまうこともあります。
もし味わうのであれば、お店のプロに一度見てもらった方が良いかもしれません。
自分で飲まないのであれば来客に飲んでもらうよりも、棚に飾っておく方が良いでしょう。