いも焼酎はプリン体を含まないのに痛風だとなぜ飲めない?

焼酎

imoshouchuu

いも焼酎は蒸留酒です。
糖質や脂質、プリン体などが少ないお酒の一つとしてよく知られています。

しかし痛風が原因の関節痛をお持ちの方はお酒そのものが飲めず、食事療法と投薬治療を受けます。
一度痛風を発症するとお酒は2度と飲めないのでしょうか?

ずっと治療が続くものなのか?
いも焼酎と痛風についてまとめました。



いも焼酎に含まれるプリン体はどのくらい?

アルコール度数25%のいも焼酎100mlに含まれるプリン体は0mgです。
では飲んでも問題がないのではないかと安心されたかもしれません。

しかし、体内の中に存在するプリン体のうち、食品などで取り入れたプリン体は約2割程度で、体内で作られるプリン体が8割なのです。
プリン体を食品から取りすぎると痛風になるわけではないのです。

実は痛風になりやすいか、なりにくいかは体質が大きく関わっています。



いも焼酎のアルコールが体内で分解されると尿酸になる

尿酸とは、酸性の食べ物を取りすぎて尿の値が酸性になることではありません。
私たちの体では常に新しい細胞に生まれ変わる新陳代謝が行われます。

新しい細胞を作るために古い細胞の中にあるプリン体を排出させてエネルギーに変えます。
その時、エネルギーに変換した時に出る細胞の燃えカスが尿酸という名前の物質なのです。

プリン体は、すでに私たちの体に常に存在し、代謝をする限り尿酸は作り出されています。
いも焼酎にはプリン体が少ないのですが、体内でアルコールを分解する事自体が体内で大きな代謝を起こすので、結果尿酸を多く作り出すことにつながるのです。

痛風は30~40代男性に多いのはなぜ?

痛風は「贅沢病」という俗称があります。
カロリーの高い動物性たんぱく質や脂質を含む食品を食べる機会のある方がかかるイメージがあるからでしょう。

実際には、肉(特にレバーなどの内臓)や魚卵にはたくさんの細胞があり、そのひとつひとつにプリン体が含まれています。
そのため、食品として体内に取り入れると、消化による代謝でプリン体が増え、尿酸も多く作り出されるのです。

痛風は男性が圧倒的にかかりやすい疾患です。
理由は、体内で作られた尿酸を排出させるエストロゲンというホルモンが少ないからです。

30~40代の男性に痛風が多いのは男性ホルモンの活動が活発で、社会的にも収入が増えて会食の機会があり、体内にプリン体を取り入れる機会が多く、作られた尿酸を排出させるホルモンが少ないという悪循環が原因です。

痛風は一生治らないのか?

新陳代謝が衰え、男性ホルモンも少なくなる?
60代、70代の男性であれば、プリン体自体を代謝する力が弱まり、若い頃に比べると尿酸を作ることができなくなります。

そのため、投薬の治療を受けていた人であっても、高齢に差し掛かると自然治癒する事があります。

エストロゲンを増やすにはどうしたらいいのか

エストロゲンは女性ホルモンの一つです。
痛風が女性に少ないのは、このホルモンの影響が大きいと言われています。

男性にも平均20~60pg/mLのエストロゲンが存在しています。
しかし、排卵期の女性が350pg/ml程度まで濃度が上昇するのに比べると、差が大きいのは一目瞭然です。

男性は食事療法と、アルコール摂取の量を制限することが一番効果があるのですが、少しでもエストロゲンを増やしたいと考える方にはサプリメント、豆腐や豆乳などの食品を日常的に取り入れる習慣をつけることもおすすめします。

合わせてエストロゲンを多く作り出すツボを刺激するのはいかがでしょうか。
おへそとみぞおちの間にある「中院」というツボに効果があると言われているのでお試しください。

エストロゲンが増えると肌に透明感と髪にツヤが出ます。
男性も美容に関心が高くなってきているので、痛風ではない方でも食べ物やサプリメント、ツボ押しをするのもお勧めです。

運動してカロリーの消費をすればいも焼酎を飲んでもいい?

運動はエネルギーを体内で消費するので、体に余分な糖や脂肪がなくなりますね。
しかし、残念ながら運動によって代謝が活発になり、その分尿酸もたくさん作られています。

運動の後のビールや酎ハイは人気がありますが、逆効果になりますので運動の後のアルコールは控えましょう。

尿酸値が高いので食事療法をしているが、いも焼酎は飲んでもいいのか?

基本的に尿酸値が高く食事だけで改善している状態であれば、現状を悪化させないためにアルコール全般を控えることをおすすめします。
投薬治療を受けていればなおさらです。

でも、どうしても飲みたい方は週一回だけ、コップ一杯の水割りでアルコール度数を下げて少量を楽しむなどお医者様に相談の上で上手な付き合い方を指導していただきましょう。

まとめ

いも焼酎には痛風によくないプリン体は含まれない。
しかし、人の体を作っている細胞にはもともとプリン体が含まれているので、新陳代謝によって尿酸が常に体内にはあります。

いも焼酎のアルコールを分解するだけでも尿酸が作られます。痛風の症状になる尿酸値が高いので食事療法を医師から勧められている方にはアルコールそのものが体に良くない。
しかし代謝の衰えとともに尿酸ができにくくなるので、60代以降は痛風の症状が改善することもあります。

体内の尿酸を排出するにはエストロゲンとうい女性ホルモンが有効的。
サプリメントや豆腐や豆乳、ツボの刺激で地道にエストロゲンを増やす。
水割りなどでアルコールを薄めて、いも焼酎を自己判断で飲まず、医師との相談・管理のもとで飲酒を行いましょう。

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