西海岸・カリフォルニアから!カリフォルニア・ブランデーのおすすめ!

ブランデー

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カリフォルニアといえば、ワインが有名ですよね。

それというのも原料となるブドウを栽培するのにとっても適した気候と風土があるからです。

素晴らしいブドウが手に入るなら、それはブランデーにとっても適した産地であるということ。

近年では品質はさらにアップし、ファンは世界中に急増中です。

コニャックやアルマニャックに負けないとの声もある、カリフォルニア・ブランデーをご紹介したいと思います。



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アメリカのブドウ畑の歴史って?

アメリカのブランデーといえば、植民地時代からよく飲まれていたのは「アップルジャック」という、リンゴを原材料としたものです。

最初に販売許可を得たのはレアード・アンド・カンパニー社で、1740年のことでした。

それでは、ブドウを原材料としたものはどうだったのでしょうか。

ブドウはリンゴとは異なり、どんな条件でも栽培できるわけではありません。

そのため、ブドウの栽培は西海岸地方に集中しました。

現在一番有名なのはカリフォルニアですよね。

ナパ・バレーやソノマ、モントレーなどはワインの産地として良質なブドウを産出しています。

その歴史はやはりヨーロッパから。

1700年代後半、この地域はスペインの植民地でした。

ここにスペイン人の宣教師が伝道所を設立し、その際にワインとブドウを持ち込んだのです。

伝道所を中心に町は発展していきます。

1771年にはロサンゼルスの東、4番目に設立された「サン・ゲーブリエル修道院」によって最初のブドウ畑がつくられました。

西海岸は気候が穏やかで、ブドウの栽培にも適していたのですね。

記録によると、1829年にサン・ゲーブリエル修道院産のブドウで造られたワインは600バレル。

ブランデーは200バレルに及んだそうです。

これらは修道院の資金源となり、年間の売り上げは1万2000ドルもあったそうです。

修道院で栽培されたブドウは「ミッショングレープ」と呼ばれ、カリフォルニア中に広がっていきました。

修道院産ではないブドウの栽培も本格化します。

1824年、ジョセフ・チャップマンはサン・ゲーブリエル修道院のそばに商業用のブドウ畑を作りました。

さらに数年後、ウィリアム・ウォルフスキルによって現在のアートディストリクト地域が開墾され、ブドウ畑になりました。

これらがロサンゼルスのダウンタウンワイナリーの始まりと言われています。

その他にも広大な非ミッション系のブドウ畑が多く広がっていたといいますが、詳細はわかっていません。

このように、ブドウの栽培があちこちで行われていたわけですが、その品質は本場ヨーロッパで使用されていたものに比べるとやや落ちると言わざるを得ませんでした。

そんな中、高品質なヨーロッパのブドウが持ち込まれたのは19世紀に入ってから。

ヨーロッパからの移民がブドウを栽培し、ワインの製造を始めました。

1833年、オリジナルのブドウでワイナリーを始めたのはフランス人、ジャン・ルイ・ヴィーニュ。

彼の持ち込んだブドウはミッショングレープよりはるかに品質がよく、良質なワインを作ることが出来ました。

このようにして、カリフォルニアはブドウの一大生産地として名を馳せるようになったのです。



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アメリカ・カリフォルニアと本家・フランスのブドウ畑の違いとは

カリフォルニアの気候は、本家フランスよりも暖かく、ブドウが完熟するという特徴があります。

さらに収穫期の秋には、ほとんど雨が降りません。

そのため、カリフォルニア産のブドウの方が、フランス産のものよりも糖度が高いのです。

例えば、アメリカのナパ・バレー産のブドウは糖度が24度ほどもありますが、フランス・ブルゴーニュ産のものは18度ほどです。

そのため残留糖度も多く、このブドウで造られたワインやブランデーはリッチでコクがあり、甘さが際立っています。

アメリカではブドウの植え方も違う?

フランスでは、より多くの熱を果実に吸収させるために、ブドウを地面すれすれに植えます。

こうすれば、結実した時にブドウがより甘くなるからです。

さらにこの植え方だと、ブドウは土壌の変化を如実に受けます。

コニャックの産地でも、土壌は6つのランクに分けられているのはご存知かと思います。

1.グランド・シャンパーニュ
2.プティット・シャンパーニュ
3.ボルドリ
4.ファン・ボア
5.ボン・ボア
6.ボア・ゾルディネール

以上のように分類されているわけですが、1のグランド・シャンパーニュで造られたブドウはスミレのような香りを持ち、他にはない味わいだと言います。

土地によって味わいが変わるというのは今一つピンとこない部分もあるかと思うのですが、地面に近いほど土壌の影響を受けるとなれば、納得ですね。

対してカリフォルニアでは地上1mのところに実がなるように調整して栽培されています。

温度の高いカリフォルニアでは、地面近くにブドウの実がつくと暑くなりすぎて、実が割れてしまうからです。

葉の調整も大切です。

日当たりを適度にし、風通しが良くなるようにしなければなりません。

またカリフォルニアには乾季があり、雨がほとんどふらなくなるので、灌漑設備も必須です。

水分の調整はとても重要です。

このように異なる植栽方法を行うカリフォルニアとフランスですが、よりブドウ品種本来の味わいを強く持つのはカリフォルニアの方だと言われています。

カリフォルニア・ブランデーの有名メーカーはどこでしょう?

カリフォルニア・ブランデーと呼ばれるものはグレープブランデーで、ワインから蒸留されます。

そしてアメリカ国内のグレープブランデーのほとんどはカリフォルニア産です。

そんなカリフォルニアで、コニャックよりコニャックらしいと言われるブランデーを作るメーカーがあります。

ご紹介してみたいと思います。

Germain robin

こちらは有名なカリフォルニア・ブランデーのメーカーです。

創設者はエインズレー・J・コールとヒューバート・ジェルマン・ロビン。

ヒューバートはフランス・コニャック地域出身で、もともとコニャックを作っていました。

そしてコールはバークレー大学で古代史を教えており、1973年にユカイアのイーグル・エッジ・ランチという地域で2000エーカーの土地を購入していました。

彼らの出会いは1981年のことです。

コールはたまたまヒッチハイクしていたヒューバート・ジェルマン・ロビンをピックアップします。

彼はブランデー造りに適した土地を求めて、カリフォルニア中を旅していたのでした。

ヒューバートの家は1782年から、ジュール・ロビンアンドカンパニーという名まえで家族経営のコニャックを作っていました。

しかし、そのビジネスが大手ブランデーメーカー・マーテルに売られてしまうことになったのです。

これによって家族が守ってきた古くからの製法は失われ、大企業による大量生産へと変わらってしまいます。

ヒューバートは祖先から彼の時代まで伝えられた製法を、後世にも引き継ぎたいと考えていました。

彼の考えに賛同したコールは彼とブランデー造りを始めます。

ヒューバートは地元・コニャックの放棄された蒸留所にあるアンティークの蒸留器を発見します。

そしてそれを、メンドシノ郡のコールの牧場へと送りました。

それはおそらく1937年くらいに製造されたもので、使用されなくなったのは1951年くらいであろうと推測されました。

それでも品質は素晴らしく、手打ちで造られた立派なものでした。

そして次の年、彼らは最初のブランデーの原材料となるブドウを購入します。

当時メンドシノ郡では、ブランデーのブドウは驚くほど低価格で購入することが出来ました。

そのため、コニャック造りに使用が義務付けられている普通ランクのブドウよりも、より高い品質のブドウを購入することができたのです。

使用された品種はピノ・ワール。

これを使用して造られたブランデーはヒューバートがこれまで見たこともないような完璧なものだったといいます。

彼らはブランデー事業を始めるために、投資家を探さなければなりませんでした。

しっかり熟成したブランデーが眠る貯蔵庫にするには、数十年かかるものです。

彼らは1984年夏に、最初の投資家を見つけ、なんとか小さな貯蔵庫を持つことが出来ました。

そしてその秋、全ての蒸留過程を執り行うことができたのです。

主にピノ・ワールとコロンバード、ゲイミング、セーニン・ブラン、ソヴィニヨン・ブランが蒸留されました。

そして1987年、彼らの最初のブランデーVSOPがリリースされることになったのです。

評価も高く、本家のコニャックにも負けないと言われるカリフォルニア・ブランデーが誕生しました。

Germain robinのこだわり

本家フランスのコニャックにもまけないこだわりで、ジェルマン・ロビンのブランデーは有名になりました。

創設者がコニャックのローカルだけに、品質にも妥協を許さない姿勢が見えますね。

アンティークの蒸留器にこだわる!

彼らは昔からのコニャックの製法にこだわっていました。

そして、コニャックの品質にとって一番大切なのはコニャックの蒸留器であると考えました。

そのため、彼らは古く、アンティークのような蒸留器を求めていたのです。

豊かな風味と繊細な味のバランスを保つには、12~17HLが妥当。

彼らはそう考えていました。

これは標準的に使われる蒸留器の50~70%のサイズです。

これが彼らにとってのベストバランスを生み出すのです。

さらにアンティークにこだわったのにはわけがあります。

1950年代以降の蒸留器はほとんどが自動で作動します。

彼らはすべて自らの手で造ることを選びました。

蒸留水を常に自らの目で監視し、熱を調節し、コンデンサ内部の温度もすべて手動で行っているのです。

原材料となるブドウは高品質なものを!

コニャックやアルマニャックに使用されブドウは通常かなりくせのない、ブドウの品質としては並みのものです。

しかし彼らは最初から高品質のブドウ種のみを使用してブランデーを造りました。

品種を個別に蒸留し、それぞれの高品質な特性を際立たせるようにしたのです。

生産地メンドシノの気候!

ブランデーを造っているメンドシノの気候も、彼らのブランデーを特別なものにしてくれます。

メンドシノの夏はとても暑く、32度を超えます。

37度を超える日も珍しくはありません。

そのため、ブドウは風味豊かに育つのです。

さらに夜は10度くらいまで下がります。

この低温がブドウの酸度を保ってくれるのです。

寒暖の激しい気候こそが、素晴らしいブドウを造る助けとなってくれているのですね。

さらに収穫前には雨が降らず、他の地域のようにカビを心配したりする必要がありません。

本当においしく熟した収穫時期まで、じっくりと待つことが可能なのです。

寒さや雨天によって収穫時期を変える必要が全くないというのは素晴らしいことと言えますね。

近代的な醸造設備!

醸造に使用するワインを造る醸造所は近代的で、ブドウの品質を維持・強化するのに役立っています。

ブランデーの原材料となるワインは常に最高の品質です。

セラーでの仕事!

生産の80%はセラーでの仕事です。

濾過された雨水を使用し、ゆっくりと蒸留します。

蒸留酒にどのくらいの加水を行うか、または行わないかは、自らの目で判断します。

Germain robinのおすすめは?

品質も高く、世界中から注目を集めるジェルマン・ロビン。

おすすめを見てみたいと思います!

select Barrel XO

およそ80%にピノ・ワール種を使用した、12種類の原酒がブレンドされています。

熟成年数はおよそ17年。

このブランデーをリリースした1996年にはRoBB Report Magazinsの専門家パネルによって世界の「ベストオブベスト」と評されました。

余韻の長く続く、繊細な味わいが特徴です。

Craft Method Brandy

オールド・ブランデーを混ぜ合わせた、VSOPクラスのブランデーです。

メインのブドウはコロンバード。

それにピノ・ワール、リスリング、ジンファンデルが混ぜられています。

フレッシュで軽い味わいと、長く続く果実感が特徴です。

スピリッツアンドカクテルマガジンからは「地球上で最高」と称されました。

Coast Road Reserve

ピノ・ワールを中心に使用されています。

深くフルーティな味わい。

オーク樽由来の香りがまったりと香ります。

20年熟成もののブランデーも使用されています。

まとめ

カリフォルニアワインは有名ですが、なかなかお目にかかれないカリフォルニア・ブランデー。

コニャック以上にコニャック、という評もありまして、是非試してみたくなりますね。

しかし残念なことに、ご紹介したブランデーを日本で入手するのは難しいようです。

そもそも、ハンドクラフトなので数量が少ないのです。

ですから日本までは入ってこないのですね。

もしかしたらレストランや専門店にはあるのかもしれませんが、簡単には見つからないのではないでしょうか。

もしアメリカに旅行のご予定があれば、現地のお店を探してみてはいかがでしょう。

カリフォルニアワインではなく、あえてブランデーというのは喜ばれるのではないでしょうか。

ブランデー