「よく分からない」を卒業! 初心者のためのブランデー講座
ビールや日本酒、ワインなどに比べてまだまだ日本ではなじみが薄いブランデー。
皆さんはブランデーに対してどのようなイメージをお持ちですか?
大人が嗜むお酒、もしくはブランデーの事はよく分からないという方も多いでしょう。
そこで今回はブランデーとはどんなお酒なのか、知っているとちょっと得するブランデーの情報をお届けします。
目次
そもそもブランデーってどんなお酒なの?
ブランデーとは果実酒を蒸留したものの事で、ブランデーの主な原料はブドウです。
最近ではブドウ以外にも種類が増えてスモモやサクランボ、リンゴなどの果物もブランデーの原料として使われていて、フルーティーな香りが楽しめるので女性にもおすすめのブランデーです。
そのため、ブドウから作られたブランデーは「グレープブランデー」、ブドウ以外の果物から作られたブランデーを「フルーツブランデー」と呼んでいますが、最近ではブランデーにフルーツを漬けて作るブランデー版サングリアともいえる物も「フルーツブランデー」と呼ばれているようです。
チェリーを原料として作られたブランデーは「キルシュ」と呼ばれ、カクテルや水割りの他、生クリームなどの乳製品やイチゴとの相性も良いため、ケーキなどのお菓子作りの際にも使われています。
その他にも「グラッパ」と呼ばれるブドウの搾りかすを原料としたブランデーもあり、グラッパの多くは樽で熟成させないため、無色透明なのが特徴です。
よくブランデーと混同されてしまうのが最近人気のハイボールにも使われるウイスキーですが、ウイスキーはトウモロコシや大麦、ライ麦、大麦麦芽を原料としています。
ブランデーの歴史は古く、13世紀ごろにはお酒ではなく気付け薬として存在していたとされ、16世紀から17世紀にかけてヨーロッパで寒波によって品質が落ちてしまったワインを蒸留したのが始まりとされています。
ブランデーという名前は「brandewijn(ブランデヴァイン)」(焼いたワイン=蒸留したワイン)」に由来しています。
アルコール度数はどれぐらい?
ブランデーにおけるアルコール度数はおよそ40度から50度で、醸造酒を熱して蒸発させた物を集めた蒸留酒だけに15度程度のワインなどよりアルコール度数は高めになっています。
ブランデーでよく聞く「コニャック」って何?
ブランデーに関して詳しくない方でもおそらく一度ぐらいはどこかで「コニャック」という名前を耳にした事はあるでしょう。
コニャックとは主に「ユニブラン」という品種のブドウを原料としたフランスの南西部にあるコニャック地方で産出されたブランデーで、非常に高価な事でも有名です。
コニャック地方の周辺の限られたエリアで栽培されたブドウのみを使い、二度の蒸留の後、オーク材の樽で15年から長いものでは50年もの長期間じっくりと熟成されて造られたのがコニャックです。
コニャックの他にもフランスのアルマニャック地方で育ったブドウを使ったブランデーを「アルマニャック」、フランスのノルマンディー地方で育ったリンゴを使ったフルーツブランデーを「カルヴァドス」と呼びます。
熟成させる樽の素材によって味が変わるの?
コニャックには主にフランスの中南部に位置するリムーザン地方で産出されたフレンチオークの木材で作られた樽が用いられますが、タンニンやポルフェノールがブランデー溶出する事によって独特の風味がお酒に移るという訳です。
また、オーク材の樽は目が詰まっているので頑丈で中身のブランデーが漏れにくく、長期間の熟成にも向いています。
高いブランデーと安いブランデーは何が違う?
ブランデーにはピンからキリまで様々な価格のものがあり、世界で一番高価で「これを飲めば不老不死になれる」と言われている幻のコニャック「ヘンリーIV,コニャック・グランデ・シャンパン」は24金と6.500個ものダイヤモンドが散りばめられた豪華絢爛なボトルに入ったコニャックで、そのお値段は日本円にしてなんと2億円というから驚きですよね。
2億円とまではいかなくても、ブランデーの中にはコニャックやレミー・マルタン、ヘネシーといった高級なものからスーパーなどで1000円以下で買える安価なものまで数多く存在し、これではお店でブランデーを選ぶ際に迷ってしまう事でしょう。
一般的にブランデーの価格を決めるにあたって重要なのは熟成させる年数や原材料であるブドウなどの果物の原産地やその畑の土壌、ブドウの品種と言われており、その他にも高級クリスタルブランドとして知られているバカラ製のボトルに入っているものなど、高価なブランデーはボトル自体も高価である場合もあるのです。
一方、安価で売られているブランデーの多くは熟成年数も短く、原料も一般的な物を使用しているため価格が抑えられているのです。
ブランデーはアルコール度数が高いから二日酔いする?
アルコール度数の高いブランデーを飲む時にどうしても気になってしまうのが、二日酔いしないかという点だと思います。
意外に思われるかもしれませんが、実はビールやワイン、日本酒をはじめとする「醸造酒」よりもブランデーやウイスキー、焼酎などの「蒸留酒」の方が添加物が少ないので体内で分解されやすく、二日酔いしづらいと言われています。
またビールや日本酒などと比較しても、後から添加されていなければブランデーには糖質が含まれていませんので、糖質制限ダイエットに励んでいる方の強い味方ともなってくれます。
ブランデーのおすすめの飲み方は?
ブランデーの飲み方としてポピュラーなのは薄めずそのまま飲む「ストレート」、氷と水で割った「水割り」、ゆっくりと氷を溶かしながら飲む「オンザロック」、ソーダで割った「ソーダ割り」、カクテルですが、その他にも様々な楽しみ方があります。
温めたホットグラスにブランデーとお湯を注ぐ「ホットブランデー」はブランデーが持つ豊かな香りを十分に堪能できます。
また、リキュールグラスにブランデーを注ぎ、その上に厚切りにした輪切りのレモンと砂糖を乗せてレモンをかじりながら飲む「ニコラシカ」も目新しく、ブランデー初心者の方でも挑戦しやすいでしょう。
変わったところでは角砂糖をスプーンに乗せ、ブランデーを染みこませて火を点けて温かいコーヒーに落として飲む「カフェ・ロワイヤル」もブランデーの香りを楽しむ方法のひとつです。
ブランデーに合う料理やおつまみは何?
ブランデーは食事時に飲むのにもぴったりなお酒で、特にイタリアンや中華、洋食をはじめとした味付けの濃い料理やバターやオイルをたっぷりと使った脂分の多い料理によく合います。
ブランデーに合うおつまみとして有名なのはチョコレートですが、それ以外にもドライフルーツやピーナッツなどのナッツ類、塩系のおつまみではクラッカーやサラミソーセージなどもブランデーのおつまみとして向いているでしょう。
部屋の照明をちょっと暗くしてチョコレートやクラッカーを肴にゆったりとグラスを傾けたり、大人数でテーブルを囲んで食事と一緒に楽しむ事ができるのもブランデーの魅力ですね。
まとめ
ブランデーと言うと高級で手が出しづらいと思われがちですが、他のお酒同様手軽に購入できてビールや日本酒よりも飲み方のバリエーションも豊富で飽きの来ないお酒と言えるでしょう。
しかも二日酔い防止にもぴったりとくれば飲まない手はありません。
飲み会などの集まりで「ブランデーを飲んでいる」と言うと一目置かれる存在になれるかもしれませんよ。