酒好きは知っておきたい、ウイスキーの作り方とその種類とは?

ウイスキー

シングルモルト ウイスキー ザ マッカラン 12年 700ml

洋酒好きの人で、味わったことのない人はいないであろう、洋酒の大様「ウイスキー」。

強いアルコールの香りの中にうっすら漂う大麦の香りがたまりませんよね。

お酒を飲む時には一緒にその歴史や文化を知っておくとより深く味わうことも出来ます、やはりウイスキーを嗜む時、そのルーツや歴史なんかもにも思いを馳せてみたいものです。

そこで今回はウイスキーの製造法やそのこだわりについてご紹介していきたいと思います。



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ウイスキーの原料:二条大麦 から「モルト」を作るまで

ウイスキーを嗜む皆さんであれば「モルト」という言葉を聞いたことのある方も多いかと思います。

ウイスキーの瓶に書かれている「モルト」と言うのは基本的に醸造後のウイスキーの配合酒を指しますが、最初の工程で言われる「モルト」とは、いわばウイスキーの原料になる大麦の加工品のことです。

1:麦を発芽させる

ウイスキーを造る際に使われる「二条大麦」は、日本では「ビール麦」と呼ばれるような種類の麦で、基本的にお酒以外の用途では使用されません。

一般的に麦と聞いてイメージされやすい「六条大麦」は雑穀としてご飯に混ぜたり、麦茶などに使われるため、ここでは違う麦を使用します。

まずはこの六条大麦を水に浸し、発芽させます。

これによって大麦の中にまでウイスキーの香りの元を浸透させやすくなるのです。

この発芽の作業では大麦の中の酵素をどんどん消費していくので、ある程度のところで乾燥させ、発芽を止める必要があります。

2:発芽した麦を乾燥させていく

次に乾燥させる工程に入るわけですが、ここではモルトスター(モルトを専門に作る業者のことをそう呼ぶ)達によって様々な工夫が行われ、大麦から旨味を100%引き出す工夫がなされています。

主に乾燥は熱によって乾燥させていくわけですが、この際に石炭やモルト独特の香りをつけるためにピートを焚く事が多いようです。

ここまでの工程は基本的にモルトスターを呼ばれる専門業者によって行われ、その後の加工が酒造メーカーの腕の見せ所になるわけです。



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酒造メーカーによって違う、モルトからウイスキーができるまで

3:乾燥させた麦(モルト)を粉砕していく

さて、しっかり香り付けと乾燥が進んだモルトを用意したら、次の工程ではこのモルトを粉砕していきます。

ここで粉砕し、粉末状にしておくことで次の工程である「糖化」の際に中のデンプンが無駄なくしっかり分解され、ウイスキーのほんのりただよう「甘み」を最大限引き出すことができるのです。

4:モルトから糖を引き出す作業(糖化)を行う

次に糖化の工程です。

ここでは砕いたモルトを温めた「仕込み水」と呼ばれる水に入れて麦汁を作っていきます。

ちなみにこの「仕込み水」とは基本的にはただのミネラルウォーターなのですが、各地のウイスキー製造所を尋ねると、どこも自然豊かで水源が豊富な場所にあることがわかると思います。

これはモルトの中にあるデンプンやその他の栄養素とミネラルウォーターの中に含まれるミネラル分(カルシウムやマグネシウム)が影響しあい、甘みの強い麦汁を作るために必要だからです。

ですのでこのウイスキーの製造所に合わせた「仕込み水」でウイスキーを水割りすると、ウイスキーの旨味を補完し合い、より旨味の強いウイスキーを味わうことも出来ます。

ウイスキーの醍醐味、発酵と蒸留、そして醸成

それではいよいよお酒の醍醐味「発酵」の作業に入ります。

この作業では出来上がった麦汁に酵素を加え(大麦本来の酵素も利用し)、発酵槽と言われるおおきな水槽のような樽に麦汁を寝かせます。

これによって麦汁の強い甘みのもとである糖と酵母が反応し合い、アルコール分の強い液体が生まれます。

この発酵液を「もろみ」や「ウォッシュ」と呼び、ウイスキーの心臓部として各メーカーで味の違いが表れるところです。

5:蒸留によって不純物を取り除き、アルコール度数を上げる

次に大事な作業として「蒸留」を行っていきます。

この作業によってもろみから不純物を取り除き、より純度の高いウイスキーを作り出します。

ちなみに蒸留は加熱して蒸発したウイスキーを集める段階では70度前後にしかならないため、更に純度を上げてよりスッキリした味わいにするために二度ほど蒸留するのがセオリーです。

蒸留器の種類:ストレート型

この時蒸留する機械のことを「ポッドスチル」と呼びますが、このポッドスチルには二種類の形状があります。

まずストレート型と呼ばれるポッドスチルがあり、これは文字通りストレートに蒸留管が伸びたデザインが特徴的で、蒸気化したウイスキーが蒸留管を抜ける際、アルコール以外の成分がそのまま抜けていくため雑味の多い仕上がりになります。

蒸留器の種類:バジル型

次にバジル型と呼ばれるポッドスチルがあります。

これは蒸留管の途中に膨らみがあります。

この瓢箪のような形状によって蒸気がぶつかり合い、一旦冷やされて下に落ちます。

そして更に加熱されて蒸留管を抜けることで二回蒸留したような効果が得られます。

この「バジル型」で蒸留されたウイスキーは雑味が少なく、よりアルコールのすっきりした味わいを楽しむことができます。

6:いよいよ樽に入れて醸成

最後の工程として「醸成」していく作業があります。

これは皆さん色々な場面で見たことがある方も多いと思います。

蒸留によって濾し取られたウイスキーは、一旦樽の中に入れられ醸成されていきます。

この醸成の工程で最も適したアルコール度数である62度~63度前後まで薄められたウイスキーが使われ、樽に使われる木材の香りを閉じ込めた黄金色のウイスキーが作られていきます。

ちなみにこの時に使われる樽には耐久性があり、なおかつウイスキーに与えられる旨味を豊富に含んだ「ホワイト・オーク」の樽が使用されます。

樽で眠らせる期間については種類によって様々ですが、スコッチの場合は3年以上、長いものになると20~30年以上醸成させる必要があると言います。

ブレンドによって様々に変わる、シングルとブレンドの違いについて

この後ブレンドの仕方によって様々に種類が分かれていきます。

以下はその名称と味わいの違いについてご紹介していきます。

まずウイスキーの種類は大きく分けて「ブレンドウイスキー」と「シングルモルトウイスキー」、「シングルカスク」に分けられます。

まずシングルカスクは一つの樽から取り出し、そのままボトルに詰めた、いわば「純度100%」のウイスキーです。

これは非常に貴重なウイスキーのため市場に出回ることはあまりありません。

アルコール度数も60度と一般的に目にするウイスキーよりもやや高めで、樽によって味に個性が出るという点で面白い品種でもあります。

次に「シングルモルトウイスキー」があります。

これは一つの蒸溜所で作られたウイスキーで、お酒の愛好家にはよく嗜まれる種類になるのではないでしょうか。

さらに複数の蒸留所のウイスキーを組み合わせたものとして「ヴァッテッドモルト」と言われる種類もあります。

こういったブレンドを行うのはブレンダーの仕事なのですが、基本的にウイスキーというのは一つ一つ、樽の状態によって様々な個性が出ます。

その個性をうまく引き立て、よりいっそウイスキーの旨味を引き出したものが「ブレンドウイスキー」だと考えればよいでしょう。

最後に皆さんがよく目にする「ブレンデッドウイスキー」があります。

これはウイスキーのアタックの強い味わいを、柔らかく、サイレントな味わいを持つグレーンウイスキーで包み込んだものです。

非常に呑みやすく、多くの愛酒家に嗜まれるおすすめのウイスキーです。

まとめ

これだけの工程を経て作られるのが、普段私達が目にする「ウイスキー」なわけです。

こうしたウイスキーの工程や作り方は蒸留所に行けば見学させてもらうことも可能ですので、気になる方は一度チェックしてみてもいいかもしれません。

みなさんもこうしたウイスキーの種類や個性をよく理解し、より一層お酒の良さを味わいながらウイスキーを楽しんでみてはいかがでしょうか。

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