世界が注目!日本のウイスキーの人気はまだまだ継続中?
世界で知られるウイスキーの産地はアメリカやヨーロッパでした。
しかし近年、日本もウイスキーの名産地として認知されるようになってきました。
日本のウイスキーの評価は高く、現在も高値で取引が行われています。
日本のウイスキーの魅力はどんなところにあるのでしょうか。
日本のウイスキーについてと、おすすめウイスキーをご紹介します。
目次
日本のウイスキー人気はまだまだ衰えない
ジャパニーズウイスキーが世に現れたのは2003年に「山崎12年」が「インターナショナルスピリッツチャレンジ」において金賞を受賞したのがきっかけでした。
それ以前からジャパニーズウイスキーの品質は注目されていましたが、この受賞によってはっきりと世界的にもレベルが高いということが認められたのです。
その後もジャパニーズウイスキーは世界的なコンペティションで受賞を続け、入手困難な人気ウイスキーの一つとなりました。
特に「山崎50年」や「イチローズモルト」は人気が高く、オークションでも高値で取引されています。
一時期、山崎の人気は落ち着いたかのように見えたのですが、2018年1月に開催された香港のオークションでは「山崎50年」に3250万円もの価格がつきました。
こちらのウイスキーには、チーフブレンダーのサインが入っているということで希少価値も高くなっていたことが伺えます。
3250万円という値段は、ジャパニーズウイスキーでは過去最高の落札金額となり、まだまだ人気が衰えていないことがわかります。
中国人からの注目が熱い?
ウイスキー価格の高騰には、中国人富裕層の存在があります。
彼らは自分たちでウイスキーを楽しむ以外に、投資対象としてウイスキーを見ています。
そのため、希少価値の高いウイスキーや人気のブランドには中国富裕層のお金が集中しているのです。
また、日本に残っているウイスキーを求めてくる中国人も多く、日本に来ながらも一切観光地には赴かず、田舎のちいさな酒屋ばかり回る人もいます。
地方の小さな酒屋にはお宝ウイスキーが眠っていることがあり、中国人業者はそれを目指してやってくるのです。
同じことはスコッチやアイリッシュにもおこっており、チャイナマネーのパワーを感じることができます。
日本のウイスキーはスコッチがお手本
ウイスキーと言えば、本場はスコットランドやアイルランドです。
日本のウイスキーはスコットランドを模して作られているというのはNHKの朝ドラを見た人なら知っているでしょう。
ジャパニーズウイスキーの父と言われ、ニッカウヰスキーの創業者である竹鶴政孝はウイスキーの勉強のためにスコットランドを訪れました。
キャンベルタウンの「ヘーゼルバーン蒸留所」でスコッチの蒸留を学び、それを日本に持ち帰ります。
彼のウイスキー修行のおかげで、現在の日本のウイスキーがあるのです。
竹鶴政孝が教えを請うたのがスコットランドであったため、日本のウイスキーは「スコッチ」の系統を継承しています。
スコッチウイスキーの味わいが低迷した時、「本当のスコッチの味わいを継承しているのは日本のウイスキーだ」とまで言われました。
日本のウイスキーとは
日本でウイスキーの製造が始まったのは1870年頃のことです。
販売用となるとさらに遅く、1924年頃となります。
スコットランドをお手本にしているため、英語表記では「whisky」となり、「e」を表記しません。
スコットランドやアイルランド、アメリカ、カナダなどはウイスキー産業保護のため、ウイスキー製造に関しては厳密な規定があります。
製法や産地にも細かい規則がありますが、日本はそこまでの規定がありません。
法律上の「ウイスキー」の定義を満たしており、日本国内でつくられていれば「ジャパニーズウイスキー」となります。
日本のウイスキーの味わいは…?
日本のウイスキーはスコットランドのスコッチがお手本です。
しかし、本場のスコッチはピーティだったりスモーキーだったりして、日本人の味覚には合わないものが多く存在しました。
そのため、日本では独特の強いフレーバーを抑えるため、モルトとグレーンを混ぜ合わせた「ブレンディッドウイスキー」の方が主流となっています。
ブレンディッドウイスキーはスモーキーさが抑えられ、ライトで飲みやすさが特徴です。
シングルモルトウイスキーもふえていますが、ブレンディッドウイスキーの方に人気が集まっています。
日本独特の習慣とは…
ブレンディッドウイスキーは、世界的にも需要が高いウイスキーです。
通常は蒸留所が他の蒸留所のモルト原酒を手に入れ、自由にブレンドを行うのが一般的です。
しかし、日本では単一の蒸留所が「ブレンディッド」も「シングルモルト」も作っています。
蒸留所同志で原酒の交換というのはほとんど行われていません。
これは世界的にみても珍しいといえます。
日本のウイスキーといえば…ミズナラ
日本のウイスキーはフルーティで繊細な味わいと言われますが、この独特の味わいを醸し出している原因の一つが熟成に使用される「ミズナラ」です。
熟成樽には通常ホワイトオークやヨーロピアンオークを使用しますが、日本では「ミズナラ」の樽を使用します。
もともと日本でも、熟成用の樽にはシェリー樽などが使われていましたが、第二次大戦中は入手困難となりました。
そのため、北海道を原産とするオークの一種「ミズナラ」を原材料とした樽を使い始めたのです。
当初はミズナラの独特の香りが強く、評価は芳しくありませんでした。
しかし、2回、3回と熟成の回数を重ねるにつれ、ミズナラ樽は変化します。
独特の風味を醸し出し、原酒に「白檀」のような上品な香りを与えました。
現在では「ジャパニーズウイスキー」を語るうえで、「ミズナラ」樽の存在を抜くことはできません。
ミズナラ樽は「ジャパニーズオーク」と呼ばれ、世界でも高い評価を受けています。
おすすめのジャパニーズウイスキーをご紹介
世界的にも人気が高いジャパニーズウイスキー。
本当に人気のあるものは高価で、ほとんど市場に出回りません。
そんなジャパニーズウイスキーの中でも比較的入手しやすく、おいしいおすすめのウイスキーをご紹介します。
サントリー ウイスキー 知多
さわやかな風味と味わいが人気のウイスキーといえば「知多」です。
こちらはライトな口当たりのブレンディッドウイスキーで、愛知県の知多市にある蒸留所内のグレーンウイスキーをブレンドして作られています。
イメージは「軽やかな風」だそうですが、それにぴったりの爽やかな口当たりです。
複雑なブレンド・貯蔵樽のミックスなど、造り手のこだわりと個性が強く表れています。
ほのかに甘くさわやかなおすすめブレンディッドウイスキーです。
イチローズ モルト&グレーン ホワイトラベル
大手蒸留所に負けない個性と味わいのウイスキーを作り続けているのが「秩父蒸留所」です。
イチローズモルトは世界のウイスキー愛好家からも注目を集めるジャパニーズウイスキーです。
海外オークションでも山崎に負けない高値で取引されています。
こちらのウイスキーはレモンやオレンジの爽やかさを感じるライトな口当たりがおすすめポイントです。
甘くすっきりとした独特の奥深い風味を味わいたい人におすすめです。
まとめ
海外ドラマ「メンタリスト」の中で、犯人である大富豪が主人公「パトリック・ジェーン」に日本のウイスキーを差し出すシーンがあります。
主人公はウイスキーをジャパニーズだと信じず、スペイサイドウイスキーだと主張します。
これに対し、犯人は日本のウイスキーがこんなにも洗練されている理由として「日本人の持つ精神」だと語ります。
本物を作り上げるために犠牲を惜しまないその精神こそがジャパニーズウイスキーの秘密であるというのです。
日本のウイスキーは世界的に高い評価を受けているのですが、海外の人がそこに「日本人の精神」を感じるのだとすれば、かなり誇らしいことだといえます。
日本のウイスキーを味わったことがない人は、ぜひトライしてみてはいかがでしょうか。