スコッチウイスキーの6大産地って? スコッチウイスキー6大産地の解説と、それぞれの代表的な銘柄の御紹介
マッサンで、すっかりおなじみとなったスコッチウイスキー。
スコッチウイスキーと一言で言いますが、実は、その特徴から6つの地域ごとに分けて語られることも多いのです。
それぞれの気候や蒸留所のスタイルによって特徴が異なっていて、その奥深さについついハマってしまう人も多いようです。
そんなスコッチウイスキーの6つの地域について、ひとつひとつ紹介していきたいと思います。
スコッチウイスキーの6大産地
日本では、世界5大ウイスキーのひとつとして挙げられるスコッチウイスキー。
スコッチウイスキーの主な産地は、大きく6つに分けられます。
その6つの地域とは、ハイランド 、スペイサイド 、ローランド、アイラ、キャンベルタウン、アイランズ。
この6つの地域に100以上の蒸留所があって、なんと1,000種類以上のウイスキーが作られているというのですから、驚きです。
スコットランドのウイスキー造りは、古くはハイランドとローランドという、2つの地域に分かれていました。
それぞれ、文化や慣習が異なっている地方です。
それによって、それぞれのウイスキーの性格や特徴も異なっていたと言われています。
その後、6つの地域に分かれるようになりました。
それでは、6つの地方のスコッチウイスキーについて、お伝えしていきたいと思います。
ハイランドウイスキーの特徴
ハイランド地方は、スコットランドの北の方に位置しています。
ハイランド地域だけで、およそ40もの蒸留所があります。
スコッチウイスキーの蒸留所は、およそ100カ所と言われていますので、ハイランド地域にとてもたくさんの蒸留所が存在していることが分かると思います。
6つの地域の中では、圧倒的に範囲も広く、ハイランド地域の中でも、更に東西南北に分類されることがあります。
それぞれの特徴としては、北はスモーキー、南は果実のよう、東はバニラとも表現される甘みがあり、西はスモーキーでドライというように言われることもあります。
ハイランドウイスキーの代表的な銘柄
ハイランドで代表のウイスキーをひとつ挙げるならば、「グレンモーレンジィ」です。
このウイスキーは、ハイランドの北のほうで作られています。
シングルモルトの定番と言えます。
柑橘系の香りがさわやかな一品です。
スペイサイドウイスキーの特徴
スペイサイドとは、ハイランド地方東部のスペイ川の近辺の地域を指しています。
地図で言うと、スペイサイドはハイランドの一部とも表現できるのですが、このスペイサイド地域の蒸留所は、ハイランドより更に多く、50以上も存在しています。
そのため、ハイランドとは一緒にしないで、この地域だけを分けて、スペイサイドと呼ぶようになったのです。
スペイサイドは、スコッチウイスキーを作るためには、最高の環境であると言われています。
そのためか、1,000を超える密造所が、密造時代に存在していたと言われています。
スペイサイドのウイスキーは、全体的に甘みがあって、華やか。
女性にもおすすめできるものが多いのが特徴です。
スペイサイドウイスキーの代表的な銘柄
スペイサイドの代表のウイスキーは、有名な「マッカラン」や「グレンフィディック」、「グレンリベット」などなど、数多くの銘酒があげられます。
どれかひとつと聞かれても、選べない、と言うのが正しいかもしれません。
初心者が飲みやすいウイスキーが多いことも、特徴のひとつと言えるでしょう。
ローランドウイスキーの特徴
ローランドは、スコットランドの南の方に位置しています。
現在使われている蒸留所が少ないため、ローランドウイスキーの種類も少なめです。
穏やかで、さらりとした飲み口が特徴です。
ローランドウイスキーは、個性が乏しいと言う人もいますが、柑橘類のような甘さがあり、飲みやすいウイスキーです。
ローランドで作られるウイスキーは、モルトウイスキーは少ないのですが、グレーンウイスキーが多く、ブレンデッドでも好んで使われます。
ローランドウイスキーの代表的な銘柄
ローランドウイスキーの代表は、「オーヘントッシャン」。
軽い飲み口で、なめらかな甘い香りを持つウイスキーです。
アイラウイスキーの特徴
イギリス・スコットランドの西には島がたくさんあります。
これを総称してヘブリディーズ諸島と呼びますが、数百の大小様々な島が、連なるように広範囲に広がっています。
この島々のひとつ、アイラ島で作られたウイスキーを、アイラウイスキーと呼びます。
アイラ島は、ヘブリディーズ諸島の最南端に位置しています。
アイラ地方と言いますが、アイラ島のことを指すのですね。
アイラウイスキーは、ピートのスモーキーな香りを特徴としています。
ピートとは、泥炭のことで、スコッチウイスキーには欠かせないものです。
この、アイラウイスキー独特の、ピートから成るスモーキーな香りは、薬臭いと表現されます。
正露丸のような香りだと言う人もいるほどです。
この香りがたまらないと言う、強烈なアイラファンが存在するのと同時に、苦手とする人もいます。
良くも悪くも、強烈な個性を持つウイスキーです。
アイラウイスキーの代表的な銘柄
アイラの代表的なものは、「ボウモア」です。
アイラの女王と呼ばれる一品です。
キャンベルタウンウイスキーの特徴
キャンベルタウンはスコットランドの南西、キンタイア半島の端に位置しています。
このあたりはアーガイル地方とも呼ばれ、アーガイル柄の語源となったのだそうです。
かつて、キャンベルタウンにあった「ヘーゼルバーン蒸留所」で、竹鶴政孝氏、あのマッサンのモデルとなった人物が、スコッチウイスキーを学びました。
残念ながら、ヘーゼルバーン蒸留所は1925年に閉鎖しています。
キャンベルタウンは小さな港町ですが、かつては30以上の蒸留所がありました。
ところが、次第に衰退し、現在操業中の蒸留所は3つだけ、ウイスキーの銘柄も、5つ程度です。
キャンベルタウンウイスキーは、ピート香がありますが、アイラウイスキーほどではありません。
一番の特徴は、港町のウイスキーという感じの、潮の香りです。
さわやかな潮の香りに、甘い風味が感じられる、複雑な味わいのウイスキーです。
香り高くて、重みがある、満足感を味わうことのできるウイスキーとも言えます。
キャンベルタウンウイスキーの代表的な銘柄
代表的な銘柄は、「スプリングバンク」や「ロングロウ」です。
どちらも個性豊かで、ファンが多いウイスキーです。
アイランズウイスキーの特徴
アイランズというのは、その名前の通りislands、つまり諸島のことを言います。
アイランズウイスキーとは、アイラ島以外の島々で造られるウイスキーのこと。
特徴的なのは、それぞれの島で味わいが全く異なっているということです。
ですので、アイランズウイスキー全体としての特徴は、伝えにくいというところなのです。
強いて挙げるならば、島で作られているからか、潮の香りを感じる銘柄が多いということでしょうか。
アイラウイスキー程には濃厚ではないものの、アイラと似たような特徴を持つものが多いとも言えます。
ひとつひとつの銘柄に、マニアックなファンがいることも、アイランズウイスキーの特徴です。
アイランズウイスキーの代表的な銘柄
アイランズの代表的な銘柄は、「ハイランドパーク 」「タリスカー スキャパ」「 スキレン 」です。
このなかで、「ハイランドパーク」は、スコットランドでも、最も北に位置する蒸溜所で作られるウイスキーです。
まとめ
さて、スコッチウイスキーの6つの産地の特徴と、代表的な銘柄について、お伝えしてきました。
ひとつひとつ挙げていく中で、それぞれの歴史や気候の中で育まれてきたものだということがわかりました。
どの地域も特徴が色濃く、魅力的です。
それぞれの地域を旅しながら、ひとつひとつ蒸留所を訪ね、その気候の中で作られたウイスキーを味わってみることができたら、本当に素敵です。
いつの日か、そんな日が来ることを夢見ながら、お気に入りの一品を開けてみてください。