いも焼酎をより楽しむために王道の「お湯割り」をもっと知る

焼酎

甕雫(かめしずく) 芋焼酎 1800ml 20度京屋酒造

一昔前はその強いクセと香りで敬遠されがちだったいも焼酎。

しかし数度の焼酎ブームを経てオジサンの飲むモノというイメージを払拭し、今では若い女性にも広く受け入れられるようになりました。

そんないも焼酎の総本山とも言えるのが鹿児島県ですが、そこでは専らいも焼酎はお湯割り。

宴会ともなれば各テーブルに電気ポットといも焼酎の一升瓶がドンッと置かれる光景も珍しくありません。

ではなぜお湯割りが愛されるのか、お湯割りにすることで焼酎がどう変わるのか、紹介したいと思います。



なぜお湯割りなのか

世界的にも珍しい温かいお酒

実はお酒を温めて飲むというのは世界的には少し珍しいのです。

もちろんホットワインやホットウイスキーなど世界にもお酒を温めて楽しむ方法はあります。

しかしそれは、あくまでも極寒で体を温めるときなど限られた場合に用いられる飲み方です。

日本人はスタンダードな飲み方として焼酎のお湯割りや日本酒の燗を楽しみます。

それでは一体なぜ、お酒を温めるのでしょうか。

香りや味への影響

まず1つが香りです。

温度が高くなることで当然のことながらアルコールや香気成分が揮発しやすくなります。

それにより、いも焼酎の芳醇な香りをより一層楽しめるのです。

さらに味にも変化が起こります。

人間の味覚は温度によってある程度左右されるのです。

キンキンに冷えた炭酸飲料は美味しく飲めますが、温くなると甘ったるくてとても飲めないという経験が誰にもあるんじゃないでしょうか。

口に入れるものの温度が高くなると甘みを、低くなると苦味渋味をより強く感じるようになります。

つまりお湯割りにすることによって、より芋の甘みをより感じられるのです。



お湯が先か焼酎が先か

お湯割りのルール

お湯割りを楽しむ多くの人の間で共通の絶対ルールがあります。

それは「先にお湯を注いで、後から焼酎を注ぐ」というものです。

鹿児島県では目上の方などにお湯割りを作る際にこれを守らないと指摘されるかもしれません。

ではなぜ、お湯が先で焼酎が後なのか。

お湯が先でも焼酎が先でも大した違いはなさそうに感じるかもしれません。

お湯を先に入れると全体の量のコントロールも難しくなります。

しかし実は、先か後かでお湯割りのレベルがグッと変わってくるのです。

対流で混ざる

まずは科学的な理由としてお湯と焼酎が混ざりやすいから、ということがあります。

温かいものは上に冷たいものは下にという原則があります。

温かいお湯を下にしておき、そこに焼酎を注ぐことによって上下で対流が起きて自然に混ざってくれるのです。

香りを楽しむ

香りを楽しむためにも、この順番が重要になってきます。

先にお湯を注ぐとグラスによって多少お湯の温度を下げることになり、またグラスはお湯によって程よく暖められるのです。

それにより、後から注いだ焼酎の香りが良い塩梅で引き出されます。

これが逆になりグラスに入っている焼酎にお湯が直接注がれてしまうと、温度の高いお湯が激しく焼酎に混ざることになります。

結果として、その瞬間に香気が一度に飛んでしまい香りを十分に楽しめなくなるのです。

味も変わる

また後からお湯を注ぐとアルコール分も揮発しやすいため、味にも変化が出てきます。

一般的に口当たりが強くなり辛口な印象に感じる人が多くなります。

焼酎とお湯のベストな比率は?

6:4

ロクヨンという、焼酎が6でお湯が4の比率がお湯割りを楽しむ上でよく見られる割合だと思います。

アルコール度数が25°であることが多い焼酎では、お湯割りにすると15°と日本酒程度になります。

芋の香りや甘みを存分に堪能できるお湯割りとなっています。

いも焼酎そのものを深く味わいたい人におすすめの割合です。

5:5

アルコール度数が12.5°となるお湯割りです。

芋の香りが抑えられてアルコール度数も低くなるので食事を楽しみながら飲むのに適しています。

4:6

アルコール度数が10°と、かなり飲み易くなります。

アルコールに弱い方には、この割合が向いています。

また芋の香りも相当抑えられるため、いも焼酎が苦手な方におすすめです。

お湯割りの理想の温度

お湯割りは人肌より温かい程度で

記事の冒頭で説明したように温度というのは人間の味覚に大きく影響してきます。

芋の甘味を引き出し、苦味や渋味を程よく抑えるには理想となるお湯割りの温度があるのです。

それは40℃から50℃の間となります。

日本酒でいうぬる燗にあたるこの温度が、最もいも焼酎の甘みと香りを楽しめるのです。

お湯の温度

香りやアルコールを必要以上に飛ばさないためにも注ぐお湯の温度は重要となります。

そして、お湯割りに使用するお湯の温度は70℃から75℃が適しています。

この温度がいも焼酎の香りと味を最高に引き出してくれるのです。

注意点としてはお湯を沸騰させてはいけないということです。

沸騰させてしまったお湯で作るお湯割りは口当たりがキツくなってしまいます。

焼酎の温度

さて、この理想の温度となるお湯でお湯割りを作るためには一体どうすればいいのでしょうか。

前記の通り、お湯割りには焼酎とお湯の理想の比率も存在します。

焼酎の温度とお湯の温度、この2つを理想の比率で混ぜた時に40℃から50℃のお湯割りとするためには焼酎の温度管理が重要です。

6:4でお湯割りを作るためには焼酎を20℃から25℃ほどにしておく必要があります。

これは夏場は常温となりますが冬においては焼酎を予め暖房の効いた部屋で待機させておくなどの工夫が必要です。

5:5では15℃から20℃あたりとなり、春秋の常温となります。

家庭においては焼酎の通常温度であり、多くの場合に特別な温度管理は必要ありません。

4:6では10℃から15℃と焼酎が少し冷えている必要があります。

冬においてはお湯割りを作る直前まで暖房の効いてない部屋に保存しておき、夏は冷暗所もしくは冷蔵庫の野菜室などで保存するなどしてください。

本格的に楽しみたいなら千代香(ぢょか)

ぢょかとは?

いも焼酎を楽しむときにスタンダードとなるのはお湯割りというのはここまでに紹介したとおりです。

しかし焼酎通がより一層いも焼酎を楽しむためには日本酒と同じように燗をするのです。

そして、その時に使用する銚子が千代香(ぢょか)となります。

銚子とは注ぎ口と取っ手のついた加熱のための道具であり、ぢょかは扁平した形が特徴的な鹿児島の酒器です。

ぢょかに焼酎とお湯を入れ火にかけて適温である40℃から50℃まで温めて使用します。

ぢょかのフタ部分が温まってきた頃が丁度良い温度の合図とされています。

そのぢょかで燗したいも焼酎は、その味わいがまた格段と違ったものとなってきます。

前割をしておく

ぢょかでいも焼酎を楽しむときに大事なのが前割です。

これは数日前から焼酎と水を理想の比率で合わせておき、焼酎と水を馴染ませておくものです。

これによってアルコール分が水分と融け合いまろやかな口当たりとなるのです。

もちろん前割はぢょかを使わない時でも有効で、いも焼酎通は常に先を見越して前割を仕込んでいます。

さらにこだわる人は勿論ミネラルウォーターを使います。

特にその焼酎の生産地の天然水を前割に使うことで完璧な焼酎を味わう事ができるのです。

まとめ

ここまで、いも焼酎のお湯割りをより楽しむための方法を紹介しました。

お湯割りなんて焼酎とお湯を混ぜるだけ、そう感じる方も多いと思います。

しかし、ここで紹介した方法を使って色々と飲み比べてください。

驚くほどの違いを感じることができるはずです。

こうしたこだわりを面倒くさいと思わず、むしろ楽しむことでよりいも焼酎を楽しむことができるようになるはずです。

ぜひ今後のいも焼酎ライフにお役立てください。

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