グリークブランデーと言えばこれしかない!メタクサのおすすめ!
ひと口にブランデーといっても、コニャック、アルマニャックに始まり、カルヴァドス、グラッパ、マールなど多くの種類がありますよね。
ブランデーの生産国によっても呼び名や味わいは異なりますし、本当に奥が深い飲み物です。
そんなブランデーの中でも、ちょっと変わり種として有名なグリークブランデーをご存知でしょうか。
ハーブやスパイスを多用した、コニャックやアルマニャックとはまた違った美味しさを持つブランデーなのです。
どんなブランデーなのでしょうか。
ギリシャのブランデーってどう?
ギリシャの人々は食事時間をとても大切にします。
食事とは一人であわただしく食べるのではなく、家族や気の置けない友人と楽しくおしゃべりしながら頂くものなのです。
そんなギリシャでポピュラーなアルコールと言えば、やはりワインやビール。
ビールはみんなでワイワイするのにぴったりですし、ワインは食前や食後には欠かせませんよね。
さらにギリシャオリジナルのお酒ウーゾはとても人気があります。
ギリシャ国内のバーや飲食店に行けば、必ず目にするでしょう。
それではブランデーはどうかといいますと、実際のところそんなに多くはありません。
これからご紹介する「メタクサ」はギリシャを代表するブランデーブランドですが、その評価はギリシャ国内よりも国外のほうが高いのです。
ギリシャではブランデーはどちらかというと上流階級の飲み物、という位置づけのようですね。
メタクサってどんな味?
メタクサはグリークブランデーと言われる通り、原材料はギリシャ産の白ブドウです。
味わいは滑らかで甘く、絹のような舌ざわりが特徴。
「メタクサはブランデーほどハードではなく、リキュールほど甘くない」と評されており、一般にイメージされるブランデーとは一味違いますね。
独特の味わいに魅了される人は多く、1890年にはロシア皇帝御用達ブランドとして認定されました。
さらに最近では、キューバのカストロ議長もメタクサのファンだったそうです。
メタクサって人気があるの?
飲んだことはなくとも、ブランデーがお好きな方なら、「メタクサ」という名前はご存知ではないでしょうか。
世界60カ国以上に輸出されています。
特にEU諸国では人気が高く、輸入蒸留酒トップ3に入るほどの人気です。
数多くの国際コンクールでもメダルも受賞しているんですよ。
ギリシャ国内より、国外での方が評価や人気が高いブランドと言えますね。
メタクサってどんなブランド?
ギリシャではプレミアムスピリッツという位置づけがされているメタクサですが、国内では酒類の輸出量トップを誇る有名ブランドです。
また、ギリシャ国内の蒸留酒メーカーとしては一番古く、その歴史も華やか。
年産3000万本以上というメタクサはどんなブランドなのでしょうか。
過去から現在まで…
メタクサの歴史は1888年、ギリシャのピレウス工場から始まります。
創設者はSpyros Metaxas(スピロス・メタクサ)。
当時、ギリシャでは古代から続く伝統的な方法に則って、ワイン造りがさかんに行われていました。
スピロスはワイン造りに使われるブドウを使って何か新しい飲み物がつくれないだろうかと思案を重ねます。
そしてピレウスの工場で現在まで続くメタクサを完成させたのです。
現在もメタクサは初代の遺志と伝統を守って造られています。
メタクサってどうやって造られるの?
メタクサの原材料となるのはギリシャ産の白ブドウから造られたワイン、薔薇の花や香草から抽出したエキスや甘味料です。
伝統に則り、天然成分のみで造られています。
ベースとなるのがマスカットワインであるため、メタクサの蒸留所では必ず熟練のワインマスターが目を光らせています。
蒸留は単式蒸留器で2回ほど行われます。
その後オーク樽で熟成させ、マスカットワイン、薔薇の花びら、ハーブなどをブレンド。
再度熟成が行われますが、その期間は最低でも1年とされています。
レシピは絶対に秘密!
メタクサをメタクサたらしめているのが蒸留後にブレンドされるハーブや薔薇の花びら。
メタクサでは企業秘密として、配合や種類を公表していません。
蒸留所の中でも、限られた数人しかレシピを知らないといいますから、徹底していますね。
星の数に注目!メタクサのおすすめ!
メタクサのラベルには、星がいくつか描かれています。
実はこれ、エイジングの期間を表しているのです。
星が少ないほど鮮烈でフルーティな味わいを持ち、多いほど熟成したどっしりとした風味を味わうことができるでしょう。
また、ガラスボトルではなく陶器に入れられた「グランドファイン」というシリーズもあります。
METAXA 5 STARS(メタクサ 5スター)
ラベルからもわかるように、5年熟成のメタクサです。
マスカットやブリオッシュの香り。
バニラ、オレンジ、薔薇のアロマも程よく感じます。
カラーは鮮やかなゴールデンアンバー。
口に含むとアプリコットやレーズンの甘み。
フィニッシュにはライトオークとアーモンドが残ります。
フレッシュで華やかな風味は食事の際にもぴったり。
特に食前酒としておすすめです。
METAXA 7 STARS(メタクサ 7スター)
こちらは星7つの7年熟成ものです。
フルーティさよりもナッティーな風味を強く感じます。
「METAXA 5 STARS」より、シルキーでなめらかな舌触りです。
カラーは深い琥珀。
マスカットや桃が強く香り、ドライプルーンやハーブハニーのアロマも感じます。
口に含むとややスパイシーで、ハチミツとブラックレーズンの甘みもあります。
フィニッシュはブラックレーズンの甘くあたたかな風味が残ります。
ストレートあるいはオンザロックがおすすめ。
METAXA 12 STARS(メタクサ12スター)
こちらは12年熟成のメタクサです。
このくらいになるとかなりまろやかでナッティーな風味となります。
複雑で豊かな風味です。
カラーは赤味がかった琥珀色。
ドライイチジク、オレンジピールなどがスパイシーに香ります。
口に含むと、絹の様な舌触り。
リコリスやダークカカオ、ハチミツが絶妙にブレンドされた味わいです。
フィニッシュはスパイスとオレンジ。
何も加えずそのまま、あるいはシングルロックがおすすめです。
METAXA Private Reserve
毎年一度造られるシングルバッチのブランデーです。
メタクサマスターのConstantinos Raptis(コンスタンティノスラプティス)によって注意深く見極められ、造られています。
カラーはハチミツと暗い琥珀。
ハチミツとチョコレート、ナシのコンポートのアロマを感じます。
口に含むと豊かなオークの温かみ。
タバコ、オレンジ、レーズンが円やかにブレンドされています。
フィニッシュはドライフルーツの甘みと、樽由来のスモーキーな味わい。
Metaxa AEN Cask No.1
こちらは2008年に創設120周年迎えたメタクサが、それを記念して造った特別なボトルです。
リムジンオークのカスクNO1はメタクサ家の財産であり、創設の時から現在まで大切に地下室に収容されています。
80年以上寝かされた樽には200種類以上の原酒がブレンドされています。
まさにメタクサの歴史と伝統そのものといえるのです。
カラーはブロンズに光る深いマホガニー。
ウッディなオークの香りを強く感じます。
ドライフルーツ、バニラ、クルミ、ヘーゼルナッツの深いアロマが複雑に混ざり、口に含むと暖かくスパイシー、そしてなめらかな舌触りです。
フィニッシュはアーモンドやドライフルーツ、モカコーヒーの苦みも感じます。
深い味わいを感じるために、ストレートで何も加えずに頂くことをおすすめします。
まとめ
メタクサのシンボルはサラミナの兵士です。
これは、メタクサの工場を建設中に古代のコインが見つかり、そこに描かれていたものなのです。
ギリシャで一番古い蒸留所として栄え、世界にその名を轟かせるメタクサにはピッタリのシンボルと言えるのではないでしょうか。
メタクサのブランデーは日本でも買えますが、レアなものはギリシャ国内でないと入手できないようです。
もしも旅行の計画などがありましたら、メタクサのブランデーをチェックしてみることをおすすめします。