これはブランデー? 人には聞けないお酒の種類をまとめて紹介!
ブランデーは主にブドウの果汁を発酵させ、蒸留・熟成させたお酒です。
カルヴァドスやキルシュなど、材料や産地によっていくつか種類がありますが、普段あまりなじみがないと、見た目がよく似た別の蒸留酒と混同してしまうことが少なくありません。
ここでは、ちょっと変わったブランデーの種類や、ブランデーと間違えやすいお酒を紹介します。
目次
リンゴの風味を丸ごと閉じ込めたカルヴァドスの魅力
カルヴァドスはフランスのノルマンディー地方で生産されるアップルブランデーで、コニャック、アルマニャックと並んで3大ブランデーの1つに数えられています。
北部にあるノルマンディー地方はブドウの栽培に適しておらず、リンゴを原料とする点が大きな特徴です。
複数のリンゴをブレンドするだけでなく、10~30%程度の西洋梨が使用されることで甘味と酸味のバランスをとっています。
ボトルの中にリンゴを丸ごと入れたものもあり、視覚からも楽しめる1品です。
ビンの口を切ったわけではなく、リンゴがまだ小さいうちにビンの口から入れてそのまま成長させたもので、合計3回に分けてカルヴァドスを注いで封をして作られます。
ブドウの搾りかすを利用するイタリアのグラッパ
イタリアの特産品であるグラッパの原料は普通のブランデーと同じくブドウですが、ワインを作る際に残ったブドウの搾りかすを使用するのがポイントです。
ブドウの皮や種、付着している果汁のみを発酵させて製造し、水を加えたものや再発酵させたものはグラッパと表記することはできません。
蒸留した後にそのままボトルに詰められるため、無色透明のものがほとんどですが、オークやアカシア、桜などの樽で熟成させたものもあり、こちらは他のブランデーと同じく琥珀色をしています。
なお、フランスにも同様にブドウの搾りかすから作った蒸留酒があり、マールと呼ばれています。
サクランボを原料とするキルシュヴァッサー
キルシュヴァッサーはチェリーブランデーの種類で、ドイツのシュヴァルツヴァルト地方の特産品ともいえるお酒です。
サクランボを種まで丸ごとつぶして発酵させ、6週間寝かせてから蒸留させて作ります。
縮めてキルシュとも呼ばれており、色は無色透明ですがサクランボの爽やかな香りと甘味から世界中で愛されています。
本場であるドイツではストレートで飲んだ後にビールを流し込むのが一般的ですが、水割りやカクテルもおすすめです。
シロップの香りづけやお菓子作りにも利用されています。
無色透明のコルンは穀物から作られるドイツの蒸留酒
コルン(Korn)はドイツの代表的な蒸留酒の1つ。
「穀物で作ったブランデー」を意味する「コルンブラントヴァイン」が縮まってコルンと呼ばれるようになりました。
名前の通り、小麦やライ麦といった穀物を原料としており、無色透明の見た目とクセのない風味が特徴です。
ちなみに、ドイツでは穀物自体のことも「コルン」と呼びます。
コルンのアルコール度数は32度以上で、38度以上のものはドッペルコルンといいます。
ドイツにはコルンを生産している業者が3千以上あり、その多くは北西部に集中しています。
銘柄はオルデローエ・アルダー・コルンやウルコルンなどが有名です。
スペインの大地の恵み、シェリーとは
シェリー酒はスペイン・アンダルシア地方で生産されるワインの1種です。
醸造の過程でアルコールを加えて度数を高めてあり、ポルトガルのポート・ワインやマデイラ・ワインと合わせて3大酒精強化ワインと呼ばれています。
原料には白ブドウのみを使用しており、独特の淡い色合いも特徴です。
小説家サマセット・モームの作品にも登場し、スペイン国内で消費されている他、イギリスやオランダなどヨーロッパに輸出されています。
辛口や極甘口、2つのブレンドなど、幅広い味が楽しめるワインです。
ブランデーの種類じゃない?レモンが香るニコラシカ
異国の響きが魅力的なニコラシカは、ブランデーを使った代表的なカクテルです。
バーでニコラシカをさらっと注文できたら、なかなかにスマートな印象でしょう。
カクテルに分類されていますが、トニックやリキュールなど別の液体とミックスしたものではありません。
見た目は少しシュールで、ブランデーを注いだグラスの上に輪切りのレモンと山盛りの砂糖をのっています。
どうやって味わうのかというと、砂糖をこぼさないようレモンを2つに折って口に運び、レモンの風味が広がるまで噛んでからブランデーを一気に流し込みます。
レモンの爽やかな香りとブランデーの味わいが一体となる、お口直しにおすすめの1杯です。
まとめ
ここでは、名前は何となく聞いたことがあっても、どんなお酒なのかあまり知られていないものをまとめました。
ブランデーの名前かと思いきや、別の蒸留酒や醸造酒の種類だったり、カクテルの名前だったりすることもあるので、チェックしておきましょう。
ネットで注文するか、バーで挑戦してみるなど、おしゃれな生活を満喫してみてくださいね。